要点まとめ(TL;DR)
- • 2026年試験の出題範囲:2026年4月1日時点で施行されている法令
- • 最重要改正:相続登記義務化、4号特例縮小、省エネ基準義務化、盛土規制法
- • 新規施行:住所変更登記の義務化(2026年4月施行予定)
- • 各改正に前後比較表と確認クイズを収録
所在等不明共有者がいる場合に、他の共有者が裁判所の決定を得て、不明共有者の持分を取得したり、不動産全体を第三者に譲渡できる制度が創設された。共有不動産の管理・処分を円滑化するための改正。
改正前後比較
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 共有物の変更・処分には共有者全員の同意が必要であり、所在不明の共有者がいると売却等ができなかった。 | 裁判所の決定により、所在等不明共有者の持分を他の共有者が取得できる(持分取得)。また、所在等不明共有者の持分を含めて不動産全体を第三者に譲渡できる(持分譲渡)。供託による代金の保管制度も整備。 |
試験での出題ポイント
「持分取得」と「持分譲渡」の2つの制度の違い、裁判所への申立てが必要な点、供託制度との関係が問われやすい。2026年試験では事例問題として出題が予想される。
確認クイズ
Q1.共有制度の見直しに関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q2.共有物に関する次の記述のうち、改正民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
Q3.所在等不明共有者の持分の譲渡に関する記述のうち、正しいものはどれか。
隣地使用権の内容の明確化と、他の土地にライフライン(電気・ガス・水道等)の設備を設置する権利が明文化された。現代の生活インフラに対応した相隣関係の規律の見直し。
改正前後比較
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 隣地使用に関する規定は抽象的で、ライフライン設置に関する明確な規定がなかった。隣地所有者の承諾が必要とされ、承諾が得られない場合は訴訟によるしかなかった。 | 隣地使用権:一定の目的(境界調査、建築工事等)のために必要な範囲で隣地を使用できることを明確化。事前通知で足り、承諾は不要。ライフライン設置権:他の土地に設備を設置し、又は他人の設備を使用する権利を明文化。償金の支払いが必要。 |
試験での出題ポイント
隣地使用権は「承諾」ではなく「事前通知」で足りる点、ライフライン設置権の「償金」の支払い義務がポイント。事例問題で出題されやすい。
確認クイズ
Q1.相隣関係の規定の見直しに関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q2.改正民法における隣地使用権に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
2024年4月1日から施行された不動産登記法の改正により、相続による不動産取得を知った日から3年以内の相続登記申請が義務化された。2026年試験では出題の本格化が予想される最重要改正の一つ。
改正前後比較
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 相続登記は任意であり、未登記のまま放置しても罰則がなかった。その結果、所有者不明土地が増加し社会問題化していた。 | 相続により不動産を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならない。正当な理由なく期限内に申請しない場合、10万円以下の過料。遺産分割が成立した場合も、成立日から3年以内に登記が必要。相続人申告登記の制度も創設。施行日前に発生した相続にも適用(経過措置あり)。 |
試験での出題ポイント
「3年以内」の起算点、過料の金額(10万円以下)、相続人申告登記の制度、施行前の相続への遡及適用が頻出ポイント。正誤問題で細かい数字が問われる。
確認クイズ
Q1.相続登記の義務化に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q2.相続人申告登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
Q3.相続登記の義務化について、正しいものはどれか。
所有者が不明な土地・建物について、裁判所が管理人を選任し、管理・処分を行う制度が創設された。従来の不在者財産管理制度よりも効率的に個別の不動産を管理できる。
改正前後比較
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 所有者不明の土地の管理は不在者財産管理制度で対応していたが、人単位の管理であるため、他の財産も含めて管理する必要があり、コストと手間がかかっていた。 | 所有者不明土地管理命令・所有者不明建物管理命令により、個々の不動産ごとに管理人を選任できる。管理人は裁判所の許可を得て売却等の処分も可能。管理不全土地・建物の管理制度も創設。 |
試験での出題ポイント
