令和7年(2025)本試験

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対抗問題過去問

この問題の全体像

二重譲渡における登記の対抗力と、契約解除・取消しの遡及効と第三者保護の関係を問う問題。民法177条の登記の対抗要件、民法545条の解除の遡及効と第三者保護、民法121条の2の取消しと第三者保護の理解が求められる。

令和7年1
所有者AがBに甲土地を売却し、その後にBがCに甲土地を売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、この問において、Cは背信的悪意者ではないものとする。
  • 1甲土地の所有権登記がAの名義のままであったとしても、Bは、Cに甲土地を売却した後は、Aに対して自己に甲土地の所有権移転登記をするよう請求することはできない。
  • 2Cは、甲土地の所有権移転登記を備えなければ、Aに対して自己が所有者であることを主張することができない。
  • 3AB間の売買契約が、BC間の売買契約締結よりも前にAにより解除されていた場合、又は、BC間の売買契約締結後にAにより解除された場合のいずれの場合であっても、Cは、甲土地の所有権移転登記を備えれば、Aに対して自己の所有権を主張することができる。
  • 4AB間の売買契約が、BC間の売買契約よりも前にBの強迫を理由として取り消されていた場合、又は、BC間の売買契約締結後にBの強迫を理由として取り消された場合のいずれの場合であっても、Cは、Bの強迫につき善意でかつ過失がなければ、Aに対して自己の所有権を主張することができる。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
二重譲渡における登記の対抗力と、契約解除・取消しの遡及効と第三者保護の関係を問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
二重譲渡における登記の対抗力と、契約解除・取消しの遡及効と第三者保護の関係を問う問題。民法177条の登記の対抗要件、民法545条の解…
03
知識背景
不動産物権変動における登記の対抗力(民法177条)と、契約解除・取消しの遡及効が第三者に与える影響を理解する分野。二重譲渡、背信的悪…
04
覚え方
「解除は前後とも守る、取消は前だけ守る」と覚える。解除は当事者の合意解除も想定し広く保護、取消は瑕疵ある意思表示の救済で範囲限定。
05
試験のコツ
二重譲渡と登記の先後関係 ・解除・取消しと第三者保護の可否 ・背信的悪意者の判定
06
実務での見え方
不動産売買実務で、売主が契約を解除した後、買主が第三者に転売していた場合の権利関係の確認に直結。登記の重要性と契約解除のリスク管理に…
07
よくある間違い
{"mistake":"解除と取消しの第三者保護を同じと誤解し、選択肢4を正解と判断してしまう。","why_wrong":"解除(…
02深度分析
要約
二重譲渡における登記の対抗力と、契約解除・取消しの遡及効と第三者保護の関係を問う問題。民法177条の登記の対抗要件、民法545条の解除の遡及効と第三者保護、民法121条の2の取消しと第三者保護の理解が求められる。
法的根拠
民法177条民法545条民法121条の2民法96条3項
論理の流れ
まず、登記なくして第三者に対抗できない原則(民法177条)を確認。次に、解除の遡及効(民法545条1項)と第三者保護の例外規定を検討。判例により、解除前・解除後いずれの第三者も、背信的悪意者でなければ保護される。よって、選択肢3が正解となる。
重要な区別
解除の遡及効がある場合でも、民法545条1項但書により第三者は保護される。取消しの場合は、取消前の第三者のみ保護され、取消後の第三者は保護されない点が重要な区別。
各選択肢のポイント
  • BはCに譲渡した後でも、Aに対し登記請求権を行使できる。登記請求権は債権的請求権として残存する。
  • Cは譲渡人Aに対しては登記なくして所有権を主張できる。民法177条の登記は第三者対抗要件だからである。
  • 民法545条1項但書により、解除前後を問わず第三者は保護される。背信的悪意者でない限り、登記があればAに対抗可能。
