平成9年(1997)本試験
問49「不燃材料」と「耐火構造」の違い。鉄骨は不燃材料だが、熱に弱いため耐火構造には被覆が必須である点。
税・その他建物に関する知識過去問
この問題の全体像
建築物の構造特性に関する正誤判定問題。特に鉄骨造の耐火性能に関する記述に誤りがあり、鉄骨は火熱により強度が著しく低下するため、耐火構造とするには必ず被覆が必要であることが核心。
建築物の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1木造2階建の建築物で、隅柱を通し柱としない場合、柱とけた等との接合部を金物で補強することにより、通し柱と同等以上の耐力をもつようにすることができる。
- 2平面形状が長方形の木造建築物の壁は、多くの場合張り間方向とけた行方向とで風圧力を受ける面積が異なるので、それぞれ所定の計算方式により算出して耐力壁の長さを決める必要がある。
- 3鉄骨造は、自重が重く、靭性(粘り強さ)が大きいことから大空間を有する建築や高層建築の骨組に適しており、かつ、火熱による耐力の低下が比較的小さいので、鋼材を不燃材料等で被覆しなくても耐火構造とすることができる。
- 4鉄筋コンクリート造における柱の帯筋やはりのあばら筋は、地震力に対するせん断補強のほか、内部のコンクリートを拘束したり、柱主筋の座屈を防止する効果がある。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
「不燃材料」と「耐火構造」の違い。鉄骨は不燃材料だが、熱に弱いため耐火構造には被覆が必須である点。
この問題は、5 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
建築物の構造特性に関する正誤判定問題。特に鉄骨造の耐火性能に関する記述に誤りがあり、鉄骨は火熱により強度が著しく低下するため、耐火構…
03
知識背景
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造といった主要な建築構造の特性(耐震性、耐火性、耐久性など)と、それぞれの構造部材の役割に関する知識。
04
覚え方
鉄骨は熱に弱い、耐火は厚着。鉄骨は粘り強いが火には弱く、耐火構造には厚い被覆が必要と覚える。
05
試験のコツ
各構造のメリット・デメリットの組み合わせ問題
・耐火構造と準耐火構造の定義に関する問題
・構造部材(筋交い、帯筋など)の役割に関する…
06
実務での見え方
不動産売買の際、鉄骨造の物件について耐火構造であることを説明する際、耐火被覆の状況が重要なチェックポイントとなる。
02深度分析
要約
建築物の構造特性に関する正誤判定問題。特に鉄骨造の耐火性能に関する記述に誤りがあり、鉄骨は火熱により強度が著しく低下するため、耐火構造とするには必ず被覆が必要であることが核心。
法的根拠
建築基準法第2条第七号の二(耐火構造の定義)建築基準法施行令第107条(耐火構造の構造方法)建築基準法施行令第129条の2の5(鉄骨造の耐火被覆)
論理の流れ
選択肢3の「火熱による耐力の低下が比較的小さい」という記述に着目。鉄骨は高温(約500℃)で強度が急激に低下する性質があるため、この記述は事実に反する。したがって、被覆なしで耐火構造とできるという結論も誤りとなり、選択肢3が正解。
重要な区別
「不燃材料」と「耐火構造」の違い。鉄骨は不燃材料だが、熱に弱いため耐火構造には被覆が必須である点。
各選択肢のポイント
- 木造の継手・仕口は金物補強により通し柱と同等の耐力を確保できるとされているため正しい。
- 建築物の形状により風圧力が異なるため、各方向ごとに必要壁量を計算する必要があるため正しい。
- 鉄骨は火熱により強度が著しく低下するため、耐火構造とするには必ず不燃材料等で被覆が必要である。
- 帯筋やあばら筋はせん断補強のほか、コンクリートの拘束や主筋の座屈防止効果があるため正しい。
03知識背景
テーマ概要
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造といった主要な建築構造の特性(耐震性、耐火性、耐久性など)と、それぞれの構造部材の役割に関する知識。
歴史的背景
鉄骨造の耐火被覆規定は、過去の地震火災において鉄骨建物が熱により崩落した教訓から、厳格化されてきた経緯がある。
関連法令
建築基準法建築基準法施行令品確法(住宅性能評価)
体系的位置づけ
宅建士試験の「建築基準法」分野における構造規定。建物の物理的な安全性を判断する基礎知識として位置づけられる。
前提知識
主要な構造材料(木材、鋼材、コンクリート)の物理的性質、耐火構造と準耐火構造の違い、耐力壁と壁量計算の概念。
04記憶テクニック
語呂合わせ
鉄骨は熱に弱い、耐火は厚着。鉄骨は粘り強いが火には弱く、耐火構造には厚い被覆が必要と覚える。
ビジュアル描写
真っ赤に焼けた鉄骨がヘイヘイと折れ曲がるイメージと、それをコンクリートで固めて守っている姿を想像する。
重要公式
鉄骨+耐火被覆=耐火構造
関連連想
高層ビルは鉄骨だが、火事で溶けないように厚着(被覆)していると連想する。
比較表
木造:軽い・燃える・加工しやすい。RC造:重い・強い・耐火性高い。鉄骨造:軽い・粘り強い・熱に弱い。
05試験テクニック
出題頻度
2-3年に1回
重要度
A:最重要。構造の特性は頻出かつ実務でも必須。
出題パターン
- 各構造のメリット・デメリットの組み合わせ問題
- 耐火構造と準耐火構造の定義に関する問題
- 構造部材(筋交い、帯筋など)の役割に関する問題
解法・消去法
被覆しなくてもよい、比較的小さいといった安全性を軽視する記述は誤りである可能性が高い。
時間戦略
構造の特性(重さ、粘り強さ、耐火性)のキーワードを即座に判断し、迷ったら常識的な安全性の観点から選ぶ。
06実務応用
実務シナリオ
不動産売買の際、鉄骨造の物件について耐火構造であることを説明する際、耐火被覆の状況が重要なチェックポイントとなる。
実務への影響
耐火被覆が劣化していると、火災時の倒壊リスクが高まり、資産価値や保険料に影響を及ぼす。
ケーススタディ
老朽化した鉄骨造ビルにおいて、耐火被覆が剥落している箇所を発見し、修繕工事を行った事例。
業界関連性
建物の構造による耐用年数や維持管理費の違いを説明する際に不可欠な知識。
ニュース連動
大規模災害時の火災延焼防止や、既存ストックの長寿命化に関連する話題。
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