「人単位」から「物単位」の管理への転換、管理人の権限(裁判所の許可で処分可能)、管理不全土地管理制度との違いがポイント。
確認クイズ
Q1.所有者不明土地管理制度に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q2.所有者不明土地管理制度と管理不全土地管理制度の比較として、正しいものはどれか。
2022年5月のデジタル改革関連法施行により、重要事項説明書(35条書面)や契約書(37条書面)の電子交付が可能になった。2026年試験では電子契約の運用が定着し、実務面からの出題が予想される。
改正前後比較
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 重要事項説明書(35条書面)や契約書(37条書面)は書面(紙)での交付が義務付けられていた。 | 相手方の承諾を得た場合、35条書面・37条書面を電磁的方法により提供できる。電子署名の要件、相手方の承諾の取得方法等が定められている。 |
試験での出題ポイント
「相手方の承諾」が必要な点、電子データの提供方法、電子署名の要件が問われる。紙の書面交付と電子交付の要件の違いに注意。
確認クイズ
Q1.宅建業法における電子契約に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q2.書面の電子化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
オンラインによる重要事項説明(IT重説)が社会実験を経て本格運用(恒久化)された。対面での重要事項説明と同等の要件を満たせば、テレビ会議等を利用して実施可能。
改正前後比較
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 重要事項説明は対面で行うのが原則であり、IT重説は社会実験として限定的に実施されていた(賃貸取引から先行開始)。 | 売買・交換を含む全ての取引でIT重説が恒久的に認められた。相手方が35条書面を確認しながら説明を受けられること、双方向でやりとりできるIT環境が必要。宅建士証の提示はカメラを通じて行う。 |
試験での出題ポイント
IT重説の実施要件(双方向通信、35条書面の事前送付、宅建士証の画面提示)と、対面重説との共通点・相違点が出題ポイント。
確認クイズ
Q1.IT重説に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q2.IT重説の実施要件として、誤っているものはどれか。
2025年4月施行の建築基準法改正により、従来「4号建築物」に分類されていた木造2階建て住宅等の建築確認における審査省略(4号特例)が大幅に縮小された。新たに「新2号」「新3号」の区分が設けられた。
改正前後比較
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 木造2階建て以下・延べ面積500㎡以下等の小規模建築物(4号建築物)は、建築確認において構造関係規定の審査が省略されていた(4号特例)。 | 建築物の分類が見直され、従来の4号建築物の大部分が「新2号建築物」に移行。新2号建築物は構造関係規定等の審査省略が廃止され、構造計算書等の提出が必要に。平屋かつ延べ面積200㎡以下の建築物のみ「新3号建築物」として審査省略の対象。 |
試験での出題ポイント
旧4号建築物と新2号・新3号の分類の違い、審査省略の対象範囲の変更が重要。2025年4月施行のため、2026年試験で出題が予想される改正点。
確認クイズ
Q1.建築基準法の改正(4号特例の縮小)に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q2.建築物の分類の見直しに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
2025年4月から、原則として全ての新築住宅・非住宅建築物に省エネ基準への適合が義務付けられた。従来は大規模建築物のみが義務対象だったが、小規模住宅を含む全建築物に拡大。
改正前後比較
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 省エネ基準適合義務は、延べ面積300㎡以上の非住宅建築物(大規模オフィスビル等)に限られていた。住宅や小規模建築物は届出義務や説明義務にとどまっていた。 | 原則として全ての新築建築物(住宅を含む)に省エネ基準への適合が義務化。建築確認の審査対象に省エネ基準が追加。適合しない場合は建築確認が下りない。 |
試験での出題ポイント
「全ての新築建築物」が対象となった点、建築確認との連動、従来の義務対象との比較が出題ポイント。宅建業法の重要事項説明との関連も注意。
確認クイズ
Q1.省エネ基準適合義務化に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q2.省エネ基準と宅建業法の関係について、正しいものはどれか。
Q3.省エネ基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
