令和2年(2020)本試験
問208
相続過去問
この問題の全体像
相続における代襲相続と再代襲の可否を問う問題。子の代襲相続では再代襲が認められるが、兄弟姉妹の代襲相続では再代襲が認められないという違いが核心。相続回復請求権の時効期間も重要論点。
相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 1相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。
- 2被相続人の子が相続開始以前に死亡したときは、その者の子がこれを代襲して相続人となるが、さらに代襲者も死亡していたときは、代襲者の子が相続人となることはない。
- 3被相続人に相続人となる子及びその代襲相続人がおらず、被相続人の直系尊属が相続人となる場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となることはない。
- 4被相続人の兄弟姉妹が相続人となるべき場合であっても、相続開始以前に兄弟姉妹及びその子がいずれも死亡していたときは、その者の子(兄弟姉妹の孫)が相続人となることはない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
相続における代襲相続と再代襲の可否を問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
相続における代襲相続と再代襲の可否を問う問題。子の代襲相続では再代襲が認められるが、兄弟姉妹の代襲相続では再代襲が認められないという…
03
知識背景
相続制度における相続人の順位と代襲相続の仕組みを理解する問題。代襲相続とは、相続人となるべき者が相続開始以前に死亡等した場合に、その…
04
覚え方
「子は代襲も再代襲もOK、兄弟姉妹は代襲のみで再代襲はNG」。血縁が近い子は手厚く保護、遠い兄弟姉妹は限定保護と覚える。
05
試験のコツ
代襲相続の可否を問う問題
・再代襲の可否を子と兄弟姉妹で比較する問題
・相続回復請求権の時効期間を問う問題
06
実務での見え方
不動産売買において、売主が相続登記を完了していない場合、真の相続人が誰かを確認する必要がある。代襲相続の有無により登記名義人が変わり…
07
よくある間違い
{"mistake":"兄弟姉妹の代襲相続でも再代襲が認められると誤解する。","why_wrong":"子の代襲と兄弟姉妹の代襲を…
02深度分析
要約
相続における代襲相続と再代襲の可否を問う問題。子の代襲相続では再代襲が認められるが、兄弟姉妹の代襲相続では再代襲が認められないという違いが核心。相続回復請求権の時効期間も重要論点。
法的根拠
民法884条(相続回復請求権)民法887条(子及びその代襲者)民法889条(直系尊属及び兄弟姉妹)民法901条(代襲相続の効力)
論理の流れ
まず各選択肢の相続人関係を整理する。選択肢2では、被相続人の子が死亡→その子(代襲者)も死亡→その子(再代襲者)の相続可否が問題となる。民法901条1項但書により、子の代襲相続では再代襲が認められるため、「相続人となることはない」とする記述が誤りと判断できる。
重要な区別
代襲相続において、子の場合は再代襲が認められるが、兄弟姉妹の場合は再代襲が認められないという違いが最も重要。この対比を正確に理解することが正解への鍵。
各選択肢のポイント
- 民法884条の規定通り。相続回復請求権は侵害を知った時から5年で時効消滅する。正しい記述。
- 民法901条1項但書により、子の代襲相続では再代襲も認められる。誤りの記述。
- 民法889条により、第1順位(子)がいない場合、第2順位(直系尊属)が相続人となり、第3順位(兄弟姉妹)は排除される。正しい記述。
- 民法901条2項により、兄弟姉妹の代襲相続は子までで、孫(再代襲)は認められない。正しい記述。
03知識背景
テーマ概要
相続制度における相続人の順位と代襲相続の仕組みを理解する問題。代襲相続とは、相続人となるべき者が相続開始以前に死亡等した場合に、その子が代わって相続する制度。再代襲の可否は相続人の範囲によって異なる。
