平成29年(2017)本試験
問50
税・その他建物に関する知識過去問
この問題の全体像
建築材料(木材、鉄筋、コンクリート)の物理的性質と、鉄筋コンクリート造の特性に関する理解を問う問題。特に木材の含水率と強度の関係が正しく理解されているかが正否の分かれ目となる。
建物の構造と材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 1木材の強度は、含水率が小さい状態の方が低くなる。
- 2鉄筋は、炭素含有量が多いほど、引張強度が増大する傾向がある。
- 3常温、常圧において、鉄筋と普通コンクリートを比較すると、熱膨張率はほぼ等しい。
- 4鉄筋コンクリート構造は、耐火性、耐久性があり、耐震性、耐風性にも優れた構造である。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
建築材料(木材、鉄筋、コンクリート)の物理的性質と、鉄筋コンクリート造の特性に関する理解を問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
建築材料(木材、鉄筋、コンクリート)の物理的性質と、鉄筋コンクリート造の特性に関する理解を問う問題。特に木材の含水率と強度の関係が正…
03
知識背景
この問題は、建物の構造種別と材料特性に関する基礎知識を扱う。木材、鉄鋼、コンクリートといった主要建築材料の強度特性や環境への応答、お…
04
覚え方
「木は乾燥で強くなる、鉄は炭素で硬くなる」。木材はカラカラに乾いた方が強いと覚える。
05
試験のコツ
材料の特性の組合せ
・不適切な記述の選択
・構造別のメリット・デメリットの比較
06
実務での見え方
中古住宅の内覧時に、柱の腐食やシロアリ被害(水分との関係)を説明する際、木材の含水率と強度の知識が役立つ。
07
よくある間違い
{"mistake":"「木材は水分を含むと重くなるから強い」と直感的に思い込むこと。","why_wrong":"日常生活の感覚(…
02深度分析
要約
建築材料(木材、鉄筋、コンクリート)の物理的性質と、鉄筋コンクリート造の特性に関する理解を問う問題。特に木材の含水率と強度の関係が正しく理解されているかが正否の分かれ目となる。
法的根拠
建築基準法第20条(構造耐力)建築基準法施行令第3条(構造部材等)品確法第3条(日本住宅性能表示基準)
論理の流れ
選択肢1の「木材の強度は含水率が小さい状態の方が低くなる」を検証する。木材は繊維飽和点(約30%)以下で含水率が下がるほど強度が増大する性質があるため、この記述は誤りである。選択肢2は鉄筋の炭素量と強度の関係、選択肢3は熱膨張率の適合性、選択肢4はRC造の一般的な特性を述べており、いずれも正しい記述である。したがって、不適当なものは1となる。
重要な区別
木材の含水率と強度の関係。繊維飽和点以下では、含水率の減少は強度の増加を意味する。
各選択肢のポイント
- 木材は含水率が小さくなるほど強度が増大するため、記述内容は誤りである。
- 鉄筋は炭素含有量が増えるほど硬くなり、引張強度は増大する傾向がある。
- 鉄筋とコンクリートは熱膨張率がほぼ等しいため、一体となって耐力を発揮する。
- 鉄筋コンクリート造は、耐火性、耐久性、耐震性、耐風性に優れた構造である。
03知識背景
テーマ概要
この問題は、建物の構造種別と材料特性に関する基礎知識を扱う。木材、鉄鋼、コンクリートといった主要建築材料の強度特性や環境への応答、およびそれらを組み合わせた複合構造(RC造など)の構造的メリットについての理解が求められる。
歴史的背景
建築技術の発展に伴い、木造から耐火性を求めた煉瓦造、さらには鉄とコンクリートを融合したRC造やS造へと構造形式が進化した。近年では木造の耐火技術の向上やCLTなどの新材料も注目されている。
関連法令
建築基準法第2条一号(定義)建築基準法施行令第3条住宅の品質確保の促進等に関する法律
体系的位置づけ
宅建試験の「一般知識」または「法令制限」の一部として、建物の物理的構造に関する基礎的な素養を確認する位置づけにある。
前提知識
材料の引張強度と圧縮強度の違い、含水率が材料に与える影響、熱膨張率の概念、および主要な構造形式(木造、RC造、S造)の基本的な特徴を理解している必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「木は乾燥で強くなる、鉄は炭素で硬くなる」。木材はカラカラに乾いた方が強いと覚える。
ビジュアル描写
乾燥したパンは硬いが、湿ったパンは柔らかいイメージ。木材も同様に水分が抜けると繊維が密になり強度が増す。
重要公式
木材の繊維飽和点=約30%。これ以下で含水率が下がると強度が上がる。
関連連想
乾燥材(カンゾウザイ)=強い材(ツヨイザイ)と連想する。
比較表
木造:軽量・加工容易・耐火低、RC造:耐火・耐震・重量大、S造:高層向・工期短・耐火被覆要。
05試験テクニック
出題頻度
2-3年に1回
重要度
B:重要。基礎知識として必須だが、難易度は標準的。
出題パターン
- 材料の特性の組合せ
- 不適切な記述の選択
- 構造別のメリット・デメリットの比較
解法・消去法
RC造のメリット(耐火性など)は常識として正しいと判断し、選択肢4を正解候補から外す。残りを材料特性で絞り込む。
時間戦略
基礎知識の確認問題なので、迷わず即答できるようにし、時間をかけすぎないこと。
06実務応用
実務シナリオ
中古住宅の内覧時に、柱の腐食やシロアリ被害(水分との関係)を説明する際、木材の含水率と強度の知識が役立つ。
実務への影響
適切な材料選択と維持管理が、建物の資産価値と安全性を維持するために直結する。
ケーススタディ
乾燥不十分な木材を使用した建物で、建後に収縮による歪みや強度不足が生じ、雨漏りや耐震性低下の原因となった事例。
業界関連性
不動産鑑定評価や建物状況調査(インスペクション)において、材料の劣化要因を理解するために重要。
ニュース連動
木造高層ビルの建設プロジェクトや、CLT(直交集成板)を用いた公共建築物のニュースに関連。
07よくある間違い
「木材は水分を含むと重くなるから強い」と直感的に思い込むこと。
なぜ間違えるか:日常生活の感覚(濡れたタオルが重い)と、材料学的な強度(繊維の結合)を混同しているため。
正しい理解:「乾燥材」が構造材として好まれることを想起し、乾燥=強いと覚え直す。
コンクリートは圧縮に強いが、引張りには弱いことを混同する。
なぜ間違えるか:コンクリートは硬いイメージから全ての力に強いと誤解しがちであるため。
正しい理解:コンクリートだけではヒビ割れやすいことをイメージし、鉄筋で引っ張る役割を覚える。
鉄筋とコンクリートの熱膨張率が異なると勘違いし、温度変化で壊れると誤解する。
なぜ間違えるか:異なる金属同士(バイメタル)は膨張率が違うが、RC造は一体化するために設計されていることを知らないため。
正しい理解:「仲良し夫婦」のように同じように膨らむ・縮むとイメージする。
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