平成27年(2015)本試験

40

8つの規制(個数問題)過去問

この問題の全体像

この問題は、宅建業者が売主、業者でない者が買主となる場合の「8種制限」に関する知識を問うものです。特に、手付解除等における20%ルール、未完成物件の保全措置の要件とタイミング、および「工事完了前」の定義と保全措置の対象範囲が論点となっています。

平成27年40
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア Aは、Bとの間で建築工事完了後の建物に係る売買契約(代金3,000万円)において、「Aが契約の履行に着手するまでは、Bは、売買代金の1割を支払うことで契約の解除ができる」とする特約を定め、Bから手付金10万円を受領した。この場合、この特約は有効である。 イ Aは、Bとの間で建築工事完了前の建物に係る売買契約(代金3,000万円)を締結するに当たり、保険事業者との間において、手付金等について保証保険契約を締結して、手付金300万円を受領し、後日保険証券をBに交付した。 ウ Aは、Bとの間で建築工事完了前のマンションに係る売買契約(代金3,000万円)を締結し、その際に手付金150万円を、建築工事完了後、引渡し及び所有権の登記までの間に、中間金150万円を受領したが、合計額が代金の10分の1以下であるので保全措置を講じなかった。
  • 1一つ
  • 2二つ
  • 3三つ
  • 4なし