  • 強迫による取消しには96条3項の適用なし。取消前後を問わず第三者は保護されない。詐欺との違いが重要。
03知識背景
テーマ概要
不動産物権変動における登記の対抗力(民法177条)と、契約解除・取消しの遡及効が第三者に与える影響を理解する分野。二重譲渡、背信的悪意者、解除・取消しと第三者保護の関係が核心的論点となる。
歴史的背景
民法177条は明治民法以来の規定。第三者保護の範囲について判例法理が発達し、背信的悪意者排除理論が確立。平成16年改正で取消しと第三者保護が明文化された。
関連法令
民法177条(登記の対抗要件)民法545条(解除の効果)民法121条の2(取消しと第三者)民法96条3項(詐欺と第三者)
体系的位置づけ
民法科目の「物権変動」分野の中核。宅建試験では毎年近接論点が出題される最重要分野の一つ。
前提知識
物権変動の意思主義、登記の対抗要件としての性質、背信的悪意者の概念、解除の遡及効、取消しの効果と第三者保護の要件を理解している必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「解除は前後とも守る、取消は前だけ守る」と覚える。解除は当事者の合意解除も想定し広く保護、取消は瑕疵ある意思表示の救済で範囲限定。
ビジュアル描写
時系列図を描く。A→B→Cの譲渡経路。解除・取消のタイミングを縦線で示し、各時点での第三者保護の有無を○×で視覚化。
重要公式
解除+第三者=前後保護、取消+第三者=前のみ保護、背信的悪意者=保護なし
関連連想
「解除」は「解」の字が広がるイメージで前後広く保護。「取消」は「取」で後ろを消すイメージで後の第三者は消える。
比較表
解除:前後の第三者保護(民法545条1項但書)/取消:取消前の第三者のみ保護(民法121条の2)/詐欺:善意かつ無過失の第三者保護(民法96条3項)/強迫:第三者保護なし(善意無過失でも対抗可能)
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題される超頻出論点。物権変動・登記・第三者保護は必ずどこかで問われる。
重要度
A:最重要。民法全体の理解の基礎となり、実務でも極めて重要。
出題パターン
  • 二重譲渡と登記の先後関係
  • 解除・取消しと第三者保護の可否
  • 背信的悪意者の判定
解法・消去法
「いずれの場合も」等の絶対的表現に注意。例外を探す。解除と取消の第三者保護の違いを基準に選択肢を消去。
時間戦略
時系列図を素早く描き、各当事者の権利関係を整理。解除と取消の違いを意識して解答を絞り込む。2分以内で解答可能。
06実務応用
実務シナリオ
不動産売買実務で、売主が契約を解除した後、買主が第三者に転売していた場合の権利関係の確認に直結。登記の重要性と契約解除のリスク管理に活用。
実務への影響
登記の不備が第三者との関係で重大な結果を招くことを理解し、早期登記の重要性を実務者に認識させる。
ケーススタディ
AがBに土地を売却後、Bの代金不払いで解除。しかしBは既にCに転売しCが登記済み。この場合、CはAに対抗でき、Aは土地をCに明け渡す必要がある。
業界関連性
不動産仲介・売買において、契約解除リスクと第三者の権利保護の理解は必須。トラブル防止に不可欠。
ニュース連動
不動産トラブル、二重売買事件の報道で本論点が頻出。消費者保護の観点からも重要。
07よくある間違い
解除と取消しの第三者保護を同じと誤解し、選択肢4を正解と判断してしまう。
なぜ間違えるか:解除(民法545条)と取消(民法121条の2)で第三者保護の範囲が異なることを理解していない。
譲渡人に対しても登記が必要と誤解し、選択肢2を正解と判断してしまう。
なぜ間違えるか:民法177条の「第三者」の意味を誤解。譲渡人は第三者に含まれない。
BがCに譲渡した後は登記請求権を失うと誤解し、選択肢1を正解と判断してしまう。
なぜ間違えるか:登記請求権の性質を誤解。物権的請求権として残存するか、債権的請求権として行使可能。
解説は、まだ続きます
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