令和元年(2019)本試験
問23
税・その他所得税過去問
この問題の全体像
居住用財産を10年超所有して譲渡した場合の譲渡所得課税に関する特例の組み合わせと適用制限を問う問題。軽減税率特例の適用制限期間、3,000万円特別控除の対象者制限、各特例の併用可否が論点。
個人が令和XX年中に令和XX年1月1日において所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合のその譲渡に係る譲渡所得の課税に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1その譲渡について収用交換等の場合の譲渡所得等の5,000万円特別控除の適用を受ける場合であっても、その特別控除後の譲渡益について、居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることができる。
- 2居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例は、その個人が前々年において既にその特例の適用を受けている場合であっても、令和XX年中の譲渡による譲渡益について適用を受けることができる。
- 3居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除は、その個人がその個人と生計を一にしていない孫に譲渡した場合には、適用を受けることができない。
- 4その譲渡について収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の適用を受ける場合には、その譲渡があったものとされる部分の譲渡益について、居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることができない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
居住用財産を10年超所有して譲渡した場合の譲渡所得課税に関する特例の組み合わせと適用制限を問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
居住用財産を10年超所有して譲渡した場合の譲渡所得課税に関する特例の組み合わせと適用制限を問う問題。軽減税率特例の適用制限期間、3,…
03
知識背景
居住用財産の譲渡所得には、3,000万円特別控除、軽減税率特例、買換え特例などの優遇措置がある。所有期間10年超の場合、軽減税率(1…
04
覚え方
軽減税率は「2年おき」に適用可。3,000万控除は「親族ダメ」。併用は「控除×繰延」がNG。「軽減2年、控除親族、繰延排他」で覚える…
05
試験のコツ
特例の適用制限期間を問う問題
・特例の併用可否を問う問題
・親族間譲渡の制限を問う問題
06
実務での見え方
不動産仲介実務で、顧客が居住用財産を売却する際、過去2年以内に特例適用の有無を確認し、今回の譲渡でどの特例が適用可能かをアドバイスす…
07
よくある間違い
{"mistake":"軽減税率特例の適用制限期間を「前年のみ」と誤解し、前々年の適用を考慮しない。","why_wrong":"適…
02深度分析
要約
居住用財産を10年超所有して譲渡した場合の譲渡所得課税に関する特例の組み合わせと適用制限を問う問題。軽減税率特例の適用制限期間、3,000万円特別控除の対象者制限、各特例の併用可否が論点。
法的根拠
所得税法第33条所得税法第64条租税特別措置法第31条の3租税特別措置法第34条の2租税特別措置法第33条
論理の流れ
まず各特例の適用要件と制限事項を整理する。軽減税率特例は前々年・前年に適用済みの場合は不可という2年間の適用制限がある。3,000万円特別控除は配偶者・直系血族への譲渡には適用不可。各特例の併用関係を確認し、選択肢2が適用制限に反することを特定する。
重要な区別
軽減税率特例には「前々年・前年に適用済みなら不可」という2年間の適用制限がある点。3,000万円特別控除の親族間譲渡制限との違いを区別することが重要。
各選択肢のポイント
- 収用交換等の5,000万円特別控除と軽減税率特例は併用可能。特別控除後の譲渡益に軽減税率を適用できる。
- 軽減税率特例は前々年・前年に適用済みの場合は適用不可。2年間の適用制限があるため誤り。
- 3,000万円特別控除は配偶者・直系血族への譲渡には適用不可。孫は直系血族に含まれるため正しい。
- 代替資産取得の繰延課税特例と軽減税率特例は併用不可。譲渡がなかったものとされる部分には軽減税率を適用できない。
03知識背景