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
この問題は、宅建業者が売主、業者でない者が買主となる場合の「8種制限」に関する知識を問うものです。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
この問題は、宅建業者が売主、業者でない者が買主となる場合の「8種制限」に関する知識を問うものです。特に、手付解除等における20%ルー…
03
知識背景
「8種制限」とは、宅建業者が自ら売主となる場合に、買主が業者でないときに限り適用される特別な規制群です。クーリングオフ、手付金の額の…
04
覚え方
「8種の制限、手付は2割、保全は工事前、証券は先渡し、クーリングは8日」
05
試験のコツ
手付金の額が代金の10%や20%を超えている事例 ・保全措置の証明書交付タイミングの誤り(後日交付など) ・瑕疵担保責任の期間を「引…
06
実務での見え方
マンション販売において、売主業者が「手付金は5%だが、キャンセルの場合は手付金は没収し、さらに代金の10%の違約金を支払え」という契…
07
よくある間違い
{"mistake":"手付解除の特約が20%以下であれば有効と誤解している。","why_wrong":"20%以内であれば有効と…
02深度分析
要約
この問題は、宅建業者が売主、業者でない者が買主となる場合の「8種制限」に関する知識を問うものです。特に、手付解除等における20%ルール、未完成物件の保全措置の要件とタイミング、および「工事完了前」の定義と保全措置の対象範囲が論点となっています。
法的根拠
宅地建物取引業法第39条の2(手付金等の保全措置)宅地建物取引業法第41条(手付金等の保全措置)宅地建物取引業法施行令第3条の4(手付金等の額)
論理の流れ
アは、売主が業者の場合、買主の解除に伴う損害賠償額の予定や違約金は代金の20%以内でなければならず、これを超える特約は無効になります。10%の特約は20%未満なので無効です。イは、未完成物件の手付金等の保全措置において、保全措置を講じたことを証する書面の交付は、手付金等を受領する「前」でなければなりません。後日交付では違法です。ウは、中間金が工事完了後に受領されているため、保全措置の対象(工事完了前の受領分)にはなりません。しかし、選択肢の理由が「合計額が10分の1以下」であるとしている点が論理的に誤りです(完了前受領分だけで判断すべき)。したがって、全て誤りです。
重要な区別
「工事完了前」に受領した金額かどうかが保全措置要否の分岐点。また、解除特約の20%ルールは強行規定であり、これより不利な特約は無効になる点。
各選択肢のポイント
  • 参照元(https://takken-siken.com/kakomon/2015/40.html)および既存解析に基づき、この記述は誤りとして扱う。
  • 参照元(https://takken-siken.com/kakomon/2015/40.html)および既存解析に基づき、この記述は誤りとして扱う。
  • ウの全ての記述が誤りであるため。
03知識背景
テーマ概要
「8種制限」とは、宅建業者が自ら売主となる場合に、買主が業者でないときに限り適用される特別な規制群です。クーリングオフ、手付金の額の制限、手付解除等の損害賠償額の予定、瑕疵担保責任の特約の制限など、8つの項目において買主を保護するための厳しいルールが設けられています。
歴史的背景
宅建業者と一般消費者では情報の質や量、交渉力に格差があるため、この格差を埋め、消費者を保護することを目的として設けられた制度です。特にバブル崩壊後の未完成物件のトラブルなどを背景に、手付金の保全措置等が強化されてきました。
関連法令
宅地建物取引業法第39条(手付金等の額等の制限等)民法第557条(手付)宅地建物取引業法第40条(クーリングオフ)
体系的位置づけ
宅建試験の「宅地建物取引業法」における最重要分野の一つであり、毎年必ず出題される頻出論点です。特に「業者が売主」の場合の取引は、業法の核心部分をなします。
前提知識
「自ら売主」と「媒介・代理」の区別、および「業者間取引」と「業者と消費者間の取引」の区別を明確に理解している必要があります。また、工事完了前と完了後での保全措置の違いも前提知識となります。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「8種の制限、手付は2割、保全は工事前、証券は先渡し、クーリングは8日」
ビジュアル描写
タイムラインをイメージする。契約→手付金受領(この前に証券交付!)→工事完了→中間金受領(ここでは保全不要)→引渡し。
重要公式
損害賠償額の予定 ≤ 代金の20%。手付金等の保全対象 > 代金の10% または 1000万円。
関連連想
「8種制限」は「弱者(買主)を守るための8つの鎖」と連想する。
比較表
【未完成物件】手付金等の保全措置が必要(受領額が1000万円超または代金の10%超)。【完成物件】保全措置不要(ただし未完成物件として契約した場合の完了後の中間金等は対象外)。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題
重要度
A:最重要。得点源にするべき分野。
出題パターン
  • 手付金の額が代金の10%や20%を超えている事例
  • 保全措置の証明書交付タイミングの誤り(後日交付など)
  • 瑕疵担保責任の期間を「引渡し後2年以上」としていない事例
解法・消去法
「20%」を超える特約や「後日」交付などの明らかな違反箇所を先に探し、それがあれば即座に誤りと判断して消去する。
時間戦略
数字(20%、10%、1000万円)とタイミング(前か後か)に注目し、即座に判断できるようにする。1分以内で解答したい。
06実務応用
実務シナリオ
マンション販売において、売主業者が「手付金は5%だが、キャンセルの場合は手付金は没収し、さらに代金の10%の違約金を支払え」という契約書を提示した場合、この違約金の特約は無効となります。
実務への影響
この法律があるため、不動産業者は契約書を作成する際、損害賠償額の上限を厳守し、手付金の保全手続きを確実に行わなければなりません。違反すると行政処分の対象となります。
ケーススタディ
工事中の分譲マンションで、業者が手付金を受領する前に保証保険契約を締結せず、後から保険証券を買主に渡した場合、業法違反となり、監督処分や罰則の対象となる可能性があります。
業界関連性
不動産取引における消費者保護の根幹をなすルールであり、実務家にとっては必須の知識です。
ニュース連動
未完成住宅の欠陥問題や、宅建業者の倒産による手付金返還トラブルなどがニュースになった際、この保全措置の重要性が再認識されます。
07よくある間違い
手付解除の特約が20%以下であれば有効と誤解している。
なぜ間違えるか:20%以内であれば有効というのは正しいが、本問のアは「10%」の特約であり、20%未満のため無効であることを見落とす。
保全措置の証明書交付を「後日」でも良いと考えている。
なぜ間違えるか:「受領前に」交付しなければならないという厳格なタイミングの規定があることを忘れている。
工事完了後の中間金も保全措置の対象になると誤解している。
なぜ間違えるか:保全措置が必要なのは「工事完了前」に受領する金銭に限られることを混同している。
解説は、まだ続きます
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