令和7年(2025)本試験

44

犯罪収益移転防止法過去問

この問題の全体像

犯罪収益移転防止法における宅建業者の義務(顧客確認、記録保存、疑わしい取引の届出)を問う問題。特に取引記録の保存期間(7年)を5年と誤認している選択肢2が違反となる。保存期間の数字が正解の分かれ目である。

令和7年44
宅地建物取引業者は、犯罪による収益の移転防止に関する法律第2条第2項の特定事業者に該当するが、宅地建物取引業者Aの行為に関する次の記述のうち、同法に違反するものはどれか。
  • 1Aは、土地付建物の売買を行うに際して、当該売買契約の相手方である買主が自然人であったので、氏名、住居、生年月日、取引を行う目的及び職業について、確認した。
  • 2Aは、価額が5,000万円の土地付建物の売買を行ったとき、直ちに、一定の方法により、当該売買契約の相手方である買主の確認記録を検索するための事項、当該取引の期日及び内容その他の事項に関する記録を作成して保存していたが、当該取引の行われた日から5年経過したので、当年度末に当該記録を廃棄した。
  • 3Aは、土地付建物の売買契約の相手方である買主から収受した代金について犯罪により得た収益であるとの疑いがあったので、速やかに、所定の事項を行政庁に届け出た。
  • 4Aは、取引時確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置を的確に行うため、顧客と実際に接する営業担当者に対する教育訓練を実施した。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
犯罪収益移転防止法における宅建業者の義務(顧客確認、記録保存、疑わしい取引の届出)を問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
犯罪収益移転防止法における宅建業者の義務(顧客確認、記録保存、疑わしい取引の届出)を問う問題。特に取引記録の保存期間(7年)を5年と…
03
知識背景
犯罪収益移転防止法は、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与を防止するための法律。宅建業者は特定事業者として位置づけられ、不動…
04
覚え方
「犯罪収益、7年保存で移転防止」7年を「七転八起」と覚える。「7年保存で起きる(記録する)」と語呂合わせ。5年は金融機関の旧期間と混…
05
試験のコツ
保存期間の年数を問う問題 ・顧客確認事項の内容を問う問題 ・届出義務の有無・タイミングを問う問題
06
実務での見え方
不動産売買の実務では、売買契約締結時に顧客確認を行い、身分証明書の写しを取得。取引記録を作成し7年間保存。不審な取引(例:身分証と異…
07
よくある間違い
{"mistake":"保存期間を5年と誤認する。宅建業法の免許有効期間(5年)と混同し、犯罪収益移転防止法の保存期間も5年と間違え…
02深度分析
要約
犯罪収益移転防止法における宅建業者の義務(顧客確認、記録保存、疑わしい取引の届出)を問う問題。特に取引記録の保存期間(7年)を5年と誤認している選択肢2が違反となる。保存期間の数字が正解の分かれ目である。
法的根拠
犯罪収益移転防止法第2条第2項(特定事業者の定義)犯罪収益移転防止法第4条(顧客確認義務)犯罪収益移転防止法第8条(取引記録の保存義務)犯罪収益移転防止法第9条(疑わしい取引の届出義務)犯罪収益移転防止法第10条(体制整備義務)
論理の流れ
宅建業者は特定事業者として、顧客確認・記録保存・疑わしい取引の届出の3つの義務を負う。選択肢2では保存期間が焦点となる。法第8条により、取引記録は取引日から7年間保存が義務付けられている。5年経過後の廃棄は7年に満たないため法的義務違反となる。他の選択肢は法的義務を適切に履行しており違反ではない。
重要な区別
最も重要な判断ポイントは「取引記録の保存期間」である。7年間と規定されている保存期間を5年と混同すると誤答する。他の義務内容は適切に記述されているため、保存期間の数字に注目する必要がある。
各選択肢のポイント
  • 自然人の顧客確認事項(氏名、住居、生年月日、取引目的、職業)は法第4条に基づく適切な確認項目であり、義務履行として正しい。
  • 法第8条により取引記録は7年間保存が義務。5年経過での廃棄は保存期間不足であり、明確な法違反である。これが正解。
  • 法第9条に基づく疑わしい取引の届出義務を適切に履行しており、速やかな届出は法的要件を満たしている。
  • 法第10条に基づく体制整備義務の一環として、従業員への教育訓練は適切な措置であり義務履行として正しい。
03知識背景
テーマ概要