4号特例の縮小・省エネ基準適合義務化に伴い、建築確認の手続き全体が見直された。審査対象の拡大や図書の省略規定の変更が行われている。
改正前後比較
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 4号建築物は図書の省略が広く認められ、確認申請の手続きが簡素だった。 | 新2号建築物は構造関係規定や省エネ関係規定の審査が追加され、提出図書が増加。建築確認の審査期間も見直しが行われた。 |
試験での出題ポイント
建築確認の審査対象の拡大と提出図書の変更、審査期間の見直しがポイント。4号特例縮小や省エネ義務化と合わせて出題される可能性が高い。
確認クイズ
Q1.建築確認手続きの見直しに関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q2.建築確認の手続きに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
2026年4月施行予定の不動産登記法改正により、不動産所有者の住所・氏名の変更登記が義務化される。所有者不明土地問題の解消に向けた施策の一環。
改正前後比較
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 住所や氏名の変更があっても、不動産登記の名義人の住所変更登記は任意であり、放置しても罰則がなかった。 | 不動産の所有権登記名義人は、住所・氏名等に変更があった日から2年以内に変更登記を申請しなければならない。正当な理由なく申請しない場合、5万円以下の過料。登記官が職権で住所変更を行う仕組みも導入。 |
試験での出題ポイント
「2年以内」の期限、「5万円以下の過料」の金額、職権による変更登記の仕組み、相続登記義務化(3年以内・10万円以下の過料)との比較が出題ポイント。2026年4月施行のため、同年10月の試験で出題が予想される。
確認クイズ
Q1.住所変更登記の義務化に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q2.相続登記の義務化と住所変更登記の義務化の比較として、正しいものはどれか。
老朽化マンションの建替え促進や管理の適正化を目的とした区分所有法の改正が議論されている。建替え決議の要件緩和や、所在等不明区分所有者への対応策が検討課題。2026年試験では改正の方向性が問われる可能性がある。
改正前後比較
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| マンション建替え決議は区分所有者及び議決権の各5分の4以上の賛成が必要であり、合意形成が困難だった。所在等不明の区分所有者がいる場合、決議に必要な母数から除外できなかった。 | 建替え決議の多数決要件の緩和(客観的事由がある場合に4分の3以上への緩和)が検討されている。所在等不明区分所有者を決議の母数から除外する制度の導入も議論中。出席者の多数決による決議方式(二段階制)も提案されている。 |
試験での出題ポイント
現行法の建替え決議要件(5分の4以上)を正確に理解した上で、改正の方向性を押さえることが重要。2026年試験時点での法律の状況に注意が必要。
確認クイズ
Q1.区分所有法に関する記述のうち、現行法の規定として正しいものはどれか。
Q2.区分所有法の改正に関する議論として、検討されている内容に含まれないものはどれか。
2023年5月に全面施行された「宅地造成及び特定盛土等規制法」(旧:宅地造成等規制法)。2021年の熱海市土石流災害を受け、危険な盛土を包括的に規制する法律として改正・改称された。2026年試験では出題の本格化が確実視されている。
改正前後比較
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
| 旧「宅地造成等規制法」では、宅地造成工事規制区域内の宅地造成のみが規制対象であり、宅地以外の土地(森林、農地等)での盛土は規制の対象外だった。 | 法律名が「宅地造成及び特定盛土等規制法」に改称。規制区域が「宅地造成等工事規制区域」と「特定盛土等規制区域」に再編。宅地以外の土地での盛土・切土も規制対象に拡大。中間検査制度の導入、罰則の強化(最大3年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金)。 |
試験での出題ポイント
旧法との名称変更、規制区域の種類(2種類)、宅地以外への規制拡大、罰則の強化が最重要ポイント。旧法からの変更点を対比して出題されやすい。
確認クイズ
Q1.宅地造成及び特定盛土等規制法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q2.盛土規制法の罰則に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q3.盛土規制法における特定盛土等規制区域に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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