歴史的背景
代襲相続制度は古くから存在し、相続人の期待利益を保護する目的がある。再代襲については、子の場合は認めるが兄弟姉妹の場合は認めないという区別は、血縁の遠近に基づく政策的判断による。
関連法令
民法884条(相続回復請求権の時効)民法887条(子及びその代襲者等の相続権)民法889条(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)民法901条(代襲相続の効力)
体系的位置づけ
民法家族法の中でも相続分野は宅建試験で頻出。相続人の範囲と順位は不動産登記や権利関係の基礎知識として実務上極めて重要。
前提知識
相続人の順位(第1順位:子、第2順位:直系尊属、第3順位:兄弟姉妹)の理解が必須。代襲原因(死亡、欠格、廃除)と代襲者の範囲を区別して理解する必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「子は代襲も再代襲もOK、兄弟姉妹は代襲のみで再代襲はNG」。血縁が近い子は手厚く保護、遠い兄弟姉妹は限定保護と覚える。
ビジュアル描写
家系図をイメージ。子の系統は縦に伸びる(再代襲あり)。兄弟姉妹の系統は1世代下までで止まる(再代襲なし)。血縁の深さを縦の長さで表現。
重要公式
子の代襲=再代襲あり/兄弟姉妹の代襲=再代襲なし/相続回復請求権=5年(主観)・20年(客観)
関連連想
「子は直系、兄弟姉妹は傍系」。直系は血が続くから再代襲OK、傍系は血が薄れるから再代襲NGと連想。
比較表
子の代襲:再代襲○(民法901条1項但書)/兄弟姉妹の代襲:再代襲×(民法901条2項)/代襲原因:死亡・欠格・廃除で共通
05試験テクニック
出題頻度
相続分野は毎年出題。代襲相続と再代襲の区別は2-3年に1回の頻度で出題される重要論点。
重要度
A:最重要。相続人の範囲確定は相続実務の基礎であり、不動産取引でも頻繁に遭遇する問題。
出題パターン
- 代襲相続の可否を問う問題
- 再代襲の可否を子と兄弟姉妹で比較する問題
- 相続回復請求権の時効期間を問う問題
解法・消去法
「相続人となることはない」という断定的表現に注目。再代襲が認められる場合にこの表現があれば誤りと判断できる。
時間戦略
相続人の順位と代襲関係を図示して確認。選択肢ごとに「子か兄弟姉妹か」を明確に区別すれば1分以内で解答可能。
06実務応用
実務シナリオ
不動産売買において、売主が相続登記を完了していない場合、真の相続人が誰かを確認する必要がある。代襲相続の有無により登記名義人が変わり、取引の安全性に影響する。
実務への影響
相続人の確定は登記申請の前提条件。代襲相続を見落とすと、後日に権利主張が生じ、取引が無効になるリスクがある。
ケーススタディ
被相続人Aに子BがいたがBが死亡、Bに子CがいたがCも死亡、Cに子Dが生存。Dは再代襲してAの相続人となる。この場合、Dが登記名義人となる。
業界関連性
不動産業界では相続登記の案件が多く、相続人の範囲確定は日常業務。代襲相続の知識は必須スキル。
ニュース連動
相続登記の義務化が話題に。正確な相続人の把握がより重要となり、代襲相続の理解の重要性が増している。
07よくある間違い
兄弟姉妹の代襲相続でも再代襲が認められると誤解する。
なぜ間違えるか:子の代襲と兄弟姉妹の代襲を同一視し、再代襲の可否の違いを見落とす。
正しい理解:「子=再代襲あり、兄弟姉妹=再代襲なし」とセットで暗記し、必ず相続人の種類を確認する。
相続回復請求権の時効期間を5年と10年、または20年と混同する。
なぜ間違えるか:一般の時効期間と相続回復請求権の特別の時効期間を混同する。
正しい理解:「主観的5年、客観的20年」と覚え、一般債権の時効(5年・10年)と区別する。
選択肢4を誤りと判断してしまう。
なぜ間違えるか:兄弟姉妹の孫が相続人とならないことを不自然に感じ、正しい記述を誤りと判断する。
正しい理解:法律の規定を素直に読む。血縁が遠い兄弟姉妹の相続では、再代襲まで認めると相続関係が複雑になりすぎるという立法趣旨を理解。
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