平成4年(1992)本試験

44手付金、違約金、損害賠償額の予定の合計額が20%を超えるか否かと、買主の解除権を不当に制限していないかが判断の分岐点。

手付過去問

この問題の全体像

宅建業者が自ら売主となる場合の8つの制限(手付金額の上限、損害賠償額の予定等の上限、買主の契約解除に関する不当な制限)に関する理解を問う問題。価格の20%である3,400万円が基準となる。

平成4年44
宅地建物取引業者Aが自ら売主としてマンション(価格1億7,000万円)の売買契約を宅地建物取引業者でない買主Bと締結した場合の特約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものは、どれか。
  • 1手付は、1,500万円としたが、Bが一括しては払えないというので、500万円ずつ3回に分割して支払うこととした。
  • 2手付は、契約の成立を証するものとして30万円とし、Bの契約の解除については、この他に1,000万円を支払わなければ、することができないこととした。
  • 3手付は、解約手付として3,000万円とし、Aが契約の履行を完了するまでは、Bは、手付を放棄して契約の解除をすることができることとした。
  • 4AB双方の債務不履行による契約解除に関し、違約金については2,500万円とし、別に損害賠償額の予定として1,000万円とすることとした。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
手付金、違約金、損害賠償額の予定の合計額が20%を超えるか否かと、買主の解除権を不当に制限していないかが判断の分岐点。
この問題は、5 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業者が自ら売主となる場合の8つの制限(手付金額の上限、損害賠償額の予定等の上限、買主の契約解除に関する不当な制限)に関する理解を…
03
知識背景
宅建業者が自ら売主となる場合の特約の制限。買主を保護するため、手付金額、損害賠償額、解除権に対して厳しい規制が課されている。特に20…
04
覚え方
「手付2割、違約2割、合計も2割、解除は自由」
05
試験のコツ
20%の計算ミスを誘う問題 ・手付と内金の区別を問う問題 ・買主の解除権制限の有無を問う問題
06
実務での見え方
分譲マンションの販売契約書作成時。手付金をいくらに設定するか、キャンセル料をどうするかを決定する際に適用。
02深度分析
要約
宅建業者が自ら売主となる場合の8つの制限(手付金額の上限、損害賠償額の予定等の上限、買主の契約解除に関する不当な制限)に関する理解を問う問題。価格の20%である3,400万円が基準となる。
法的根拠
宅地建物取引業法第39条(手付の額等の制限)宅地建物取引業法第38条第1項(損害賠償の予定等の制限)宅地建物取引業法第37条第1項11号(契約解除に関する不当な制限の禁止)
論理の流れ
まず価格1億7,000万円の20%である3,400万円を上限として算出する。選択肢4は違約金と損害賠償の合計が3,500万円となり上限超過で違反。選択肢2は買主の解除権を不当に制限しており違反。選択肢1は手付の性質(契約成立の証明)から分割払いは認められない。選択肢3は3,000万円で上限内かつ解除権の制限もないため適法。
重要な区別
手付金、違約金、損害賠償額の予定の合計額が20%を超えるか否かと、買主の解除権を不当に制限していないかが判断の分岐点。
各選択肢のポイント
  • 手付は契約成立時にその証拠として交付される一括払いが原則であり、分割払いは手付の性質を欠くため違反。
  • 買主に1,000万円の支払を課して解除権を行使させることは、宅建業法37条1項11号の解除権制限禁止規定に違反。
  • 手付金3,000万円は価格の20%以内であり、売主が履行に着手するまで買主が手付放棄で解除できる特約は適法。
  • 違約金と損害賠償額の予定の合計は3,500万円となり、価格の20%(3,400万円)を超えるため違反。
03知識背景
テーマ概要
宅建業者が自ら売主となる場合の特約の制限。買主を保護するため、手付金額、損害賠償額、解除権に対して厳しい規制が課されている。特に20%ルールと解除権の制限禁止は頻出。
歴史的背景
消費者保護の観点から、事業者の優越的地位を利用した不当な契約条件を排除するために設けられた規制。宅建業法制定時からの核心的な規定。
関連法令
民法557条(手付)宅建業法37条(37条書面)宅建業法38条(損害賠償の予定)宅建業法39条(手付の額等の制限)
体系的位置づけ
「宅建業法」の「宅地建物取引業の業務」における「8つの制限」の分野。最重要論点の一つ。
前提知識
民法の手付(解約手付)の性質、および宅建業法による民法の特例(強行法規)についての理解が必要。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「手付2割、違約2割、合計も2割、解除は自由」
ビジュアル描写
価格を入れる「バケツ」に「手付」と「違約金」を入れていく。合計がバケツの20%のラインを超えるとこぼれる(違反)イメージ。
重要公式
価格 × 20 % = 上限額(手付、違約金、損害賠償の合計)
関連連想
「20(ニーゼロ)」で「二重(ニ重)」に制限される(手付と違約金)と連想する。
比較表
手付(契約証明・解約) vs 違約金(債務不履行の罰則)。手付は上限あり、違約金も上限あり。両方の合計も20%まで。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題。頻出論点の中でも最頻出レベル。
重要度
A:最重要。8つの制限は必ず出るため、完答が必要。
出題パターン
  • 20%の計算ミスを誘う問題
  • 手付と内金の区別を問う問題
  • 買主の解除権制限の有無を問う問題
解法・消去法
「買主は〜できない」「買主は〜支払わなければならない」という表現があれば、原則として警戒して消去候補にする。
時間戦略
まず20%を計算し、即座に上限超過の選択肢を消去。次に「買主に不利な特約」がないか確認。
06実務応用
実務シナリオ
分譲マンションの販売契約書作成時。手付金をいくらに設定するか、キャンセル料をどうするかを決定する際に適用。
実務への影響
高額な手付金を要求して契約を縛り付ける悪質な業者を排除し、消費者が安心して不動産購入できる環境を整備。
ケーススタディ
買主が都合でキャンセルする際、手付金を放棄すればそれ以上の違約金を請求されないため、リスクが限定される。
業界関連性
不動産取引における契約実務の基本ルールであり、業者が必ず遵守すべき事項。
ニュース連動
住宅購入トラブルにおける高額なキャンセル料の問題などで、この法律の重要性が語られることがある。
解説は、まだ続きます
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