テーマ概要
居住用財産の譲渡所得には、3,000万円特別控除、軽減税率特例、買換え特例などの優遇措置がある。所有期間10年超の場合、軽減税率(14.21%または10.21%)が適用可能。各特例には適用要件と併用制限がある。
歴史的背景
居住用財産の譲渡優遇制度は、住宅流通の促進と居住者の住み替え支援を目的に設けられた。軽減税率特例は平成元年に創設され、その後適用期限の延長や税率改正が行われている。
関連法令
租税特別措置法第31条の3租税特別措置法第34条の2租税特別措置法第33条租税特別措置法第35条所得税法第33条
体系的位置づけ
所得税法の譲渡所得課税の中で、居住用財産の特例は頻出論点。宅建試験では毎年のように出題される重要分野の一つ。
前提知識
譲渡所得の基本構造(収入金額-取得費-譲渡費用=譲渡益)、所有期間の計算方法(譲渡年の1月1日現在)、長期譲渡所得の税率(20.315%)、各特例の適用要件と併用関係を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
軽減税率は「2年おき」に適用可。3,000万控除は「親族ダメ」。併用は「控除×繰延」がNG。「軽減2年、控除親族、繰延排他」で覚える。
ビジュアル描写
タイムラインで前々年・前年・本年を描き、前々年に軽減税率適用済みなら本年は×印。3,000万控除は親族に×印。併用可否は○×で表す図をイメージ。
重要公式
所有期間10年超+居住用=軽減税率可(14.21%・10.21%)。適用制限:前々年・前年に適用済みなら不可。
関連連想
「軽減税率は2年に1回」と覚える。3,000万控除は「家族に譲渡すると適用外」で連想。
比較表
3,000万特別控除:親族間譲渡不可、軽減税率:前々年・前年適用済みなら不可、買換特例:他特例と併用不可、収用5,000万:軽減税率と併用可
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題される頻出論点。居住用財産の特例は所得税分野の中で最も重要なテーマの一つ。
重要度
A:最重要。譲渡所得は宅建試験の得点源とすべき分野。各特例の適用要件と制限を確実に理解する必要がある。
出題パターン
- 特例の適用制限期間を問う問題
- 特例の併用可否を問う問題
- 親族間譲渡の制限を問う問題
解法・消去法
「前々年・前年」の適用制限がある特例を探す。親族間譲渡の制限は3,000万控除のみ。併用不可の組み合わせを確認し消去法で解答。
時間戦略
特例の適用要件は暗記事項。瞬時に判断できるよう整理しておく。2分以内で解答を目指す。迷ったら適用制限の有無を確認。
06実務応用
実務シナリオ
不動産仲介実務で、顧客が居住用財産を売却する際、過去2年以内に特例適用の有無を確認し、今回の譲渡でどの特例が適用可能かをアドバイスする場面で活用される。
実務への影響
適用可能な特例を見逃すと顧客に多額の税負担を強いることになる。逆に適用不可の特例を案内すると修正申告等のトラブルに発展する。
ケーススタディ
顧客Aが3年前に自宅を売却し軽減税率を適用。今回別の居住用財産を売却する場合、軽減税率の適用が可能か判断する。前々年・前年に適用していないため適用可。
業界関連性
不動産業界では税制特例の知識が顧客サービスの質に直結。宅建士には税務知識の提供が求められる場面が多い。
ニュース連動
住宅ローン減税の改正や譲渡所得税率の見直しなど、住宅税制は頻繁に話題になる。最新制度の把握が重要。
07よくある間違い
軽減税率特例の適用制限期間を「前年のみ」と誤解し、前々年の適用を考慮しない。
なぜ間違えるか:適用制限は「前々年および前年」の2年間。前々年のみを確認し前年を忘れる、またはその逆のパターンがある。
正しい理解:「前々年・前年」をセットで確認する習慣をつける。カレンダーで2年分を遡ってチェックするイメージを持つ。
3,000万円特別控除と軽減税率特例の適用制限を混同する。
なぜ間違えるか:両特例とも居住用財産の優遇措置だが、制限内容が異なる。親族間譲渡制限は3,000万控除のみに適用。
正しい理解:「3,000万=親族ダメ、軽減=2年制限」と切り口を分けて覚える。特例ごとに制限内容を整理する。
収用等の特例と軽減税率の併用可否を誤る。
なぜ間違えるか:収用交換等の5,000万控除は軽減税率と併用可だが、代替資産取得の繰延課税は併用不可。この違いを混同する。
正しい理解:「控除は併用可、繰延は併用不可」と整理する。特例の性質(控除か繰延か)で判断する。
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