平成14年(2002)本試験

7

損害賠償額の予定過去問

この問題の全体像

賠償額の予定における履行遅滞の責任要件、過失相殺の適用、裁判所の減額権の有無(旧法下)を問う問題です。

平成14年7
AB間の土地売買契約中の履行遅滞の賠償額の予定の条項によって、AがBに対して、損害賠償請求をする場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
  • 1賠償請求を受けたBは、自己の履行遅滞について、帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。
  • 2Bが、Aの過失を立証して、過失相殺の主張をしたとき、裁判所は損害額の算定にその過失を考慮することができる。
  • 3裁判所は、賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗違反となる場合に限り、賠償額の減額をすることができる。
  • 4Aは、賠償請求に際して、Bの履行遅滞があったことを主張・立証すれば足り、損害の発生や損害額の主張・立証をする必要はない。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
賠償額の予定における履行遅滞の責任要件、過失相殺の適用、裁判所の減額権の有無(旧法下)を問う問題です。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
賠償額の予定における履行遅滞の責任要件、過失相殺の適用、裁判所の減額権の有無(旧法下)を問う問題です。
03
知識背景
賠償額の予定とは、債務不履行があった場合に支払う損害賠償額をあらかじめ合意しておく制度です。債権者は実際の損害額を立証する必要がなく…
04
覚え方
「予定」は「予定」通り変えず(減額不可)、「違約」は「違和感」あれば減額可(旧法)。
05
試験のコツ
損害額の立証の要否 ・裁判所による減額の可否 ・過失相殺の適用有無
06
実務での見え方
不動産売買契約において、手付解除や違約による契約解除時に、売買代金の20%を違約金として支払う特約が結ばれることが多い。
07
よくある間違い
{"mistake":"賠償額の予定でも裁判所が減額できると考えてしまう。","why_wrong":"2020年民法改正で変更され…
02深度分析
要約
賠償額の予定における履行遅滞の責任要件、過失相殺の適用、裁判所の減額権の有無(旧法下)を問う問題です。
法的根拠
民法415条(債務不履行の効果)民法418条(過失相殺)民法420条(賠償額の予定)民法90条(公序良俗)
論理の流れ
選択肢1は帰責事由がなければ免責されるので正しい。選択肢2は賠償額の予定であっても過失相殺ができるので正しい。選択肢4は賠償額の予定の本質通り、損害額の立証は不要で正しい。選択肢3は、公序良俗違反の場合は無効となるのであり「減額」されるわけではない点、および旧法下では賠償額の予定は原則として減額できない点から誤りである。
重要な区別
賠償額の予定(原則として減額不可)と違約金(裁判所が減額可)の区別、および公序良俗違反の効果(無効)を正確に識別すること。
各選択肢のポイント
  • 履行遅滞による損害賠償には債務者の帰責事由が必要であり、これがない場合は免責されるため正しい。
  • 賠償額の予定があっても、債権者に過失があれば過失相殺(民法418条)が認められるため正しい。
  • 公序良俗違反は無効であり減額ではない。また旧法では賠償額の予定は減額できないため誤り。
  • 賠償額の予定とは、実際の損害額を証明する手間を省く合意であるため、その立証は不要で正しい。
03知識背景
テーマ概要
賠償額の予定とは、債務不履行があった場合に支払う損害賠償額をあらかじめ合意しておく制度です。債権者は実際の損害額を立証する必要がなくなりますが、債務者の帰責事由は必要です。
歴史的背景
2020年民法改正前は「賠償額の予定」と「違約金」は区別され、違約金のみ裁判所が減額できました。改正後は両者ともに「過大な場合」に減額可能となりましたが、本問は旧法下の出題です。
関連法令
民法415条民法418条民法420条民法90条
体系的位置づけ
債権総則における「債務不履行の効果」の一分野として、損害賠償の範囲と算定方法に関する重要論点です。
前提知識
債務不履行の成立要件(帰責事由)、過失相殺の制度、公序良俗違反の効果(無効)についての基礎知識が必要です。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「予定」は「予定」通り変えず(減額不可)、「違約」は「違和感」あれば減額可(旧法)。
ビジュアル描写
価格タグが貼られた「損害」をイメージ。裁判官はハサミを持っていない(旧法の原則)。
重要公式
賠償額の予定 = 損害額立証不要 + 帰責事由必要。
関連連想
約束(予定)は守るもの、金額も変えない(旧法の原則)と連想する。
比較表
賠償額予定:立証不要、旧法では減額不可。違約金:立証不要、旧法では減額可(420条の2)。
05試験テクニック
出題頻度
2-3年に1回。改正前後の違いを問う問題や、過失相殺の適用を問う問題が頻出です。
重要度
B:重要。民法改正によりルールが変わった部分であり、過去問との違いを理解するのに役立つため。
出題パターン
  • 損害額の立証の要否
  • 裁判所による減額の可否
  • 過失相殺の適用有無
解法・消去法
1、2、4は基本的な原則(帰責事由、過失相殺、立証不要)に合致するため、消去法で3を誤りと特定できます。
時間戦略
条文知識があれば即答可能な分野なので、迷った時間は他の難問に回しましょう。
06実務応用
実務シナリオ
不動産売買契約において、手付解除や違約による契約解除時に、売買代金の20%を違約金として支払う特約が結ばれることが多い。
実務への影響
紛争時に実際の損害額を算定する手間と費用を省き、迅速な解決を図ることができます。
ケーススタディ
売主の都合で契約解除となった場合、買主は違約金10%を請求できる。実際の買主の損害が5%であっても、特約通り10%を請求可能(旧法下)。
業界関連性
不動産取引の契約書作成において、最も基本的かつ重要な条項の一つです。
ニュース連動
消費者契約法などと絡んで、高額な違約金設定の適法性が議論になることがあります。
07よくある間違い
賠償額の予定でも裁判所が減額できると考えてしまう。
なぜ間違えるか:2020年民法改正で変更されたため、改正法の知識を旧法の過去問に適用してしまうため。
帰責事由がなくても賠償額の予定が適用されると考える。
なぜ間違えるか:「額」の予定と「責任」の発生を混同しているため。
解説は、まだ続きます
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