平成9年(1997)本試験

1無権代理人(A)には追認権・取消権・催告権がなく、相手方(C)には取消権・催告権がある点を区別すること。

無権代理過去問

この問題の全体像

無権代理行為における効果(追認、取消、催告)の帰属主体と、無権代理人の責任(履行責任)に関する理解を問う問題。

平成9年1
Aが、Bの代理人としてB所有の土地をCに売却する契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、Bは、Aに代理権を与えたことはなく、かつ、代理権を与えた旨の表示をしたこともないものとする。
  • 1契約は、B又はCのいずれかが追認したときは、有効となる。
  • 2Aは、Bの追認のない間は、契約を取り消すことができる。
  • 3AがBに対し追認をするかどうか確答すべき旨催告し、Bが確答をしないときは、Bは追認を拒絶したものとみなされる。
  • 4Bが追認を拒絶したときは、Aは自ら契約を履行する責任を負うことがある。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
無権代理人(A)には追認権・取消権・催告権がなく、相手方(C)には取消権・催告権がある点を区別すること。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
無権代理行為における効果(追認、取消、催告)の帰属主体と、無権代理人の責任(履行責任)に関する理解を問う問題。
03
知識背景
代理権を授与されていない者が代理人として行った行為(無権代理)の有効性と、それが認められなかった場合の各当事者の法的地位を定める制度…
04
覚え方
無権代理の「ム」は「無」関係なAは権利なし、責任だけは「ムチ」打たれる(履行責任)。
05
試験のコツ
誰が追認できるか ・誰が取消せるか ・無権代理人の責任内容(履行か損害賠償か)
06
実務での見え方
従業員が所有者の許可なく勝手に不動産売買契約を締結してしまった場合のトラブル対応。
07
よくある間違い
{"mistake":"相手方Cも追認できると考える。","why_wrong":"契約の当事者だからと誤解し、追認を承諾と混同する…
02深度分析
要約
無権代理行為における効果(追認、取消、催告)の帰属主体と、無権代理人の責任(履行責任)に関する理解を問う問題。
法的根拠
民法113条(無権代理)民法114条(無権代理の相手方の催告)民法115条(無権代理の相手方の取消し)民法117条(無権代理人の責任)
論理の流れ
まず無権代理行為であることを確認。追認できるのは本人Bのみで相手方Cではないため選択肢1は誤り。取消権は本人Bと相手方Cにあり、無権代理人Aにはないため選択肢2は誤り。催告権も相手方Cにあり、Aにはないため選択肢3は誤り。無権代理人は相手方の選択により履行または損害賠償の責任を負うため選択肢4が正解。
重要な区別
無権代理人(A)には追認権・取消権・催告権がなく、相手方(C)には取消権・催告権がある点を区別すること。
各選択肢のポイント
  • 追認できるのは本人Bだけであり、相手方Cが追認することはできない。
  • 取消権は本人Bまたは相手方Cにあり、無権代理人A自身が取り消すことはできない。
  • 催告権は相手方Cに与えられており、無権代理人Aが催告する権利はない。
  • 本人が追認を拒絶した場合、無権代理人は履行または損害賠償の責任を負う。
03知識背景
テーマ概要
代理権を授与されていない者が代理人として行った行為(無権代理)の有効性と、それが認められなかった場合の各当事者の法的地位を定める制度。
歴史的背景
2017年民法改正で無権代理人の責任の重さが見直されたが、本問の基本的な権利関係の構造は改正前後で大きな変更はない。
関連法令
民法113条民法114条民法115条民法117条民法118条
体系的位置づけ
民法「代理」分野の中核をなす論点であり、宅建試験の民法出題における基礎的な頻出事項。
前提知識
有権代理と無権代理の違い、追認の効果、取消権の発生要件、そして無権代理人の責任の範囲についての基礎知識。
04記憶テクニック
語呂合わせ
無権代理の「ム」は「無」関係なAは権利なし、責任だけは「ムチ」打たれる(履行責任)。
ビジュアル描写
Aが勝手にBの土地を売る。Bは「知らない」と言う。Cは「Aが責任をとれ」と言うイメージ。
重要公式
無権代理人の責任 = 履行 または 損害賠償
関連連想
勝手に売ったら、自分で買わされるか金を払わされる(履行責任)と連想する。
比較表
有権代理:本人に効果帰属。無権代理:本人の追認待ち。表見代理:本人に効果帰属(有権代理と同じ結果)。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題
重要度
A:最重要。代理制度の根幹をなすため。
出題パターン
  • 誰が追認できるか
  • 誰が取消せるか
  • 無権代理人の責任内容(履行か損害賠償か)
解法・消去法
無権代理人に「追認権」「取消権」「催告権」が与えられている選択肢はすべて誤りとして即座に消去する。
時間戦略
基本問題なので、知識があれば即答し他の問題に時間を回す。
06実務応用
実務シナリオ
従業員が所有者の許可なく勝手に不動産売買契約を締結してしまった場合のトラブル対応。
実務への影響
所有者を保護しつつ、取引の相手方を保護するための制度として機能する。
ケーススタディ
売買契約後に本人が追認を拒否したため、買主が無権代理人に対して契約通りの土地の引渡しを求めた事例。
業界関連性
不動産取引において、代理権の範囲確認と権限証明書の重要性を示す。
ニュース連動
不動産詐欺事件において、無権代理行為としての責任追及が行われるケース。
07よくある間違い
相手方Cも追認できると考える。
なぜ間違えるか:契約の当事者だからと誤解し、追認を承諾と混同するため。
無権代理人Aが契約を取り消せると思う。
なぜ間違えるか:自分で行った行為だから撤回できると直感的に考えるため。
無権代理人の責任を損害賠償のみと考える。
なぜ間違えるか:一般的な不法行為責任(金銭賠償)と混同するため。
解説は、まだ続きます
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