令和2年(2020)本試験
問216
法令上の制限都市計画法(開発許可)過去問
この問題の全体像
都市計画法における開発許可制度と市街化調整区域の規制に関する問題。特に都市計画事業の施行として行う行為の特例を理解しているかが問われている。都市計画事業は都市計画決定を経ているため、別途開発許可等は不要とされる点が重要である。
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
- 1開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為又は開発行為に関する工事により設置される公共施設を管理することとなる者と協議しなければならない。
- 2都市計画事業の施行として行う建築物の新築であっても、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、都道府県知事の許可を受けなければ、建築物の新築をすることができない。
- 3開発許可を受けた開発行為により公共施設が設置されたときは、その公共施設は、工事完了の公告の日の翌日において、原則としてその公共施設の存する市町村の管理に属するものとされている。
- 4開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権を取得した者は、都道府県知事の承認を受けて、当該開発許可を受けた者が有していた当該開発許可に基づく地位を承継することができる。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
都市計画法における開発許可制度と市街化調整区域の規制に関する問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
都市計画法における開発許可制度と市街化調整区域の規制に関する問題。特に都市計画事業の施行として行う行為の特例を理解しているかが問われ…
03
知識背景
都市計画法は都市の健全な発展と秩序ある整備を目的とする。市街化区域と市街化調整区域の区域区分制度、開発許可制度、都市計画事業制度が柱…
04
覚え方
「都市計画事業は特別扱い、許可不要でスイスイ進む」都市計画決定済み=お墨付き=許可不要と覚える。
05
試験のコツ
開発許可の要否を問う問題
・公共施設の帰属先と時期を問う問題
・地位承継の手続きを問う問題
06
実務での見え方
不動産開発業者が市街化調整区域内で分譲住宅を計画する場合、開発許可が必要。一方、自治体が主体の土地区画整理事業であれば都市計画事業と…
07
よくある間違い
{"mistake":"都市計画事業であっても市街化調整区域では許可が必要と誤解する","why_wrong":"市街化調整区域の規…
02深度分析
要約
都市計画法における開発許可制度と市街化調整区域の規制に関する問題。特に都市計画事業の施行として行う行為の特例を理解しているかが問われている。都市計画事業は都市計画決定を経ているため、別途開発許可等は不要とされる点が重要である。
法的根拠
都市計画法第29条都市計画法第32条都市計画法第37条都市計画法第39条都市計画法第59条
論理の流れ
まず市街化調整区域では原則として開発行為等が制限される(法29条)。しかし、都市計画事業の施行として行う行為は例外として許可不要とされる(法29条1項但書)。これは都市計画事業が既に都市計画決定を経ており、公共性が確保されているためである。選択肢2はこの例外規定を無視しており誤りと判断できる。
重要な区別
「都市計画事業の施行として行う行為」と「通常の開発行為」の区別。前者は都市計画決定済みのため追加の許可不要、後者は開発許可が必要。この例外規定の理解が正解の鍵となる。
各選択肢のポイント
- 法32条の規定通り。開発許可申請前の公共施設管理者との協議は義務付けられている。
- 都市計画事業の施行として行う行為は法29条1項但書により許可不要。誤りである。
- 法39条の規定通り。公共施設は公告翌日に市町村管理に帰属するのが原則。
- 法37条の規定通り。地位承継は知事の承認を受けることで可能となる。
03知識背景
テーマ概要
