令和2年(2020)本試験
問103
親族過去問
この問題の全体像
親族法における姻族関係の終了、離婚時の財産分与、未成年後見人の選任、夫婦財産の帰属という4つの論点から構成される。正解は選択肢4で、民法762条2項の夫婦財産の推定共有規定に関する問題である。
親族に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 1姻族関係は、離婚した場合及び夫婦の一方が死亡した場合、当然に終了する。
- 2離婚に当たり、相手方に有責不法の行為がなければ、他の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができない。
- 3未成年者に対して親権を行う者がないときは、家庭裁判所は、検察官の請求によって、親族の中から未成年後見人を選任する。
- 4夫婦間で婚姻の届出前に別段の契約をしなかった場合、夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定される。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
親族法における姻族関係の終了、離婚時の財産分与、未成年後見人の選任、夫婦財産の帰属という4つの論点から構成される。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
親族法における姻族関係の終了、離婚時の財産分与、未成年後見人の選任、夫婦財産の帰属という4つの論点から構成される。正解は選択肢4で、…
03
知識背景
親族法は家族関係の形成・変更・消滅に関する法制度である。姻族関係、離婚時の財産分与、未成年後見、夫婦財産制などが主要論点。宅建試験で…
04
覚え方
「離婚で終わる姻族、死んでも続く縁」。「財産分与は有責無関係」。「後見人選任は利害関係人、検察官じゃないよ」。
05
試験のコツ
姻族関係の終了原因の正誤判定
・財産分与の要件に関する正誤判定
・後見人選任手続の請求権者
06
実務での見え方
不動産売買において、夫婦の一方が所有者として登記されている不動産の売却を依頼された場合、他方配偶者の同意や共有持分の確認が必要となる…
07
よくある間違い
{"mistake":"姻族関係は死亡でも終了すると誤解する。","why_wrong":"「夫婦関係が終われば姻族関係も終わる」と…
02深度分析
要約
親族法における姻族関係の終了、離婚時の財産分与、未成年後見人の選任、夫婦財産の帰属という4つの論点から構成される。正解は選択肢4で、民法762条2項の夫婦財産の推定共有規定に関する問題である。
法的根拠
民法728条民法729条民法768条民法840条民法762条
論理の流れ
選択肢1は姻族関係の終了原因を問う。離婚では終了するが、死亡では終了しないため誤り。選択肢2は財産分与の要件を問う。有責性は不要であり協議離婚でも請求可能なため誤り。選択肢3は未成年後見人の選任請求権者を問う。検察官ではなく利害関係人の請求によるため誤り。選択肢4は民法762条2項の通り正しい。
重要な区別
姻族関係の終了原因は「離婚」のみで「死亡」は含まれない点。財産分与は有責性を問わず請求可能な点。未成年後見人選任の請求権者は検察官ではない点。
各選択肢のポイント
- 姻族関係は離婚で終了するが、死亡では終了しない。民法728条1項、729条参照。死亡した配偶者の親族との姻族関係は存続する。
- 財産分与は有責不法行為の有無に関係なく請求できる。民法768条は協議上の離婚の場合の財産分与を規定し、有責性を要件としていない。
- 未成年後見人の選任は、親族その他の利害関係人の請求による。民法840条。検察官の請求ではない。
- 民法762条2項の規定通り。夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定される。
03知識背景
テーマ概要
親族法は家族関係の形成・変更・消滅に関する法制度である。姻族関係、離婚時の財産分与、未成年後見、夫婦財産制などが主要論点。宅建試験では夫婦財産制と相続が特に重要である。
歴史的背景
1947年改正で家制度が廃止され、個人単位の親族法へ転換。2020年4月施行の相続法改正で配偶者居住権が新設されるなど、家族法は社会変化に対応して改正されている。
関連法令
民法第4編親族(725条~881条)民法762条(夫婦財産)民法768条(財産分与)民法840条(未成年後見人の選任)
体系的位置づけ
宅建試験の民法分野において、親族・相続は約1割を占める。夫婦財産制は不動産登記実務と関連し、実務的意義が高い論点である。
前提知識
6親等内の血族、3親等内の姻族、配偶者という親族の範囲。法定財産制と約定財産制の区別。未成年後見と成年後見の違い。財産分与の性質と清算的要素。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「離婚で終わる姻族、死んでも続く縁」。「財産分与は有責無関係」。「後見人選任は利害関係人、検察官じゃないよ」。
ビジュアル描写
夫婦を中心に、血族(実線)と姻族(点線)の関係図をイメージ。離婚で点線が消え、死亡では点線が残るイメージで記憶。
重要公式
民法762条2項=帰属不明財産→推定共有。728条1項=離婚→姻族終了。729条=死亡→姻族存続。
関連連想
「共有推定」は夫婦の協力関係を反映。不動産登記で名義不明の場合、夫婦共有と推定される実務場面を連想。
比較表
姻族終了:離婚=終了、死亡=存続。財産分与:有責性不要、協議・審判双方で可能。後見人選任:請求権者=利害関係人、検察官ではない。
05試験テクニック
出題頻度
親族法は毎年1-2問出題される。夫婦財産制、姻族関係、後見制度は頻出論点である。
重要度
A:最重要。不動産取引実務で夫婦財産の帰属問題は頻発し、宅建士に必須の知識である。
出題パターン
- 姻族関係の終了原因の正誤判定
- 財産分与の要件に関する正誤判定
- 後見人選任手続の請求権者
解法・消去法
「当然に」「必ず」等の絶対的表現には要注意。例外や要件の有無を確認。検察官の関与は限定場面のみと疑う。
時間戦略
親族法は条文数が限定的。主要条文(725条、728条、729条、762条、768条、840条)を押さえれば2分以内で解答可能。
06実務応用
実務シナリオ
不動産売買において、夫婦の一方が所有者として登記されている不動産の売却を依頼された場合、他方配偶者の同意や共有持分の確認が必要となる。民法762条2項の推定共有規定が実務上重要となる。
実務への影響
夫婦財産の帰属が不明確な場合、共有推定規定により取引の安全性が確保される。登記実務でも帰属不明財産の処理に活用される。
ケーススタディ
夫名義で購入した居住用不動産を離婚時に売却する場合、財産分与として妻に持分を移転するか、売却代金を分割するか。有責性に関わらず財産分与請求が可能である。
業界関連性
不動産業界では夫婦共同名義の物件取引が増加。共有持分の処分、優先購入権、財産分与に伴う名義変更等の実務知識が必須。
ニュース連動
共働き世帯の増加、事実婚の増加、LGBTカップルの法的地位問題など、現代的家族形態と財産関係が注目されている。
07よくある間違い
姻族関係は死亡でも終了すると誤解する。
なぜ間違えるか:「夫婦関係が終われば姻族関係も終わる」という直感的理解による。法的には死亡による姻族関係の存続が認められている。
正しい理解:「死亡しても義理の親・兄弟姉妹との関係は続く」と実生活をイメージして記憶する。
財産分与には有責性が必要と誤解する。
なぜ間違えるか:慰謝料と財産分与を混同している。慰謝料には有責性が必要だが、財産分与は清算的要素が中心。
正しい理解:財産分与=清算、慰謝料=制裁と区別して理解する。
未成年後見人の選任を検察官の請求と誤解する。
なぜ間違えるか:検察官が公益的代表者として関与する場面を過度に拡大解釈している。
正しい理解:未成年後見=利害関係人、成年後見=検察官も可、と区別して記憶。
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