平成5年(1993)本試験
問39出題不備により、単一正解として採点しない問題です。
自己の所有に属しない物件の売買契約締結の制限過去問
この問題の全体像
この問題は、宅建業法41条の「重複契約の禁止」に関する出題です。予約、停止条件付契約、引渡前の契約など、様々な段階の契約が「契約」に該当するかを問うていますが、出題の不備により正解が複数存在する特異な問題です。
出題の不備により、正解が2つあります。
- 1AB間の契約が売買の予約である場合、Aは、予約完結権を行使するまでの間は、宅地建物取引業者でないCと、売買契約を締結してはならない。
- 2AB間の売買契約において、開発許可を受けることを停止条件とする特約がある場合、Aは、その条件が成就するまでの間は、宅地建物取引業者であるCと、売買契約を締結してはならない。
- 3AB間の売買契約が締結されても、土地の引渡しがすむまでの間は、Aは、宅地建物取引業者でないCと、売買契約を締結してはならない。
- 4AB間の売買契約において、その効力の発生がBの代替地取得を条件とする場合、Aは、その条件が成就するまでの間は、宅地建物取引業者でないCと、売買契約を締結してはならない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
出題不備により、単一正解として採点しない問題です。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
この問題は、宅建業法41条の「重複契約の禁止」に関する出題です。予約、停止条件付契約、引渡前の契約など、様々な段階の契約が「契約」に…
03
知識背景
宅建業法41条は、宅建業者が同一物件について複数の相手方と契約することを禁止しています。これは、不当な利益を得る目的で物件を転売した…
04
覚え方
「予約も条件も、全部ダメ、重複契約は絶対NG」
05
試験のコツ
「予約」や「手付金の授受」のみの場合に契約とみなされるか
・「契約の解除」があった場合の取り扱い
・相手方が宅建業者か否かによる違い
06
実務での見え方
実務でこの知識がどう活用されるか具体例(例: 開発中の物件を販売する際、開発許可を条件として契約を締結した後、別の購入者から高いオフ…
07
よくある間違い
{"mistake":"「予約」はまだ本契約ではないから、重複契約の禁止には当たらないと誤解する。","why_wrong":"民法…
02深度分析
要約
この問題は、宅建業法41条の「重複契約の禁止」に関する出題です。予約、停止条件付契約、引渡前の契約など、様々な段階の契約が「契約」に該当するかを問うていますが、出題の不備により正解が複数存在する特異な問題です。
法的根拠
宅地建物取引業法第41条(重複契約の禁止)民法第556条(予約)民法第127条(条件の成就)
論理の流れ
宅建業者AがBと契約している場合、Aは同一物件についてCと契約することは禁止されます。ここでいう「契約」には、売買予約や停止条件付売買契約も含まれます。したがって、選択肢1(予約)、2(開発許可条件)、3(引渡前)、4(代替地取得条件)のすべての場合において、AはCと契約してはならないという記述は法的に正しいです。全ての選択肢が正しい記述であるため、単一の正解を選ぶことができず、正解は0(問題不備)となります。
重要な区別
「売買の予約」や「停止条件付契約」が、重複契約禁止規制の対象となる「契約」に含まれるか否かという点が最も重要です。
各選択肢のポイント
- 売買の予約も契約の一種であるため、重複契約の禁止規制が適用され、Cと契約することはできません。
- 停止条件が付いていても契約は成立しているため、条件成就前であってもCと契約することはできません。
- 売買契約が締結されている以上、引渡しの有無にかかわらず、Cと契約することはできません。
- 効力発生の条件が付いている契約も契約であるため、条件成就前であってもCと契約することはできません。
03知識背景
テーマ概要
宅建業法41条は、宅建業者が同一物件について複数の相手方と契約することを禁止しています。これは、不当な利益を得る目的で物件を転売したり、消費者に不測の損害を与えたりすることを防ぐための規制です。
歴史的背景
宅建業法の制定当初から存在する規制であり、不動産取引の公正と買主の保護を図るために設けられました。過去には「手付金等の保全措置」との関連で議論されることもありました。
関連法令
宅地建物取引業法第41条宅地建物取引業法第47条(業務上の禁止事項)民法第556条
体系的位置づけ
宅建試験の「宅建業法」分野における「業務上の規制」の章に位置づけられ、業者の倫理義務や禁止行為の中でも重要な位置を占めます。
前提知識
この問題を理解するためには、民法における「契約の成立」の概念(予約や条件付き契約も契約であること)や、宅建業法における「宅建業者」の定義を正しく把握している必要があります。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「予約も条件も、全部ダメ、重複契約は絶対NG」
ビジュアル描写
宅建業者が両手に別々の契約書を持って二股かけをしているイメージ。どちらの手の契約書も「予約」や「条件付き」であっても、持っているだけでアウト。
重要公式
契約A + 契約B = 違反(ただし解除・合意・承諾あり)
関連連想
「二股(重複)」は許されないという社会通念と結びつけて記憶する。
比較表
予約:本契約の締結を約束する契約。停止条件付契約:条件成就で効力発生する契約。どちらも「契約」であり重複禁止の対象。
05試験テクニック
出題頻度
この論点の出題頻度(例: 2-3年に1回)
重要度
A:最重要。基本事項だが、引っかけ問題が出やすい。
出題パターン
- 「予約」や「手付金の授受」のみの場合に契約とみなされるか
- 「契約の解除」があった場合の取り扱い
- 相手方が宅建業者か否かによる違い
解法・消去法
「予約だからまだ大丈夫」「条件が付いているから大丈夫」という甘い考えを選択肢にしている誤り文を見抜く。
時間戦略
「契約」の定義を広く捉え、例外(解除・承諾)がないか素早く確認する。30秒以内で判断。
06実務応用
実務シナリオ
実務でこの知識がどう活用されるか具体例(例: 開発中の物件を販売する際、開発許可を条件として契約を締結した後、別の購入者から高いオファーが来ても、先の契約を無視して売却できないことを知っている)
実務への影響
この法律・制度が実務に与える影響(例: 契約管理の徹底と、顧客からの信頼確保に直結する。違反すると業務停止処分のリスクがある)
ケーススタディ
具体的な事例やケース(例: 売主である宅建業者が、買主Bと売買の予約をした後、買主Cとの間で本契約を締結した事例。業者は法41条違反となり、損害賠償責任を負う)
業界関連性
不動産業界での重要性(例: 業者としての倫理観を保つための基本中の基本)
ニュース連動
最近のニュースや社会的な話題との関連(例: 住宅販売トラブルにおける二重売りのニュースなどで語られることがある)
07よくある間違い
「予約」はまだ本契約ではないから、重複契約の禁止には当たらないと誤解する。
なぜ間違えるか:民法上、予約も一種の契約であり、宅建業法41条の保護法益を考えると、予約段階でも制限を受けるのが妥当だから。
正しい理解:「予約=契約」とセットで覚える。
「停止条件」が成就していないから、まだ契約ではないと誤解する。
なぜ間違えるか:条件が成就していないだけで、契約自体は成立しており、当事者を拘束する力があるから。
正しい理解:「条件付き=契約成立」と理解する。
相手方が宅建業者でない場合だけ規制されると勘違いする。
なぜ間違えるか:宅建業法41条は、相手方が業者か否かを問わず、宅建業者側の行為を規制しているから。
正しい理解:規制の主体は「宅建業者」であることを意識する。
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