平成18年(2006)本試験

7

連帯保証・物上保証過去問

この問題の全体像

連帯保証人と物上保証人が競合する場合の求償関係に関する問題。特に、連帯保証人が弁済した際に、物上保証人に対してどの範囲で求償できるか(民法465条の適用)が論点。

平成18年7
A銀行のB社に対する貸付債権につき、Cは、B社の委託を受けその全額につき連帯保証するとともに、物上保証人として自己の所有する土地に担保設定している。DもB社の委託を受け全額につき連帯保証している。保証人各自の負担部分は平等である。A銀行とB、C及びDとの間にその他特段の約定はない。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
  • 1Cが、A銀行に対して債権全額につき保証債務を履行した場合、その全額につきB社に対する求償権を取得する。
  • 2Cが、A銀行に対して債権全額につき保証債務を履行した場合、その半額につきDに対する求償権を取得する。
  • 3Cが、担保物の処分代金により、A銀行に対して債権の3分の2につき物上保証に基づく弁済をした場合、Cが取得するB社に対する求償権は、A銀行のB社に対する貸付債権に劣後する。
  • 4Dが、Aに対して債権全額につき保証債務を履行した場合、Cの物上保証の担保物件の価額相当額につきCに対する求償権を取得する。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
連帯保証人と物上保証人が競合する場合の求償関係に関する問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
連帯保証人と物上保証人が競合する場合の求償関係に関する問題。特に、連帯保証人が弁済した際に、物上保証人に対してどの範囲で求償できるか…
03
知識背景
保証債務の履行があった場合、保証人は主債務者や他の保証人に対して求償することができる。複数の保証人がいる場合、各自の負担部分に応じて…
04
覚え方
連保から物保へは「主債務分」のみ。物保から連保へも「主債務分」のみ。お互いに踏み込まない。
05
試験のコツ
連帯保証人と物上保証人の競合 ・事前求償権と事後求償権の違い ・代位弁済による抵当権の移転
06
実務での見え方
銀行融資において、代表者が連帯保証し、親族が所有する土地に抵当権を設定するケース。代表者が返済不能になった場合の連帯保証人と物上保証…
07
よくある間違い
{"mistake":"連帯保証人が物上保証人に対して、担保不動産の価額全額について求償できると誤解する。","why_wrong"…
02深度分析
要約
連帯保証人と物上保証人が競合する場合の求償関係に関する問題。特に、連帯保証人が弁済した際に、物上保証人に対してどの範囲で求償できるか(民法465条の適用)が論点。
法的根拠
民法459条(保証人の事前求償権)民法462条(保証人の代位)民法465条(連帯保証人と物上保証人間の求償)民法501条(代位による弁済の効果)
論理の流れ
CとDは連帯保証人で負担部分が平等(各1/2)とする。Cは物上保証人でもある。選択肢1はCが全額弁済した場合、主債務者Bに全額求償できるので正しい。選択肢2はCがDに対してDの負担部分(1/2)を求償できるので正しい。選択肢3は物上保証人Cが弁済した場合、Bに対する求償権は債権者Aの債権に劣後する(民法501条)ので正しい。選択肢4はDが弁済した場合、物上保証人Cに対する求償は、民法465条により主債務者の負担部分の限度に制限される。したがって、担保物件の価額相当額を求償できるとする記述は誤り。
重要な区別
連帯保証人と物上保証人がいる場合、連帯保証人が物上保証人に求償する際は、主債務者の負担部分の限度に制限される点。
各選択肢のポイント
  • 保証人が全額を弁済した場合、主債務者に対して全額の求償権を取得する(民法459条)。
  • 連帯保証人間の負担部分は平等(1/2ずつ)であるため、CはDに対して半額の求償権を取得する。
  • 物上保証人が弁済した場合、主債務者に対する求償権は、債権者の有する抵当権等に劣後する(民法501条)。
  • 連帯保証人Dが物上保証人Cに求償する場合、民法465条により主債務者の負担部分の限度に制限される。
03知識背景
テーマ概要
保証債務の履行があった場合、保証人は主債務者や他の保証人に対して求償することができる。複数の保証人がいる場合、各自の負担部分に応じて求償が行われるが、連帯保証人と物上保証人がいる場合には、特別のルールが適用される。
歴史的背景
民法の保証債務に関する規定は、保証人の保護と債権者間の公平性を図るために整備された。特に物上保証人は人的保証と異なるため、求償範囲に制限が設けられている。
関連法令
民法459条民法462条民法464条民法465条民法500条
体系的位置づけ
宅建試験の民法(債権総論)における「保証」分野の核心的な論点であり、複合的な保証関係を扱う応用問題。
前提知識
連帯保証と普通保証の違い、求償権の基本原理、物上保証人の定義、代位弁済の効果についての理解が必要。
04記憶テクニック
語呂合わせ
連保から物保へは「主債務分」のみ。物保から連保へも「主債務分」のみ。お互いに踏み込まない。
ビジュアル描写
主債務者を中心に、連帯保証人と物上保証人が配置される図をイメージ。連帯保証人が支払っても、物上保証人からは主債務者の分しか回収できない。
重要公式
求償範囲 = 弁済額 × 相手方の負担割合(ただし物上保証人への求償は主債務者分まで)
関連連想
「物上保証人は不動産を出しただけ」というイメージから、人的保証人ほど責任を負わないと連想する。
比較表
連帯保証人間:負担部分按分で求償可。連帯保証人→物上保証人:主債務者の負担部分のみ求償可。
05試験テクニック
出題頻度
2-3年に1回
重要度
A:最重要。複合的な保証関係は頻出かつ難易度が高い。
出題パターン
  • 連帯保証人と物上保証人の競合
  • 事前求償権と事後求償権の違い
  • 代位弁済による抵当権の移転
解法・消去法
「全額」「半額」「価額相当額」などの数量表現に注目し、負担部分の原則(平等)や制限規定(民法465条)に反するものを消去する。
時間戦略
関係図を素早く書き、誰が誰にいくら払ったか、そして誰に対して求償できるかを整理する。
06実務応用
実務シナリオ
銀行融資において、代表者が連帯保証し、親族が所有する土地に抵当権を設定するケース。代表者が返済不能になった場合の連帯保証人と物上保証人の責任範囲。
実務への影響
実務では、どの保証人がどの程度のリスクを負うかを明確にするために、特約(全部放棄など)が結ばれることが多い。
ケーススタディ
会社の借入について、取締役が連帯保証し、別の取締役が自宅を担保提供した場合。取締役(連帯保証)が全額返済した際、自宅を担保提供した取締役に対してどれだけ請求できるか。
業界関連性
不動産売買におけるローン契約や保証契約のチェックにおいて、当事者のリスク管理に不可欠。
ニュース連動
経済悪化時に連帯保証人が破綻し、物上保証人の不動産が競売にかけられる事例との関連性。
07よくある間違い
連帯保証人が物上保証人に対して、担保不動産の価額全額について求償できると誤解する。
なぜ間違えるか:民法465条の制限(主債務者の負担部分の限度)を知らない、または忘れているため。
物上保証人が弁済した場合の求償権が、債権者の有する担保権に優先すると考える。
なぜ間違えるか:代位弁済の原則(民法501条)を理解していない。弁済者は債権者の権利を承継するが、それは担保権の実行可能な状態を承継するに過ぎない。
解説は、まだ続きます
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