平成20年(2008)本試験

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物権の移転と対抗問題過去問

この問題の全体像

本問は不動産物権変動における対抗要件主義と第三者保護の関係を問う問題である。具体的には、無権利者からの譲受人、通謀虚偽表示の第三者、契約解除後の第三者、強迫による取消しと第三者という4つの場面での真の所有者と第三者の権利関係が争点となる。各場面で適用される条文(民法177条、94条2項、545条1項但書、96条3項)が異なり、第三者保護の要件も「善意」「善意無過失」など様々である。登記の有無、善意悪意、過失の有無が判断のポイントとなる。

平成20年2
所有権がAからBに移転している旨が登記されている甲土地の売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
  • 1CはBとの間で売買契約を締結して所有権移転登記をしたが、甲土地の真の所有者はAであって、Bが各種の書類を偽造して自らに登記を移していた場合、Aは所有者であることをCに対して主張できる。
  • 2DはBとの間で売買契約を締結したが、AB間の所有権移転登記はAとBが通じてした仮装の売買契約に基づくものであった場合、DがAB間の売買契約が仮装であることを知らず、知らないことに無過失であっても、Dが所有権移転登記を備えていなければ、Aは所有者であることをDに対して主張できる。
  • 3EはBとの間で売買契約を締結したが、BE間の売買契約締結の前にAがBの債務不履行を理由にAB間の売買契約を解除していた場合、Aが解除した旨の登記をしたか否かにかかわらず、Aは所有者であることをEに対して主張できる。
  • 4FはBとの間で売買契約を締結して所有権移転登記をしたが、その後AはBの強迫を理由にAB間の売買契約を取り消した場合、FがBによる強迫を知っていたときに限り、Aは所有者であることをFに対して主張できる。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
本問は不動産物権変動における対抗要件主義と第三者保護の関係を問う問題である。
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02
深度分析
本問は不動産物権変動における対抗要件主義と第三者保護の関係を問う問題である。具体的には、無権利者からの譲受人、通謀虚偽表示の第三者、…
03
知識背景
本問は不動産物権変動における対抗要件主義と第三者保護の関係を問う問題である。具体的には、無権利者からの譲受人、通謀虚偽表示の第三者、…
04
覚え方
「無権利者からは取れない、通謀虚偽は善意で守る、解除は善意なら登記不要、強迫は善意無過失」と覚える。登記の公信力がない日本では、真の…
05
試験のコツ
登記があれば常に保護されると誤解しやすい ・通謀虚偽表示と偽造登記を混同しやすい ・解除の登記が必要と誤解しやすい ・強迫の第三者保…
06
実務での見え方
実務では売主の権利確認が重要である。登記簿上の所有者が真の所有者かを権利証、印鑑証明書等で確認し、本人確認を徹底する。また、前所有者…
07
よくある間違い
{"mistake":"登記があれば無権利者からでも権利取得できると考える","why_wrong":"日本法では登記に公信力がなく…
02深度分析
要約
本問は不動産物権変動における対抗要件主義と第三者保護の関係を問う問題である。具体的には、無権利者からの譲受人、通謀虚偽表示の第三者、契約解除後の第三者、強迫による取消しと第三者という4つの場面での真の所有者と第三者の権利関係が争点となる。各場面で適用される条文(民法177条、94条2項、545条1項但書、96条3項)が異なり、第三者保護の要件も「善意」「善意無過失」など様々である。登記の有無、善意悪意、過失の有無が判断のポイントとなる。
法的根拠
民法177条民法94条2項最判昭和45年9月22日
論理の流れ
正解は1。無権利者からの譲受人は登記があっても真の所有者に対抗できない。
重要な区別
「無権利者からは取れない、通謀虚偽は善意で守る、解除は善意なら登記不要、強迫は善意無過失」と覚える。登記の公信力がない日本では、真の権利者が最強であることを基本とする。
各選択肢のポイント
  • 選択肢1では、Bが書類を偽造して登記を移転したため、Bは真の権利者ではない無権利者である。無権利者は他人に権利を移転することができないという「無権利者からは権利を取得できない」の原則(nemo dat quod non habet)が適用される。
  • 選択肢2について、民法94条2項により、通謀虚偽表示による無効は善意無過失の第三者には対抗できない。Dが善意無過失であれば、登記がなくても保護される。よってAはDに所有権を主張できない。
  • 選択肢3について、売買契約の解除は遡及効を有し(民法545条1項)、解除により売主は所有権を回復する。しかし第三者保護規定(民法545条1項但書)により、善意の第三者には対抗できない。解除の登記の有無は関係ない。
  • 選択肢4について、強迫による取消しの場合、民法96条3項は「前項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない」と規定している。Fが強迫を知っていた場合は悪意であり、取消しを対抗できる。
03知識背景
テーマ概要
本問は不動産物権変動における対抗要件主義と第三者保護の関係を問う問題である。具体的には、無権利者からの譲受人、通謀虚偽表示の第三者、契約解除後の第三者、強迫による取消しと第三者という4つの場面での真の所有者と第三者の権利関係が争点となる。各場面で適用される条文(民法177条、94条2項、545条1項但書、96条3項)が異なり、第三者保護の要件も「善意」「善意無過失」など様々である。登記の有無、善意悪意、過失の有無が判断のポイントとなる。
関連法令
民法177条民法94条2項最判昭和45年9月22日
体系的位置づけ
物権の移転と対抗問題。根拠:民法177条、民法94条2項、最判昭和45年9月22日
04記憶テクニック
語呂合わせ
「無権利者からは取れない、通謀虚偽は善意で守る、解除は善意なら登記不要、強迫は善意無過失」と覚える。登記の公信力がない日本では、真の権利者が最強であることを基本とする。
重要公式
「無権利者からは取れない、通謀虚偽は善意で守る、解除は善意なら登記不要、強迫は善意無過失」と覚える。登記の公信力がない日本では、真の権利者が最強であることを基本とする。
05試験テクニック
重要度
A
出題パターン
  • 登記があれば常に保護されると誤解しやすい
  • 通謀虚偽表示と偽造登記を混同しやすい
  • 解除の登記が必要と誤解しやすい
  • 強迫の第三者保護要件を善意のみと誤解しやすい
  • 登記があれば無権利者からでも権利取得できると考える
  • 通謀虚偽表示の第三者保護に登記が必要と考える
時間戦略
設問が正しいものを聞くのか、誤っているものを聞くのかを先に確認し、各肢の要件・例外を照合する。
06実務応用
実務シナリオ
実務では売主の権利確認が重要である。登記簿上の所有者が真の所有者かを権利証、印鑑証明書等で確認し、本人確認を徹底する。また、前所有者との契約関係(通謀虚偽表示、強迫等の瑕疵)についても可能な限り調査し、買主に説明する必要がある。
実務への影響
実務では売主の権利確認が重要である。登記簿上の所有者が真の所有者かを権利証、印鑑証明書等で確認し、本人確認を徹底する。また、前所有者との契約関係(通謀虚偽表示、強迫等の瑕疵)についても可能な限り調査し、買主に説明する必要がある。
07よくある間違い
登記があれば無権利者からでも権利取得できると考える
なぜ間違えるか:日本法では登記に公信力がなく、無権利者からは権利を取得できない原則が適用される(判例)
通謀虚偽表示の第三者保護に登記が必要と考える
なぜ間違えるか:民法94条2項は善意であれば登記なくても第三者を保護する規定である
解説は、まだ続きます
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