令和2年(2020)本試験

110

共有過去問

この問題の全体像

本問は共有に関する基本的な規定の理解を問う問題である。持分の推定、共有物の管理・保存行為、共有持分の帰属という3つの論点から構成され、特に相続人のない共有者の持分の帰属先が正解のポイントとなる。

令和2年110
不動産の共有に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
  • 1共有物の各共有者の持分が不明な場合、持分は平等と推定される。
  • 2各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に形状又は効用の著しい変更を伴う変更を加えることができない。
  • 3共有物の保存行為については、各共有者が単独ですることができる。
  • 4共有者の一人が死亡して相続人がないときは、その持分は国庫に帰属する。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
本問は共有に関する基本的な規定の理解を問う問題である。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
本問は共有に関する基本的な規定の理解を問う問題である。持分の推定、共有物の管理・保存行為、共有持分の帰属という3つの論点から構成され…
03
知識背景
共有とは1個の物を複数の者が共同で所有する形態をいう。各共有者は持分を有し、その持分に応じて使用収益や管理を行う。共有関係の解消とし…
04
覚え方
「共有者なき持分は共有者へ」=相続人がいない場合、国庫ではなく他の共有者へ。国庫帰属は相続財産だけと覚える。
05
試験のコツ
保存・管理・変更行為の権限の違いを問う問題 ・持分の帰属先を問う問題 ・分割請求権の内容を問う問題
06
実務での見え方
不動産の共同購入、相続による共有、区分所有建物の専有部分の共有など、実務では共有関係が頻繁に生じる。共有者の一人が行方不明や死亡で相…
07
よくある間違い
{"mistake":"相続人のない場合の財産はすべて国庫帰属すると誤解し、選択肢4を正しいと判断してしまう。","why_wron…
02深度分析
要約
本問は共有に関する基本的な規定の理解を問う問題である。持分の推定、共有物の管理・保存行為、共有持分の帰属という3つの論点から構成され、特に相続人のない共有者の持分の帰属先が正解のポイントとなる。
法的根拠
民法252条民法252条但書民法255条民法959条
論理の流れ
まず選択肢1から3は民法252条の規定そのままで正しいと判断できる。選択肢4について、民法255条は「他の共有者に帰属する」と規定しており、国庫帰属とする記述が誤りと特定できる。相続財産の場合は国庫帰属(民法959条)だが、共有持分には特則がある点がポイント。
重要な区別
相続人のない相続財産は国庫帰属するが、共有持分については民法255条の特則により他の共有者に帰属する。この特則の存在が最大の判断ポイントである。
各選択肢のポイント
  • 民法252条が「各共有者の持分は平等と推定する」と規定しており、正しい記述である。
  • 民法252条が共有物の変更には共有者全員の同意を必要とすると規定しており、正しい。
  • 民法252条但書が保存行為は各共有者が単独でできると規定しており、正しい記述である。
  • 民法255条により相続人のない共有者の持分は他の共有者に帰属し、国庫帰属しないため誤り。
03知識背景
テーマ概要
共有とは1個の物を複数の者が共同で所有する形態をいう。各共有者は持分を有し、その持分に応じて使用収益や管理を行う。共有関係の解消として分割請求権が認められるほか、共有者の死亡時の持分処理も重要な論点となる。
歴史的背景
民法255条は2018年改正で一部修正されたが、相続人のない共有者の持分が他の共有者に帰属するという原則は維持された。この規定は共有関係の早期解消と共有物の有効活用を図る趣旨である。
関連法令
民法249条から264条(共有)民法255条(持分の帰属)民法951条から959条(相続人の不存在)
体系的位置づけ
民法の物権法分野における所有権の重要論点であり、宅建試験では頻出テーマの一つ。共有の管理行為・保存行為の区別と持分の帰属は特に重要である。
前提知識
共有の基礎概念(持分、管理行為、保存行為、変更行為の区別)、相続人の不存在の場合の財産処理(国庫帰属)、民法の条文構造と特則の関係を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「共有者なき持分は共有者へ」=相続人がいない場合、国庫ではなく他の共有者へ。国庫帰属は相続財産だけと覚える。
ビジュアル描写
共有者A・B・Cの3名がいる図をイメージ。Aが死亡し相続人なし→Aの持分はBとCに移動(矢印で表示)。国庫には行かない。
重要公式
保存行為=単独可、管理行為=過半数、変更行為=全員同意、持分帰属=他の共有者
関連連想
「共有」だから「共有者」に帰属すると連想。国庫は関係ないと覚える。
比較表
相続財産(相続人不存在)→国庫帰属(民法959条)/共有持分(相続人不存在)→他の共有者帰属(民法255条)/この違いが試験の狙い
05試験テクニック
出題頻度
共有に関する問題は毎年出題されており、中でも管理・保存行為の区別と持分帰属は高頻出の論点である。
重要度
A:最重要。共有は条文数も多く、実務でも頻繁に遭遇するため、確実に得点すべき分野である。
出題パターン
  • 保存・管理・変更行為の権限の違いを問う問題
  • 持分の帰属先を問う問題
  • 分割請求権の内容を問う問題
解法・消去法
選択肢1〜3は民法252条の定型的な規定なので正しいと判断。消去法で選択肢4が誤りと特定できる。
時間戦略
条文知識があれば1分以内で解答可能。選択肢1〜3は条文そのままなので素早く判断し、選択肢4に時間をかける。
06実務応用
実務シナリオ
不動産の共同購入、相続による共有、区分所有建物の専有部分の共有など、実務では共有関係が頻繁に生じる。共有者の一人が行方不明や死亡で相続人なしの場合の持分処理は実務上重要な問題である。
実務への影響
共有持分の帰属を誤解すると、登記申請や権利関係の整理で重大なミスを招く。正確な条文知識は実務家として必須である。
ケーススタディ
兄弟3人で実家を相続し共有状態となった後、1人が独身のまま死亡。相続人がいない場合、その持分は残りの兄弟に帰属する。国庫に帰属すると誤解すると、相続登記を誤る可能性がある。
業界関連性
不動産取引では共有物件の売買や持分譲渡が日常的に行われ、共有関係の理解は業務遂行に不可欠である。
ニュース連動
空き家問題や相続登記未了物件の増加が社会問題化しており、共有持分の処理は実務的重要性を増している。
07よくある間違い
相続人のない場合の財産はすべて国庫帰属すると誤解し、選択肢4を正しいと判断してしまう。
なぜ間違えるか:相続財産の国庫帰属(民法959条)の知識はあるが、共有持分に関する特則(民法255条)を知らないか忘れている。
保存行為と管理行為を混同し、保存行為にも他の共有者の同意が必要と誤解する。
なぜ間違えるか:どちらも共有物に関する行為だが、その性質と要件の違いを正確に理解していない。
持分が不明の場合、登記の割合によると誤解する。
なぜ間違えるか:登記上の割合と実際の持分を混同している。持分は当事者の合意により決まる。
解説は、まだ続きます
背景知識・覚え方・引っかけ対策・実務での見え方まで。無料体験で、この1問をとことん深掘りできます。
無料体験で続きを読む →
関連過去問

同じ論点で出題されたほかの問

論点「共有」で出題された過去問。出題パターンの幅を確認できます。

さあ、はじめよう
この問を、アプリで記録する
無料で体験を始める →