平成30年(2018)本試験

29

業務の規制・8つの規制過去問

この問題の全体像

この問題は、宅建業者間の取引における8種制限の適用除外(宅建業法78条)と、業者と消費者間の取引における手付金額等の制限(39条等)の違いを問う問題です。

平成30年29
Aは、Bとの間で、Aが所有する建物を代金2,000万円で売却する売買契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反しないものはどれか。
  • 1A及びBがともに宅地建物取引業者である場合において、Aは、本件契約の成立後、法第37条の規定により交付すべき書面を作成し、記名は宅地建物取引士ではない者が行い、これをBに交付した。
  • 2A及びBがともに宅地建物取引業者である場合において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除があったときの損害賠償の額を600万円とする特約を定めた。
  • 3Aは宅地建物取引業者であるが、Bは宅地建物取引業者ではない場合において、Aは、本件契約の締結に際して、500万円の手付を受領した。
  • 4Aは宅地建物取引業者であるが、Bは宅地建物取引業者ではない場合において、本件契約の目的物である建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、契約の解除又は損害賠償の請求をするために、Bは、目的物の引渡しの日から1年以内に当該不適合についてAに通知しなければならないものとする旨の特約を定めた。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
この問題は、宅建業者間の取引における8種制限の適用除外(宅建業法78条)と、業者と消費者間の取引における手付金額等の制限(39条等)の違いを問う問題です。
この問題は、5 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
この問題は、宅建業者間の取引における8種制限の適用除外(宅建業法78条)と、業者と消費者間の取引における手付金額等の制限(39条等)…
03
知識背景
8種制限は、宅建業者が消費者と取引する際に、その優越的地位を利用して不利な条件を押し付けないよう設けられたルール群です。手付金の額、…
04
覚え方
「業者間は解除(かいじょ)」で覚える。業者間なら8種制限が解除(適用除外)される。
05
試験のコツ
業者間取引の適用除外 ・手付金の20%超過 ・担保責任期間の短縮
06
実務での見え方
業者が不動産を仕入れる際、手付金を30%払うことも可能ですが、個人に売る際は20%に抑えなければなりません。
02深度分析
要約
この問題は、宅建業者間の取引における8種制限の適用除外(宅建業法78条)と、業者と消費者間の取引における手付金額等の制限(39条等)の違いを問う問題です。
法的根拠
宅建建物取引業法第37条(37条書面)宅地建物取引業法第38条(損害賠償額の予定等の制限)宅地建物取引業法第39条(手付金等の額の制限等)宅地建物取引業法第40条(手付金等の保全措置)宅地建物取引業法第78条(宅建業者に対する適用除外)
論理の流れ
まず、取引の当事者が「業者間」か「業者と消費者」かを判定します。業者間の場合、78条2項により37条から40条までの規定は適用されません。したがって選択肢1と2は違反となりません。選択肢3と4は業者と消費者間の取引のため8種制限が適用されます。3は手付金が代金の20%を超えており、4は契約不適合担保責任(当時は瑕疵担保責任)の期間が2年未満のため、いずれも違反となります。
重要な区別
「業者間取引」では8種制限が適用除外されるか否かが最大の分かれ目であり、これを見抜くことが正解への鍵です。
各選択肢のポイント
  • 業者間取引では37条書面の交付義務自体が免除されるため、記名押印の規定も適用されない。
  • 業者間取引では38条の損害賠償額の予定等の制限が適用されないため、600万円の特約も有効。
  • 業者と消費者間では手付金は代金の20%(400万円)までに制限されており、500万円は違反。
  • 業者と消費者間では担保責任について「引渡しの日から2年以上」とする特約が必要。
03知識背景
テーマ概要
8種制限は、宅建業者が消費者と取引する際に、その優越的地位を利用して不利な条件を押し付けないよう設けられたルール群です。手付金の額、損害賠償の予定、契約解除期間、瑕疵担保責任等について制限を設けています。
歴史的背景
消費者保護の観点から設けられましたが、業者間の取引では対等な交渉が可能とみなされ、規制が緩和(適用除外)されています。2020年の民法改正により「瑕疵担保責任」から「契約不適合担保責任」へと概念が移行しました。
関連法令
民法第560条(瑕疵担保)宅建業法第35条(重要事項の説明等)宅建業法第37条の2(契約不適合担保責任の特約の制限)民法第415条(債務不履行による損害賠償)
体系的位置づけ
「宅建業法」の「業務に関する規制」の中核をなす分野であり、宅建士試験の頻出論点です。
前提知識
8種制限の具体的な内容(手付金20%制限、損害賠償20%制限、担保責任2年ルール等)と、業者間取引における適用除外の理解が必要です。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「業者間は解除(かいじょ)」で覚える。業者間なら8種制限が解除(適用除外)される。
ビジュアル描写
業者同士の間には「適用除外」という透明な壁があり、ルールが通り抜けるイメージ。消費者には「盾」がある。
重要公式
手付金≤20%、損害賠償≤20%、担保期間≥2年。
関連連想
「20パー、2ネン」とセットで覚える。数字の「2」が共通点。
比較表
業者間:8種制限なし、自由。業者・消費者間:手付20%以下、賠償20%以下、担保2年以上。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題
重要度
A:最重要。実務でも必須の知識であり、得点源になりやすい。
出題パターン
  • 業者間取引の適用除外
  • 手付金の20%超過
  • 担保責任期間の短縮
解法・消去法
選択肢に「20%」や「2年」という数字が出たら、それが守られているか即座にチェックする。
時間戦略
当事者を確認し、業者間なら即座に「違反しない」候補とみなして判断を早める。
06実務応用
実務シナリオ
業者が不動産を仕入れる際、手付金を30%払うことも可能ですが、個人に売る際は20%に抑えなければなりません。
実務への影響
契約書作成時のチェックリストとして不可欠。違反すると監督処分の対象となるため、実務上非常に重要。
ケーススタディ
買主が手付金30%を払った後、キャンセルした際、業者が全額没収しようとしたが、20%超過部分は無効となり返還された事例。
業界関連性
不動産取引の安全性と信頼性を担保するための基本ルール。
ニュース連動
悪質な手付金詐取などのニュースに関連し、これらの規制の重要性が再認識される。
解説は、まだ続きます
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