平成2年(1990)本試験

2損害賠償額の予定は「契約時」に限らず「債務不履行後」も可能である点が最大のポイント。

債務不履行過去問

この問題の全体像

債務不履行に基づく損害賠償、特に金銭債務の特則と損害賠償額の予定に関する民法の規定を問う問題。正解は、損害賠償額の予定は契約と同時にしなければならないとする選択肢2。

平成2年2
債務不履行による損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
  • 1金銭債務の不履行については、債権者は、損害の証明をすることなく、損害賠償の請求をすることができる。
  • 2損害賠償額の予定は、契約と同時にしなければならない。
  • 3損害賠償額の予定は、金銭以外のものをもってすることができる。
  • 4損害賠償額の予定をした場合、債権者は、実際の損害額が予定額より大きいことを証明しても予定額を超えて請求することはできない。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
損害賠償額の予定は「契約時」に限らず「債務不履行後」も可能である点が最大のポイント。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
債務不履行に基づく損害賠償、特に金銭債務の特則と損害賠償額の予定に関する民法の規定を問う問題。正解は、損害賠償額の予定は契約と同時に…
03
知識背景
債務不履行による損害賠償は、債務者の責めに帰すべき事由による履行遅延等がある場合に認められる。金銭債務では不可抗力でも免責されず、賠…
04
覚え方
「金銭は証明不要、予定は後でもOK、金以外もOK、超過請求はNG」
05
試験のコツ
金銭債務の特則 ・損害賠償の範囲 ・賠償額の予定と違約金の関係
06
実務での見え方
売買契約で手付解除や違約金特約を結ぶ際、民法420条に基づき、金銭以外の代替物を違約金と定めることも可能。
07
よくある間違い
{"mistake":"損害賠償額の予定は契約と同時にしなければ無効だと考えてしまう。","why_wrong":"「予定」という言…
02深度分析
要約
債務不履行に基づく損害賠償、特に金銭債務の特則と損害賠償額の予定に関する民法の規定を問う問題。正解は、損害賠償額の予定は契約と同時にしなければならないとする選択肢2。
法的根拠
民法419条民法420条民法421条
論理の流れ
選択肢1は金銭債務の不履行に関する民法419条の規定通りで正しい。選択肢3と4は損害賠償額の予定に関する民法420条の規定通りで正しい。選択肢2は、損害賠償額の予定は契約と同時にしなければならないとしているが、民法420条は債務不履行後でも可能としており、誤りである。
重要な区別
損害賠償額の予定は「契約時」に限らず「債務不履行後」も可能である点が最大のポイント。
各選択肢のポイント
  • 民法419条2項により、金銭債務の不履行では損害の証明は不要。
  • 民法420条は、予定は契約時だけでなく不履行後も可能とする。
  • 民法420条2項により、賠償額の予定は金銭以外でもできる。
  • 民法420条2項により、予定額以上の請求は裁判所も認めない。
03知識背景
テーマ概要
債務不履行による損害賠償は、債務者の責めに帰すべき事由による履行遅延等がある場合に認められる。金銭債務では不可抗力でも免責されず、賠償額の予定は紛争防止のための重要な制度。
歴史的背景
民法制定当初からある規定だが、金銭債務の厳格責任や賠償額予定の実質的意義について、判例を通じて解釈が積み重ねられてきた。
関連法令
民法415条民法416条民法419条民法420条
体系的位置づけ
民法「債権」各論の中の「債務不履行」の章に位置し、不動産取引の契約解除や違約金に関する基礎となる重要分野。
前提知識
債務不履行の種類(履行遅延、履行不能)、帰責事由の概念、損害賠償の範囲(通常生ずべき損害と特別事情による損害)を理解している必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「金銭は証明不要、予定は後でもOK、金以外もOK、超過請求はNG」
ビジュアル描写
契約書に「違約金100万円」と書くイメージ。後で「実際は200万円の損害だ」と言っても100万円で確定する図。
重要公式
損害賠償額の予定 = 違約金 = 賠償額の推定(裁判所は増減できない)。
関連連想
「予定」という言葉から「予約」を連想させず、「事前確定」のイメージを持つ。
比較表
金銭債務:不可抗力でも免責されず、損害証明不要。特定物債権:不可抗力で免責、損害証明必要。
05試験テクニック
出題頻度
2-3年に1回、損害賠償の範囲や賠償額予定の論点で出題される。
重要度
A:最重要。契約トラブルの核心であり、宅建実務でも頻出。
出題パターン
  • 金銭債務の特則
  • 損害賠償の範囲
  • 賠償額の予定と違約金の関係
解法・消去法
「~しなければならない」という絶対的な表現は誤りである可能性が高いと疑う。
時間戦略
条文知識が明確な問題なので、迷わず即答し、他の応用問題に時間を残す。
06実務応用
実務シナリオ
売買契約で手付解除や違約金特約を結ぶ際、民法420条に基づき、金銭以外の代替物を違約金と定めることも可能。
実務への影響
紛争になった際の賠償額を事前に確定させ、証明の負担を軽減できるため、契約書作成の実務で不可欠。
ケーススタディ
買主がローン審査に落ちて契約解除となった場合、手付金の倍額を違約金とする特約があれば、売主は実際の損害がそれ以上でも倍額しか請求できない。
業界関連性
不動産売買契約書には必ず「違約金」条項があり、その法的性質理解は必須。
ニュース連動
住宅購入時の契約不適合責任や手付金に関するトラブルで、賠償額の予定が話題になることがある。
07よくある間違い
損害賠償額の予定は契約と同時にしなければ無効だと考えてしまう。
なぜ間違えるか:「予定」という言葉から事前のみと誤解しやすい。
金銭債務の不履行でも債権者は実際の損害額を証明する必要があると考える。
なぜ間違えるか:通常の債務不履行の原則(民法416条)をそのまま当てはめてしまう。
損害賠償額の予定をしても、実際の損害が大きければ増額できると考える。
なぜ間違えるか:公平性の観点から誤った正義感を持つ。
解説は、まだ続きます
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