平成元年(1989)本試験
問44業者間取引において、瑕疵担保責任の特約は有効であるが、35条書面の省略には相手の承諾が必要である点。
業者間取引過去問
この問題の全体像
宅建業者間の取引における瑕疵担保責任(契約不適合責任)の特約の有効性と、35条書面・37条書面の交付義務の免除要件に関する問題。
宅地建物取引業者相互間の宅地の売買に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法に違反しないものはどれか。
- 1売主は、売買契約において、当該宅地が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任は一切負わないとの特約をした。
- 2売主は、宅地建物取引業法第37条第1項に規定する契約成立時に交付すべき書面の記載事項のうち、移転登記の申請の時期を省略した。
- 3売主は、買主に対して、宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項を記載した書面を交付しなかった。
- 4売主は、宅地の売買に関する注文を受けたとき、その注文をした者に対し、取引態様の別を明らかにしなかった。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
業者間取引において、瑕疵担保責任の特約は有効であるが、35条書面の省略には相手の承諾が必要である点。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業者間の取引における瑕疵担保責任(契約不適合責任)の特約の有効性と、35条書面・37条書面の交付義務の免除要件に関する問題。
03
知識背景
宅建業者間の取引(業者間取引)では、一般消費者保護の観点から課される厳格な規制の一部が緩和される。特に瑕疵担保責任の免除特約の有効性…
04
覚え方
「業者間は、瑕疵(かし)は特約で無効にできるが、説明(35条)は承諾があれば省略、書面(37条)は絶対交付」
05
試験のコツ
相手が業者であることを利用した規制の緩和
・35条と37条の取り扱いの違いの混同
06
実務での見え方
デベロッパーが別の業者に仕上げ用地を売却する際、瑕疵担保責任免除の特約を結び、リスクを回避する実務。
07
よくある間違い
{"mistake":"業者間取引では35条書面の説明も不要だと勘違いする。","why_wrong":"37条書面と混同しており、…
02深度分析
要約
宅建業者間の取引における瑕疵担保責任(契約不適合責任)の特約の有効性と、35条書面・37条書面の交付義務の免除要件に関する問題。
法的根拠
宅地建物取引業法第40条宅地建物取引業法第35条宅地建物取引業法第37条宅地建物取引業法第34条の2
論理の流れ
宅建業者間の取引では、買主も専門家であるため保護の必要性が低い。よって、宅建業法40条に基づき、瑕疵担保責任を負わない旨の特約は有効となる(選択肢1)。一方、35条書面の説明は相手の承諾があれば省略可能だが、本肢では承諾の記載がないため違反(選択肢3)。37条書面の交付は省略不可(選択肢2)。取引態様の明示も常に必要(選択肢4)。したがって、違反しないのは1のみ。
重要な区別
業者間取引において、瑕疵担保責任の特約は有効であるが、35条書面の省略には相手の承諾が必要である点。
各選択肢のポイント
- 相手が宅建業者である場合、担保責任を負わない旨の特約は有効であるため(宅建業法40条)。
- 37条書面の記載事項(移転登記の時期)を省略することは、相手が業者であっても違反であるため。
- 35条書面の交付は、相手が業者で承諾した場合にのみ省略可能であり、単に交付しないのは違反。
- 取引態様の明示義務は、相手が業者であっても免除されないため。
03知識背景
テーマ概要
宅建業者間の取引(業者間取引)では、一般消費者保護の観点から課される厳格な規制の一部が緩和される。特に瑕疵担保責任の免除特約の有効性がポイント。
歴史的背景
1989年当時は「瑕疵担保責任」という用語が使われていたが、2020年の民法改正により「契約不適合責任」に移行した。しかし、宅建業法40条の趣旨は現在も維持されている。
関連法令
民法宅地建物取引業法
体系的位置づけ
宅建業法の「8種類の規制」の中でも、特に「業者間取引の特例」や「契約適正化」の分野に属する重要論点。
前提知識
35条重要事項説明と37条書面交付の違い、および業者間取引におけるそれぞれの取扱い(35条は承諾があれば省略可、37条は不可)を理解していること。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「業者間は、瑕疵(かし)は特約で無効にできるが、説明(35条)は承諾があれば省略、書面(37条)は絶対交付」
ビジュアル描写
プロ同士の取引をイメージ。お互い専門知識があるので、瑕疵責任は自己責任で免除OK。ただし、取引記録(37条)は必ず残す。
重要公式
業者間取引 = 瑕疵特約有効 + 35条承諾で省略 + 37条交付義務継続
関連連想
「プロ(業者)には甘い、記録(37条)は厳しい」と連想する。
比較表
【一般消費者向け】瑕疵免除特約:×、35条説明:必須、37条交付:必須。【業者間向け】瑕疵免除特約:○、35条説明:承諾により省略可、37条交付:必須。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題
重要度
A:最重要。業者間取引の例外規制は頻出。
出題パターン
- 相手が業者であることを利用した規制の緩和
- 35条と37条の取り扱いの違いの混同
解法・消去法
37条書面の省略は絶対に違反と覚えておけば、該当する選択肢を即座に消去できる。
時間戦略
「業者間取引」のキーワードを見たら即座に40条の例外を思い出し、選択肢を絞り込む。
06実務応用
実務シナリオ
デベロッパーが別の業者に仕上げ用地を売却する際、瑕疵担保責任免除の特約を結び、リスクを回避する実務。
実務への影響
業者間取引の迅速化と、プロとしてのリスク管理の明確化が可能になる。
ケーススタディ
A社がB社に土地を売却。契約書に「現状有姿引き渡し、瑕疵担保責任を負わない」と記載し、B社も了承したため有効となる。
業界関連性
不動産流通業界において、業者間の土地ローテーションを行う上で不可欠な法的知識。
ニュース連動
2020年民法改正に伴う契約書雛形の改定において、業者間取引特約の見直しが話題に。
07よくある間違い
業者間取引では35条書面の説明も不要だと勘違いする。
なぜ間違えるか:37条書面と混同しており、35条は「相手の承諾があれば」省略できるという条件を見落とすため。
正しい理解:「35条は承諾で省略、37条は絶対交付」とセットで覚えること。
瑕疵担保責任免除の特約が常に無効だと思い込む。
なぜ間違えるか:一般消費者保護の原則(40条本文)のみを暗記し、業者間取引という例外(40条ただし書)を忘れているため。
正しい理解:業者間取引=プロ同士=自己責任=特約有効、という図式を頭に入れる。
37条書面の記載事項を省略しても、相手が業者なら許されると考える。
なぜ間違えるか:35条の例外規定を37条にも適用できると誤って拡大解釈しているため。
正しい理解:「取引の証拠を残す37条は誰相手でも必須」とイメージする。
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