平成6年(1994)本試験

9主たる債務の内容の変更が、保証人の承諾なしに有効かどうか。増額は承諾が必要。

保証契約過去問

この問題の全体像

保証債務の付従性と、主たる債務の変更による保証人の責任範囲の変動に関する理解を問う問題。特に債務増額時の保証人の同意の有無が重要。

平成6年9
Aは、BのCに対する1,000万円の債務について、保証人となる契約を、Cと締結した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
  • 1CがAを保証人として指名したため、Aが保証人となった場合、Aが破産しても、Cは、Bに対して保証人の変更を求めることはできない。
  • 2BのCに対する債務が条件不成就のため成立しなかった場合、Aは、Cに対して保証債務を負わない。
  • 3AC間の保証契約締結後、BC間の合意で債務が増額された場合、Aは、その増額部分についても、保証債務を負う。
  • 4CがAに対して直接1,000万円の支払を求めて来ても、BがCに 600万円の債権を有しているときは、Aは、600万円の範囲で債務の履行を拒むことができるため、 400万円を支払えばよい。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
主たる債務の内容の変更が、保証人の承諾なしに有効かどうか。増額は承諾が必要。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
保証債務の付従性と、主たる債務の変更による保証人の責任範囲の変動に関する理解を問う問題。特に債務増額時の保証人の同意の有無が重要。
03
知識背景
保証契約は、主たる債務者が履行しない場合に保証人が履行する責任を負う契約です。保証債務は主たる債務に従属する性質(付従性)を持ち、主…
04
覚え方
「増額は承諾、減額は不要」。債務が増える時は保証人の「イエス」が必要。
05
試験のコツ
保証人の抗弁権 ・主債務の変更 ・連帯保証との違い
06
実務での見え方
住宅ローンの追加借り入れにおいて、連帯保証人の同意を得ずに借入金額を増やした場合、保証人は増額分について責任を負わない。
07
よくある間違い
{"mistake":"債務が増額されると自動的に保証債務も増えると考えてしまう。","why_wrong":"保証人の保護に欠け、…
02深度分析
要約
保証債務の付従性と、主たる債務の変更による保証人の責任範囲の変動に関する理解を問う問題。特に債務増額時の保証人の同意の有無が重要。
法的根拠
民法446条(保証の付従性)民法448条(保証債務の範囲)民法450条(保証人の変更)民法457条(相殺の抗弁)
論理の流れ
保証債務は主たる債務に従属するため、条件不成就で消滅する(肢2)。債務が増額されても、保証人の承諾がなければその増額分を負担しない(肢3が誤り)。特定保証人は破産しても変更請求不可(肢1)。相殺の抗弁も主張できる(肢4)。
重要な区別
主たる債務の内容の変更が、保証人の承諾なしに有効かどうか。増額は承諾が必要。
各選択肢のポイント
  • 債権者が保証人を指名した場合(特定保証)、破産しても変更請求はできない(民法450条2項但し書き)。
  • 保証債務は付従性を持つため、主債務が成立しなければ保証債務も成立しない(民法446条)。
  • 主たる債務が増額されても、保証人の承諾がない限り、その増額部分については責任を負わない(民法448条)。
  • 保証人は主たる債務者が有する抗弁(相殺など)を主張できる(民法457条2項)。
03知識背景
テーマ概要
保証契約は、主たる債務者が履行しない場合に保証人が履行する責任を負う契約です。保証債務は主たる債務に従属する性質(付従性)を持ち、主債務が消滅すれば消滅しますが、変更の際には保証人の保護が必要です。
歴史的背景
旧民法から保証人の保護規定は存在しましたが、近年の改正(2020年施行)で個人の根保証の規制が強化されました。本問は基本的な付従性と変更の原則を問う古典的な論点です。
関連法令
民法446条民法447条民法448条民法450条民法465条の2
体系的位置づけ
権利関係分野における「債権の担保」の重要項目。宅建試験では民法の基礎として頻出。
前提知識
保証の付従性、補充性、催告の抗弁権、検索の抗弁権、連帯保証との違い。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「増額は承諾、減額は不要」。債務が増える時は保証人の「イエス」が必要。
ビジュアル描写
主債務という「影」が伸びるイメージ。影が大きくなる(増額)には、本人(保証人)が「大きくなっていいよ」と言わないとダメ。
重要公式
主債務増額 + 保証人承諾なし = 保証責任範囲外。
関連連想
保証人は「リスク」を負うので、リスクが増えるなら許可が必要と考える。
比較表
特定保証(指名)は破産でも変更不可、根保証(指名外)は破産で変更可能。
05試験テクニック
出題頻度
2-3年に1回(保証の基本論点として頻出)
重要度
A:最重要。保証は実務でも頻繁に発生し、試験でも必須項目だから。
出題パターン
  • 保証人の抗弁権
  • 主債務の変更
  • 連帯保証との違い
解法・消去法
「承諾なし」という言葉に敏感になり、責任が重くなる選択肢を疑う。
時間戦略
付従性と変更の原則を知っていれば即答可能。1分以内で解答。
06実務応用
実務シナリオ
住宅ローンの追加借り入れにおいて、連帯保証人の同意を得ずに借入金額を増やした場合、保証人は増額分について責任を負わない。
実務への影響
金融機関は債務増額の際には必ず保証人の同意を取得する手続きが必要となる。
ケーススタディ
父が子の事業資金の保証人となった後、金融機関と子が勝手に借入額を倍にした。父は元の額までしか責任を負わない。
業界関連性
不動産売買におけるローン条項や、賃貸借契約の連帯保証人変更時の対応に不可欠。
ニュース連動
「身元保証」に関するトラブルや、保証人破産のニュースで責任範囲が議論になる。
07よくある間違い
債務が増額されると自動的に保証債務も増えると考えてしまう。
なぜ間違えるか:保証人の保護に欠け、民法448条の承諾要件を忘れているため。
保証人が主債務者の相殺を主張できないと勘違いする。
なぜ間違えるか:保証債務の付従性を理解していないため。
解説は、まだ続きます
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