令和3年(2021)本試験

204

配偶者居住権過去問

この問題の全体像

配偶者居住権は2018年民法改正で新設された制度で、被相続人の配偶者が相続開始時に居住していた建物について認められる権利。存続期間、一身専属性、賃貸権限、対抗要件が主要論点となる。

令和3年204
被相続人Aの配偶者Bが、A所有の建物に相続開始の時に居住していたため、遺産分割協議によって配偶者居住権を取得した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
  • 1遺産分割協議でBの配偶者居住権の存続期間を20年と定めた場合、存続期間が満了した時点で配偶者居住権は消滅し、配偶者居住権の延長や更新はできない。
  • 2Bは、配偶者居住権の存続期間内であれば、居住している建物の所有者の承諾を得ることなく、第三者に当該建物を賃貸することができる。
  • 3配偶者居住権の存続期間中にBが死亡した場合、Bの相続人CはBの有していた配偶者居住権を相続する。
  • 4Bが配偶者居住権に基づいて居住している建物が第三者Dに売却された場合、Bは、配偶者居住権の登記がなくてもDに対抗することができる。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
配偶者居住権は2018年民法改正で新設された制度で、被相続人の配偶者が相続開始時に居住していた建物について認められる権利。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
配偶者居住権は2018年民法改正で新設された制度で、被相続人の配偶者が相続開始時に居住していた建物について認められる権利。存続期間、…
03
知識背景
配偶者居住権は、被相続人の配偶者が相続開始時に無償で居住していた建物について、終身または一定期間、無償で使用収益する権利。居住の安定…
04
覚え方
配偶者居住権は「専属・無賃貸・要登記・期間固定」。「専」は一身専属、「無」は賃貸権限なし、「要」は対抗要件として登記必要、「期」は延…
05
試験のコツ
一身専属権としての性質(相続不可、譲渡不可)を問う問題 ・存続期間と延長・更新の可否を問う問題 ・対抗要件としての登記の要否を問う問…
06
実務での見え方
相続実務で、配偶者が居住していた自宅を他の相続人と共有する場合、配偶者居住権を設定することで配偶者の居住を確保しつつ、他の相続人の持…
07
よくある間違い
{"mistake":"配偶者居住権を相続できると誤解する。","why_wrong":"物権だから相続可能と短絡的に判断してしまう…
02深度分析
要約
配偶者居住権は2018年民法改正で新設された制度で、被相続人の配偶者が相続開始時に居住していた建物について認められる権利。存続期間、一身専属性、賃貸権限、対抗要件が主要論点となる。
法的根拠
民法1028条(配偶者居住権の内容)民法1030条(存続期間)民法1031条(配偶者居住権の登記等)民法1036条(配偶者居住権の消滅)
論理の流れ
配偶者居住権は居住の保障を目的とする一身専属権である。まず、存続期間は協議で定めることができ、満了時の延長・更新は認められない。次に、賃貸権限は原則としてなく、所有者の承諾が必要。また、一身専属権のため相続不可。最後に、物権変動の対抗要件として登記が必要。これらを順次確認し、選択肢1が正解と判断する。
重要な区別
配偶者居住権が「一身専属権」である点が最重要。これにより相続不可、賃貸権限なし等の特徴が導かれる。また、存続期間の延長・更新が認められない点も重要な区別ポイント。
各選択肢のポイント
  • 民法1030条により存続期間を定めた場合、満了時に消滅し、延長や更新の規定はないため正しい。
  • 配偶者居住権には賃貸権限は含まれず、民法1028条により所有者の承諾なしに第三者へ賃貸できない。
  • 配偶者居住権は一身専属権であり、民法1028条により相続することはできない。
  • 配偶者居住権は物権だが、第三者に対抗するには民法1031条により登記が必要である。
03知識背景
テーマ概要
