令和元年(2019)本試験
問50
税・その他建物に関する知識過去問
この問題の全体像
この問題は、建築物の地震対策である耐震、制震、免震の3つの技術の定義と特徴を理解しているか、特に既存不適格建築物の補強における耐震技術の利用有無を問う問題です。
建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 1地震に対する建物の安全確保においては、耐震、制震、免震という考え方がある。
- 2制震は制振ダンパーなどの制振装置を設置し、地震等の周期に建物が共振することで起きる大きな揺れを制御する技術である。
- 3免震はゴムなどの免震装置を設置し、上部構造の揺れを減らす技術である。
- 4耐震は、建物の強度や粘り強さで地震に耐える技術であるが、既存不適格建築物の地震に対する補強には利用されていない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
この問題は、建築物の地震対策である耐震、制震、免震の3つの技術の定義と特徴を理解しているか、特に既存不適格建築物の補強における耐震技術の利用有無を問う問題です。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
この問題は、建築物の地震対策である耐震、制震、免震の3つの技術の定義と特徴を理解しているか、特に既存不適格建築物の補強における耐震技…
03
知識背景
建築物の地震対策は、大きく分けて「耐震」「制震」「免震」があります。耐震は柱や壁を強くして揺れに耐える従来の方法、制震はダンパーなど…
04
覚え方
耐(たい)は力で「耐える」、制(せい)はダンパーで「制する」、免(めん)はゴムで「免れる」と覚える。
05
試験のコツ
3つの地震対策の定義の組み合わせ問題
・各技術のメリット・デメリットの比較
・既存建築物の耐震改修に関する記述
06
実務での見え方
中古マンションの購入を検討する顧客に対し、その建物が「耐震補強済み」であるかどうかを説明する際に必要な知識です。また、新築分譲におい…
07
よくある間違い
{"mistake":"耐震技術は古い技術であり、既存建築物の補強には使われないと誤解する。","why_wrong":"制震や免震…
02深度分析
要約
この問題は、建築物の地震対策である耐震、制震、免震の3つの技術の定義と特徴を理解しているか、特に既存不適格建築物の補強における耐震技術の利用有無を問う問題です。
法的根拠
建築基準法第20条(構造耐力)建築基準法施行令第3章第8節(構造部材等)建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)
論理の流れ
まず、選択肢1で提示された3つの概念(耐震、制震、免震)の定義を正確に把握します。選択肢2は制震ダンパーによる共振の制御、選択肢3は免震装置による揺れの低減であり、これらは技術的に正しい記述です。選択肢4の前半は耐震の定義として正しいですが、後半の「既存不適格建築物の補強には利用されていない」という記述に着目します。実際には、耐震補強(壁の追加や柱の補強など)は既存建築物の対策として最も一般的に利用されています。したがって、この記述が誤りであると判断します。
重要な区別
耐震、制震、免震それぞれの仕組みの違いと、特に「耐震補強」が既存建築物の改修において主流であるという点を区別すること。
各選択肢のポイント
- 地震対策の基本的な3つの考え方を正しく列挙しており、適当な記述である。
- 制震ダンパー等を用いて建物の共振による揺れを吸収・制御する技術の説明として正しい。
- 積層ゴム等の免震装置で地盤と建物を切り離し、揺れを低減する技術の説明として正しい。
- 耐震技術は建物の強度で耐えるものであり、既存不適格建築物の補強にも広く利用されている。
03知識背景
テーマ概要
建築物の地震対策は、大きく分けて「耐震」「制震」「免震」があります。耐震は柱や壁を強くして揺れに耐える従来の方法、制震はダンパーなどで揺れを吸収する方法、免震は基礎の下で揺れを遮断する方法です。耐震はコストパフォーマンスに優れ、新築・改修を問わず最も普及しています。
歴史的背景
1995年の阪神・淡路大震災を機に、既存建築物の耐震診断と補強の重要性が急速に高まりました。耐震改修促進法が制定され、特に学校や病院などの公共建築物を中心に耐震補強が進められてきました。
関連法令
建築基準法第20条建築基準法施行令第82条建築物の耐震改修の促進に関する法律
体系的位置づけ
宅建士試験の「権利関係」ではなく「宅建業法」等の一般知識科目、特に「建物の構造」分野における基礎的な技術知識として位置づけられます。
前提知識
地震の揺れが建物に伝わるメカニズム、共振現象、既存不適格建築物(建築基準法改正前に建てられた現行法に適合しない建物)の意味を理解しておく必要があります。
04記憶テクニック
語呂合わせ
耐(たい)は力で「耐える」、制(せい)はダンパーで「制する」、免(めん)はゴムで「免れる」と覚える。
ビジュアル描写
耐震は相撲の押し合いで踏ん張るイメージ、制震はサスペンションが衝撃を和らげるイメージ、免震は皿の上のボールが揺れても上のものが安定するイメージ。
重要公式
耐震=強度・粘り、制震=エネルギー吸収、免震=周期の長期化。
関連連想
「既存不適格」=「古い家」=「耐震補強(壁を足す)」と連想させ、選択肢4の矛盾を見抜く。
比較表
耐震:壁で耐える、安価、一般的。制震:ダンパーで揺れを吸収、中層向け。免震:基礎で絶縁、高価、高層向け。
05試験テクニック
出題頻度
2-3年に1回
重要度
B:重要。不動産の説明に必要な基礎知識のため。
出題パターン
- 3つの地震対策の定義の組み合わせ問題
- 各技術のメリット・デメリットの比較
- 既存建築物の耐震改修に関する記述
解法・消去法
選択肢1、2、3は教科書通りの正確な定義であることが多いため、消去法で4を残す。4の「利用されていない」という絶対的な否定表現は、誤りである可能性が高い。
時間戦略
用語の定義が明確であれば即答可能。迷った場合でも「既存不適格建築物の補強」というキーワードに注目して短時間で判断する。
06実務応用
実務シナリオ
中古マンションの購入を検討する顧客に対し、その建物が「耐震補強済み」であるかどうかを説明する際に必要な知識です。また、新築分譲において「免震構造」を売りにする場合の説明にも役立ちます。
実務への影響
建物の地震対策性能は、資産価値や火災保険料、地震保険料に直接影響を与える重要な要素となります。
ケーススタディ
1980年代に建てられた鉄筋コンクリート造のマンションにおいて、大規模修繕の一環で耐震壁を追加する工事が行われ、耐震基準を満たす事例が一般的です。
業界関連性
不動産取引において、建物の安全性を説明する上で不可欠な知識であり、顧客の信頼を得るために重要です。
ニュース連動
南海トラフ地震や首都直下地震への備えとして、古い住宅の耐震診断・改修への関心が高まっており、関連するニュースが頻繁に報道されています。
07よくある間違い
耐震技術は古い技術であり、既存建築物の補強には使われないと誤解する。
なぜ間違えるか:制震や免震が新しい技術であるため、耐震補強が有効であるという事実を見落とすため。
正しい理解:「既存不適格建築物=耐震補強」というセットで覚える。
制震と免震の仕組みを混同してしまう。
なぜ間違えるか:どちらも「揺れを軽減する」という点では共通しているため、具体的な装置の違いを覚えていないため。
正しい理解:「制」は制御(コントロール)、「免」は免除(パス)とイメージする。
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