犯罪収益移転防止法は、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与を防止するための法律。宅建業者は特定事業者として位置づけられ、不動産取引を利用した犯罪収益の移転を防ぐため、顧客確認、記録保存、疑わしい取引の届出の3つの義務を負う。
歴史的背景
2007年に施行され、2008年の改正で保存期間が5年から7年に延長された。国際的な資金洗浄防止基準(FATF)への対応として整備され、金融機関だけでなく不動産業者も対象となった。
関連法令
犯罪収益移転防止法第4条(顧客確認)犯罪収益移転防止法第8条(記録保存)犯罪収益移転防止法第9条(疑わしい取引の届出)犯罪収益移転防止法第10条(体制整備)犯罪収益移転防止法第16条(罰則)
体系的位置づけ
宅建業法の業務上の規制の一環として出題される。宅建業者が遵守すべき他法令の義務として重要であり、毎年何らかの形で出題される頻出分野である。
前提知識
特定事業者の定義、顧客確認のタイミングと内容、保存すべき記録の範囲、保存期間(7年)、届出先(警察庁長官等)、届出義務の免除される場合等の基礎知識が必要。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「犯罪収益、7年保存で移転防止」7年を「七転八起」と覚える。「7年保存で起きる(記録する)」と語呂合わせ。5年は金融機関の旧期間と混同しやすいので注意。
ビジュアル描写
「7年保存」をカレンダーでイメージ。取引日から7年分のカレンダーに×印をつけ、すべての×が過ぎるまで記録を保管するイメージで記憶。
重要公式
保存期間=7年(取引日から)、届出=速やかに、確認事項=自然人5項目(氏名・住居・生年月日・目的・職業)
関連連想
「7」は「七」で「質(しち)」→質屋も特定事業者。質屋と宅建業者は同じ7年保存と連想。
比較表
顧客確認:自然人は氏名・住居・生年月日・取引目的・職業/法人は名称・本店所在地等 保存期間:取引記録は7年/疑わしい取引の届出:速やかに 届出先:警察庁長官(都道府県公安委員会経由)
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題される頻出論点。特に保存期間、顧客確認事項、届出義務のいずれかが問われる。
重要度
A:最重要。宅建業者の義務として基本的事項であり、実務でも直接関係するため確実に習得が必要。
出題パターン
  • 保存期間の年数を問う問題
  • 顧客確認事項の内容を問う問題
  • 届出義務の有無・タイミングを問う問題
解法・消去法
「5年」や「3年」などの期間は要注意。宅建業法では5年が多いが、犯罪収益移転防止法は7年。期間の数字が出たら必ず確認する習慣をつける。
時間戦略
数字(年数・金額)と義務の内容を確認して、即座に判断。保存期間は7年と即答できるよう暗記し、30秒以内で解答を導く。
06実務応用
実務シナリオ
不動産売買の実務では、売買契約締結時に顧客確認を行い、身分証明書の写しを取得。取引記録を作成し7年間保存。不審な取引(例:身分証と異なる住所への送金要求)があれば警察への届出が必要。
実務への影響
違反の場合、個人には2年以下の懲役又は300万円以下の罰金、法人には5億円以下の罰金が科される可能性があり、実務上極めて重要な義務。
ケーススタディ
海外からの投資家が高額物件を現金で購入する場合、顧客確認を徹底し、資金の出所に疑わしい点があれば届出が必要。テロ資金供与やマネーロンダリングの防止に寄与する。
業界関連性
不動産取引は高額であり、犯罪収益の移転に利用されやすいため、宅建業者の役割は重要。業界全体のコンプライアンス強化が求められている。
ニュース連動
近年の反社会勢力排除、テロ資金供与防止の観点から、本法の重要性が増している。不動産業者への指導も強化されている。
07よくある間違い
保存期間を5年と誤認する。宅建業法の免許有効期間(5年)と混同し、犯罪収益移転防止法の保存期間も5年と間違える。
なぜ間違えるか:宅建業法では5年が多く登場するため、無意識に5年と記憶してしまう。他法令との区別が不明確なまま暗記している。
顧客確認事項を過不足なく把握していない。法人の場合の確認事項と自然人の場合を混同する。
なぜ間違えるか:法人と自然人で確認事項が異なることを理解していない。一律に同じ項目を確認すればよいと誤解している。
疑わしい取引の届出を任意と誤解する。届出は努力義務ではなく法的義務であることを理解していない。
なぜ間違えるか:「疑わしい」という主観的判断が入るため、届出が任意と勘違いする。法的義務の重要性を軽視している。
解説は、まだ続きます
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