配偶者居住権は、被相続人の配偶者が相続開始時に無償で居住していた建物について、終身または一定期間、無償で使用収益する権利。居住の安定を確保するため2018年改正で新設された。短期居住権(6ヶ月間)と異なり、長期的な居住保障を目的とする。
歴史的背景
2018年民法改正により新設され、2020年4月1日施行。従来、配偶者は遺産分割で居住建物を取得するか、賃借権の主張しかなく、居住の安定性に課題があった。この制度は配偶者の生活基盤を保護する目的で導入された。
関連法令
民法1028条(配偶者居住権の内容)民法1030条(存続期間)民法1031条(登記)民法1036条(消滅事由)民法1037条(建物の賃貸借との関係)
体系的位置づけ
民法相続法分野の重要論点で、2018年改正の目玉制度。宅建試験では改正後頻出しており、特に権利の性質、存続期間、対抗要件が問われる傾向にある。
前提知識
配偶者居住権を理解するには、物権と債権の区別、一身専属権の概念、登記の対抗力、遺産分割協議の基礎知識が必要。また、配偶者短期居住権(1037条以下)との違いも押さえておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
配偶者居住権は「専属・無賃貸・要登記・期間固定」。「専」は一身専属、「無」は賃貸権限なし、「要」は対抗要件として登記必要、「期」は延長更新なし。
ビジュアル描写
建物を中心に、配偶者(居住権者)と所有者(相続人他)の関係を図示。配偶者は居住のみ可能、賃貸は×。所有者変更時は登記で対抗。期間満了で消滅。
重要公式
配偶者居住権=物権+一身専属権+無償使用収益+賃貸権限なし+登記で対抗+延長更新不可
関連連想
「居住」は生活の基盤だから、本人限定(相続不可)、貸すことはできない(生活のための権利)、守るには登記が必要、と連想する。
比較表
配偶者居住権 vs 配偶者短期居住権:期間は前者が終身・後者が最低6ヶ月、登記は前者が対抗要件・後者が不要、権利性質は前者が物権・後者が法定の権利。
05試験テクニック
出題頻度
2018年改正後、毎年出題される重要論点。特に権利の性質、存続期間、対抗要件が頻出。
重要度
A:最重要。改正民法の目玉制度であり、実務でも重要性が高く、試験でも確実に得点すべき分野。
出題パターン
  • 一身専属権としての性質(相続不可、譲渡不可)を問う問題
  • 存続期間と延長・更新の可否を問う問題
  • 対抗要件としての登記の要否を問う問題
解法・消去法
「相続できる」「賃貸できる」「登記なしで対抗可能」「延長更新可能」のキーワードが出たら誤りと判断。これら4つはすべて×で、消去法で正解を導ける。
時間戦略
配偶者居住権の問題は基本原則(専属性、賃貸権限なし、登記必要)を確認すれば1分以内で解答可能。各選択肢を原則と照らし合わせる。
06実務応用
実務シナリオ
相続実務で、配偶者が居住していた自宅を他の相続人と共有する場合、配偶者居住権を設定することで配偶者の居住を確保しつつ、他の相続人の持分も認める柔軟な相続が可能となる。
実務への影響
配偶者居住権の登記により、建物の第三者への譲渡時も配偶者の居住が保護される。不動産登記実務でも配偶者居住権の登記申請が増加している。
ケーススタディ
夫A死亡時、妻Bが自宅に居住。子Cが自宅を相続したい場合、Bに配偶者居住権を設定し、Cに所有権を取得させることで、Bは終身居住でき、Cも所有権を持てる。
業界関連性
不動産取引において、配偶者居住権が設定された建物の取引には注意が必要。登記を確認し、居住権者の存在を考慮した価格評価が求められる。
ニュース連動
高齢化社会で配偶者の居住確保が重要視されており、配偶者居住権の活用事例が増加。相続トラブル防止の観点からも注目されている。
07よくある間違い
配偶者居住権を相続できると誤解する。
なぜ間違えるか:物権だから相続可能と短絡的に判断してしまう。居住保障という性質を見落としている。
登記なしで第三者に対抗できると誤解する。
なぜ間違えるか:配偶者居住権を特別な権利と捉え、登記不要と判断してしまう。物権の原則を忘れている。
存続期間の延長・更新が可能と誤解する。
なぜ間違えるか:賃借権と同様に更新可能と混同してしまう。期間満了後の保障を過大に考える。
解説は、まだ続きます
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