都市計画法は都市の健全な発展と秩序ある整備を目的とする。市街化区域と市街化調整区域の区域区分制度、開発許可制度、都市計画事業制度が柱。市街化調整区域では都市のスプロール化を防ぐため開発行為が厳格に制限されている。
歴史的背景
1968年制定。高度経済成長期の無秩序な都市化に対処するため導入。その後、2000年の改正で権限の地方移譲が進み、2006年改正では景観まちづくり制度が導入された。
関連法令
都市計画法第29条(開発行為等の許可)都市計画法第32条(公共施設の管理者との協議)都市計画法第37条(地位の承継)都市計画法第39条(公共施設の帰属)建築基準法第48条
体系的位置づけ
宅建試験の法令制限分野における重要論点。都市計画法は毎年数問出題され、開発許可制度と区域区分制度は頻出テーマ。特に例外規定の理解が試される傾向にある。
前提知識
市街化区域・市街化調整区域の意義と区域区分制度の目的、開発許可制度の概要、都市計画事業の意義、公共施設の管理帰属に関する原則を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「都市計画事業は特別扱い、許可不要でスイスイ進む」都市計画決定済み=お墨付き=許可不要と覚える。
ビジュアル描写
市街化調整区域を「壁」で囲まれた区域とイメージ。都市計画事業は「特別通行手形」を持っており、壁を通過できる。通常の開発行為は都道府県知事の「通行許可」が必要。
重要公式
都市計画事業=都市計画決定済み=追加許可不要、工事完了公告翌日=公共施設市町村管理、地位承継=知事承認必要
関連連想
「都市計画事業」は国や自治体が主体の公共事業。既に審査済みだから再審査(許可)は不要と連想する。
比較表
通常の開発行為:開発許可必要/都市計画事業:許可不要/市街化区域:原則自由/市街化調整区域:原則禁止(例外あり)
05試験テクニック
出題頻度
都市計画法は毎年出題。開発許可制度と市街化調整区域の規制は2年に1回程度の頻度で出題される重要論点。
重要度
A:最重要。都市計画法の核心部分であり、実務でも頻繁に関わる。例外規定を含めた正確な理解が求められる。
出題パターン
- 開発許可の要否を問う問題
- 公共施設の帰属先と時期を問う問題
- 地位承継の手続きを問う問題
解法・消去法
「都市計画事業」という言葉が出たら、許可不要の可能性を検討。逆に「開発許可」の語句がある選択肢は正しい記述の可能性が高い。
時間戦略
都市計画法の問題は条文知識があれば1問1分程度で解答可能。「都市計画事業」の語句を見たら「例外」を疑う癖をつける。
06実務応用
実務シナリオ
不動産開発業者が市街化調整区域内で分譲住宅を計画する場合、開発許可が必要。一方、自治体が主体の土地区画整理事業であれば都市計画事業として許可不要。この違いを理解することで適切な手続きが可能。
実務への影響
開発許可の要否を誤認すると、無許可開発として工事停止命令や罰則の対象となる。実務では事前の確認が極めて重要。
ケーススタディ
ある建設会社が市街化調整区域内で大規模開発を計画。開発許可申請前に公共施設管理者(市の道路課、下水道課)と協議。許可取得後、工事完了公告により道路が市に帰属。この一連の流れを理解する必要がある。
業界関連性
不動産業界では開発許可の取得が事業の可否を分ける。市街化調整区域の規制内容は土地評価や事業計画に直結する重要知識。
ニュース連動
近年の都市計画法改正では、立地適正化計画や被災市街地復興推進方針など新制度が追加。都市再生の文脈で注目されている。
07よくある間違い
都市計画事業であっても市街化調整区域では許可が必要と誤解する
なぜ間違えるか:市街化調整区域の規制強さを強調して学習するあまり、例外規定を見落とす
正しい理解:「都市計画事業」を見たら「許可不要の例外」と即座に反応する訓練をする
公共施設の帰属時期を工事完了日と誤解する
なぜ間違えるか:公告の重要性を理解せず、物理的な完了を基準と考えがち
正しい理解:「公告の翌日」という表現を正確に覚える。公告がないと帰属しない
地位承継に承認が不要と誤解する
なぜ間違えるか:所有権移転と混同し、権利は自動的に移転すると考える
正しい理解:開発許可は「地位」であり、承継には「承認」が必要と覚える
次に読む
関連ページ
さあ、はじめよう
この問を、アプリで記録する