平成16年(2004)本試験

45

媒介契約・守秘義務・手付額の制限・帳簿記載義務過去問

この問題の全体像

宅建業者が売主となる場合の手付金の額の制限(代金の20%以内)と、その保全措置の要否に関する正誤判定を問う、実務上極めて重要な問題。

平成16年45
宅地建物取引業者A社に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
  • 1A社は、宅地の売買の専任媒介契約を締結し、指定流通機構に登録を行った物件について売買契約が成立した場合は、遅滞なくその旨を指定流通機構に通知しなければならず、当該通知を怠ったときは指示処分を受けることがある。
  • 2A社は、業務上知り得た秘密について、正当な理由がある場合でなければ他にこれを漏らしてはならないが、A社の従業者aについても、aが専任の宅地建物取引士であるか否かにかかわらず同様に秘密を守る義務を負う。
  • 3A社が自ら3,000万円の宅地の売主となる場合、手付金の保全措置を講じれば、宅地の引渡し前に手付金として900万円を受領することができる。
  • 4A社がその事務所ごとに備えることとされている帳簿の記載は、一定の期間ごとではなく、宅地建物取引業に関し取引のあったつど一定の事項を記載しなければならないこととされている。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
宅建業者が売主となる場合の手付金の額の制限(代金の20%以内)と、その保全措置の要否に関する正誤判定を問う、実務上極めて重要な問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業者が売主となる場合の手付金の額の制限(代金の20%以内)と、その保全措置の要否に関する正誤判定を問う、実務上極めて重要な問題。
03
知識背景
宅建業者が業務を行う際に遵守すべき様々な規制(手付金の額の制限、秘密保持義務、指定流通機構への通知、帳簿の備付け等)に関する包括的な…
04
覚え方
「保全措置あっても20%は越えられない」=「ホゼンソチ アッテモ ニジュッパー コエレナイ」。
05
試験のコツ
「保全措置を講じればいくらでも受け取れる」という誤りを誤選択肢にするパターン。 ・売主・買主の立場の逆転。
06
実務での見え方
売買契約時に、高額な手付金を提示して契約を急ぐ客がいる場合、20%を超える額を受け取ると行政処分の対象となるため、断らなければならな…
07
よくある間違い
{"mistake":"保全措置を講じれば手付金の20%制限を超えて受け取れると勘違いする。","why_wrong":"保全措置は…
02深度分析
要約
宅建業者が売主となる場合の手付金の額の制限(代金の20%以内)と、その保全措置の要否に関する正誤判定を問う、実務上極めて重要な問題。
法的根拠
宅地建物取引業法39条(手付金等の額の制限)宅地建物取引業法41条(手付金等の保全措置)宅地建物取引業法34条の2(指定流通機構への通知)宅地建物取引業法45条(秘密保持義務)宅地建物取引業法49条(帳簿の備付け)
論理の流れ
選択肢3は、手付金の保全措置を講じているため900万円(価格の30%)を受領できるとしている。しかし、宅建業法39条は手付金の額を代金の20%以内と制限しており、保全措置を講じてもこの20%の上限を超えることはできない。したがって、900万円の受領は違法であり、本肢が誤りとなる。
重要な区別
手付金の「保全措置の要否」と「額の上限(20%ルール)」は別個の規定である点を区別する。
各選択肢のポイント
  • 専任媒介契約締結後、指定流通機構へ登録し契約成立した際は遅滞なく通知が必要であるため正しい。
  • 従業者も秘密保持義務を負い、専任の有無は関係ないため正しい。
  • 手付金は代金の20%以内に制限されており、保全措置を講じても上限を超えられないため誤り。
  • 帳簿は取引のつど記載しなければならず、期間ごとの記載ではないため正しい。
03知識背景
テーマ概要
宅建業者が業務を行う際に遵守すべき様々な規制(手付金の額の制限、秘密保持義務、指定流通機構への通知、帳簿の備付け等)に関する包括的な理解を問う分野である。
歴史的背景
手付金の20%ルールは、宅建業者の不当な高額手付金受領による買主の損害を防ぐため、業法制定当初から設けられた消費者保護規定であり、現在も重要な役割を果たしている。
関連法令
宅地建物取引業法39条宅地建物取引業法41条宅地建物取引業法34条の2宅地建物取引業法45条宅地建物取引業法49条
体系的位置づけ
業法の中でも「業務上の規制」に属し、特に金銭受領に関するルールは頻出の最重要項目である。
前提知識
手付金の性質(解約手付)、宅建業者が売主の場合と買主の場合の規制の違い、保全措置の具体的な方法(保証、保険等)の理解が必要である。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「保全措置あっても20%は越えられない」=「ホゼンソチ アッテモ ニジュッパー コエレナイ」。
ビジュアル描写
グラス(手付金上限)の高さは20%で固定。水(保全措置)を入れてもグラスの高さは変わらないイメージ。
重要公式
手付金上限 = 価格 × 20%。保全措置基準 = 未完成(5%or1000万)、完成(10%or1000万)。
関連連想
「20%」は絶対的な壁。保全措置は「返ってくるかどうか」の保証であって「いくらまで受け取っていいか」の許可ではない。
比較表
未完成物件:手付金等が5%超または1000万超で保全必要。完成物件:手付金等が10%超または1000万超で保全必要。共通:手付金上限は常に20%。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題される頻出論点。
重要度
A:最重要。金銭関係の規制は試験の合否を分ける。
出題パターン
  • 「保全措置を講じればいくらでも受け取れる」という誤りを誤選択肢にするパターン。
  • 売主・買主の立場の逆転。
解法・消去法
「保全措置=無制限」という論理に飛びつくと間違える。常に「20%ルール」が存在することを思い出し、それを超える選択肢を消去する。
時間戦略
計算問題ではないので、条文の知識を確認して即答できる。迷ったら「20%」という数字に注目。
06実務応用
実務シナリオ
売買契約時に、高額な手付金を提示して契約を急ぐ客がいる場合、20%を超える額を受け取ると行政処分の対象となるため、断らなければならない。
実務への影響
20%ルールを守ることで、後々の契約解除時の返還義務リスクを管理できる。
ケーススタディ
3000万円の物件で、買主が「1000万円手付金として払うから契約してほしい」と言っても、業者は600万円までしか受け取れず、超過分は一旦受け取れない。
業界関連性
取引の安全と業者の信用維持に直結する基本ルール。
ニュース連動
住宅購入トラブルで手付金の返還を巡る訴訟が多発しており、このルールの重要性が増している。
07よくある間違い
保全措置を講じれば手付金の20%制限を超えて受け取れると勘違いする。
なぜ間違えるか:保全措置は「金銭の返還保証」であり、「受領限度額の緩和」ではないため。
専任媒介契約の成立通知を「相手方」にするか「指定流通機構」にするか混同する。
なぜ間違えるか:契約成立の通知先は指定流通機構であり、相手方への通知は別途必要な場合があるが、ここでは機構への通知が問われているため。
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