管理業務主任者試験 2019年 問3
2019年 問3
民法・区分所有法等
不法行為の効果と工作物責任不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
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正解: 3 — 被害者に対する加害行為とその加害行為の前から存在した当該被害者の疾患がともに原因となり損害が発生した場合において、加害者にその損害の全部を賠償させるのが公平を失するときは、裁判所は、その加害行為の前から存在した当該被害者の疾患を考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
不法行為に関する基本論点を横断的に問う問題である。正解肢3は、加害行為の前から存在した被害者の疾患が損害の発生・拡大に寄与した場合について、過失相殺の規定を類推適用して賠償額を減額できるとした判例(素因減額)の趣旨をそのまま述べたもので正しい。損害の公平な分担という不法行為法の理念から、裁判所は被害者の疾患を考慮して賠償額を定めることができる。他方、悪意による不法行為に基づく損害賠償債権について相殺が禁じられるのは加害者側であって被害者側ではないこと、工作物責任における所有者の責任は免責の余地がない無過失責任であること、被害者の父母・配偶者・子は固有の慰謝料請求権を有することを併せて押さえたい。