平成27年(2015)本試験
問36
8つの規制(個数問題)過去問
この問題の全体像
この問題は、宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限(手付金額、損害賠償額の制限、手付金等の保全措置)に関する理解を問うものです。代金2,400万円の売買において、各制限の適用可否を正確に判断する必要があります。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で建物(代金2,400万円)の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア Aは、Bとの間における建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を480万円とし、かつ、違約金の額を240万円とする特約を定めた。この場合、当該特約は全体として無効となる。
イ Aは、Bとの間における建物の売買契約の締結の際、原則として480万円を超える手付金を受領することができない。ただし、あらかじめBの承諾を得た場合に限り、720万円を限度として、480万円を超える手付金を受領することができる。
ウ AがBとの間で締結する売買契約の目的物たる建物が未完成であり、AからBに所有権の移転登記がなされていない場合において、手付金の額が120万円以下であるときは、Aは手付金の保全措置を講じることなく手付金を受領することができる。
- 1一つ
- 2二つ
- 3三つ
- 4なし
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
この問題は、宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限(手付金額、損害賠償額の制限、手付金等の保全措置)に関する理解を問うものです。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
この問題は、宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限(手付金額、損害賠償額の制限、手付金等の保全措置)に関する理解を問うものです。代金…
03
知識背景
宅建業者が自ら売主として、宅建業者でない買主と売買契約を締結する際に適用される「8種の制限」は、買主を保護するための重要な規定群です…
04
覚え方
「損害違約合計20%、手付も20%、保全は完成10%未完成5%」。リズムで覚えるのが効果的です。
05
試験のコツ
20%を超える設定での「全体無効」か「超過無効」かの判別
・保全措置の要否判定(完成・未完成、金額基準の組み合わせ)
06
実務での見え方
不動産売買契約書作成時、手付金や違約金条項を定める際、宅建業法の制限内に収まるよう調整する実務に直結します。
07
よくある間違い
{"mistake":"損害賠償と違約金の合計が20%を超えた場合、契約全体が無効になると誤解する。","why_wrong":"「…
02深度分析
要約
この問題は、宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限(手付金額、損害賠償額の制限、手付金等の保全措置)に関する理解を問うものです。代金2,400万円の売買において、各制限の適用可否を正確に判断する必要があります。
法的根拠
宅地建物取引業法第38条第1項(損害賠償の予定等の制限)宅地建物取引業法第39条第1項(手付金等の額の制限)宅地建物取引業法第41条第1項及び第2項(手付金等の保全措置)
論理の流れ
まずアについて、損害賠償額と違約金の合計が代金の20%(480万円)を超えているか確認します。合計720万円は超過していますが、超過部分のみ無効であるため「全体として無効」とする記述は誤りです。次にイについて、手付金は20%までと規定されており、相手方の承諾があっても上限を超えられないため誤りです。最後にウについて、未完成物件で手付金が代金の5%(120万円)以下の場合は保全措置不要であり、記述は正しいです。よって正解は1つです。
重要な区別
損害賠償と違約金の合計額が20%を超えた場合の効力(超過部分のみ無効)と、手付金受領における相手方承諾の有無(上限変更不可)の区別が重要です。
各選択肢のポイント
- アは誤り(超過分のみ無効)、。
- イは誤り(承諾でも20%超不可)、。
- ウのみ正しい。
03知識背景
テーマ概要
宅建業者が自ら売主として、宅建業者でない買主と売買契約を締結する際に適用される「8種の制限」は、買主を保護するための重要な規定群です。特に手付金額の上限、損害賠償額の上限、手付金等の保全措置は頻出であり、数値計算と例外処理を正確に理解する必要があります。
歴史的背景
8種制限は、宅建業者の優越的地位を利用した不当な契約締結から消費者を守るために設けられました。特に手付金の流用防止や高額な違約金による買主の拘束を防ぐ目的で、年々その運用や解釈が厳格化されています。
関連法令
宅地建物取引業法第38条宅地建物取引業法第39条宅地建物取引業法第41条民法第557条
体系的位置づけ
宅建業法における「業務上の規制」の中核をなす分野であり、特に「自ら売主となる場合」の特則として、独占禁止法の観点も含めて出題されます。
前提知識
この問題を解くには、「8種制限」の具体的な内容(手付金、損害賠償、手付金等の保全、クーリングオフ等)と、それらが適用される「宅建業者でない買主」との取引であることの確認が必要です。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「損害違約合計20%、手付も20%、保全は完成10%未完成5%」。リズムで覚えるのが効果的です。
ビジュアル描写
代金額を100%の円グラフでイメージし、手付金や損害賠償がその20%を占めるピースとして視覚化します。超過分を切り捨てるイメージを持つと良いです。
重要公式
20%=2割=0.2。5%=0.05。超過分のみ無効。
関連連想
「承諾してもダメ」=手付金の20%ルールは絶対。「超えた分だけカット」=損害賠償のルール。
比較表
完成物件:保全措置は10%超または1000万円超。未完成物件:保全措置は5%超または1000万円超。未完成物件の方が手付金保全の基準が厳しい。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題。8種制限は宅建試験の最重要分野の一つです。
重要度
A:最重要。得点源であり、かつ実務でも基礎となるため。
出題パターン
- 20%を超える設定での「全体無効」か「超過無効」かの判別
- 保全措置の要否判定(完成・未完成、金額基準の組み合わせ)
解法・消去法
「承諾を得た場合」という文言があれば、手付金の20%ルール違反の可能性が高いため警戒する。「全体として無効」という強い表現も疑う。
時間戦略
計算問題だが単純な割合算出のため、即答可能。1分以内で解き、他の難問に時間を回すのが得策です。
06実務応用
実務シナリオ
不動産売買契約書作成時、手付金や違約金条項を定める際、宅建業法の制限内に収まるよう調整する実務に直結します。
実務への影響
違法な手付金を受領すると業務停止処分の対象となるため、契約書チェックは必須業務です。
ケーススタディ
売主が手付金を500万円受け取りたい場合、代金が2500万円必要(500万は20%)。代金が2000万円なら400万円までしか受け取れません。
業界関連性
契約書の雛形作成や、顧客への説明資料作成において不可欠な知識です。
ニュース連動
住宅販売トラブルにおける手付金返還請求訴訟などで、この制限が争点となります。
07よくある間違い
損害賠償と違約金の合計が20%を超えた場合、契約全体が無効になると誤解する。
なぜ間違えるか:「無効」という強い言葉に引っ張られ、超過部分のみ無効という例外ルールを見落とすため。
正しい理解:「超過分のみ無効」というフレーズをセットで覚える。
買主の承諾があれば手付金の20%制限を超えられると考える。
なぜ間違えるか:民法の原則(当事者自治)を宅建業法の強行法規に当てはめてしまうため。
正しい理解:「承諾」という言葉が出たら「罠」と疑うクセをつける。
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