宅建コーチ
税・その他ほぼ毎年過去 37 年で 24 回出題

所得税

所得税は、個人の所得に対して課される国税です。宅建試験では主に不動産の譲渡所得が問われます。譲渡所得は、資産を売却したことによって生じる利益に対する課税です。所有期間が5年以下か5年超かで短期譲渡所得と長期譲渡所得に分かれ、税率が異なります。また、居住用財産の譲渡には3000万円特別控除や軽減税率などの特例があり、これらが頻出ポイントです。

所得税法第33条(譲渡所得の定義)所得税法第59条(譲渡所得の金額の計算)所得税法第61条(長期譲渡所得の課税の特例)

重要度: 重要

要点
所得税は、個人の所得に対して課される国税です。宅建試験では主に不動産の譲渡所得が問われます。譲渡所得は、資産を売却したことによって生じる利益に対する課税です。所有期間が5年以下か5年超かで短期譲渡所得と長期譲渡所得に分かれ、税率が異なります。また、居住用財産の譲渡には3000万円特別控除や軽減税率などの特例があり、これらが頻出ポイントです。
体系における位置づけ
税・その他科目は、所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税、地価税法(廃止済)、印紙税など多岐にわたる税金知識と、住宅金融支援機構、土地区画整理法等で構成されます。宅建業法や法令制限に比べると配点は低いものの、毎年数問は確実に出題される分野です。中でも所得税は譲渡所得を中心に出題頻度が高いです。
ルールの詳細
譲渡所得の金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額で計算されます。取得費が不明の場合は譲渡価額の5%とみなすことができます。 ・短期譲渡所得は所有期間5年以下の資産の譲渡で、税率は39.63%(所得税30.63%+住民税9%)が原則です。分離課税となります。 ・長期譲渡所得は所有期間5年超の資産の譲渡で、税率は20.315%(所得税15.315%+住民税5%)が原則です。こちらも分離課税です。 ・居住用財産の3000万円特別控除は、居住用家屋や敷地の譲渡で、最高3000万円まで譲渡益から控除できる制度です。適用要件が厳格に定められています。 ・軽減税率の特例は、10年超所有の居住用財産の譲渡で、6000万円以下の部分は14.21%の軽減税率が適用されます。 ・住宅ローン控除は、住宅借入金等の年末残高の1%を所得税から控除する制度で、最大13年間適用されます。
例外
相続や贈与により取得した資産は、被相続人や贈与者の所有期間を通算して計算します。これを所有期間の引継ぎといいます。 ・収用等による譲渡には、代替資産の取得等があった場合の譲渡所得の特例があり、譲渡益の課税を繰り延べることができます。 ・居住用財産の買換え特例は、特定の居住用財産を売却し、新たな居住用財産を取得した場合に譲渡益の課税を繰り延べる制度です。
比較・対照
短期と長期の区別は所有期間5年が境界。譲渡所得は分離課税が原則。特例の適用には厳格な要件があり、併用制限にも注意が必要。
記憶テクニック
「短期5年39%、長期5年超20%」-短期は5年以下で約40%、長期は5年超で約20%と覚える ・「3000万特別控除、居住用なら適用」-居住用財産の譲渡なら3000万円控除と覚える ・「10年軽減14%、6000万以下部分」-10年超所有なら14%の軽減税率、対象は6000万円以下と覚える
事例で確認

所得税」はこう問われる

Aさんは10年前に3000万円で購入した居住用マンションを4000万円で売却した。取得費は購入時の金額そのままで、譲渡費用は200万円かかった。この場合の譲渡所得税はいくらか。 Aさんの譲渡所得の金額と税額はどうなるか?
結論:譲渡所得税は0円。3000万円特別控除の適用で課税されない。
まず所有期間が10年なので長期譲渡所得となる。譲渡所得=4000万円-3000万円-200万円=800万円。居住用財産なので3000万円特別控除の適用で譲渡益は0円となる。また、10年超所有なので軽減税率の特例の適用も検討されるが、特別控除で課税所得が0円となるため税額は0円。
押さえる:居住用財産の譲渡では特別控除の適用を最初に検討する。譲渡益が3000万円以下なら税金は発生しない。
Bさんは3年前に相続した実家(被相続人の所有期間15年)を5000万円で売却した。相続時の相続税評価額は3000万円で、譲渡費用は300万円かかった。 Bさんの譲渡所得の所有期間と税額計算はどうなるか?
結論:長期譲渡所得として課税。税額は約345万円。
相続により取得した資産の所有期間は被相続人の所有期間を通算するため、15年+3年=18年となり長期譲渡所得となる。取得費は相続税評価額3000万円を使用(相続税の取得費加算の特例は条件により検討)。譲渡所得=5000万円-3000万円-300万円=1700万円。長期譲渡所得の税率20.315%を適用。
押さえる:相続資産の譲渡では所有期間の引継ぎが重要。被相続人の所有期間も含めて計算する。
試験での狙われ方

出題傾向と対策

出題頻度ほぼ毎年
出題実績過去 37 年で 24 回・24 年分・最新 2024 年
重要度B:重要。配点的には重要だが、詳細まで学習すると時間がかかりすぎるため、頻出ポイントを押さえる戦略が必要。
解き方のコツ基本用語(短期・長期の区分、特別控除の額、軽減税率の要件)を確実に覚える。複雑な計算問題は捨てる勇気も必要。過去問で出題パターンに慣れることが重要。
よく問われるパターン
  • 短期譲渡所得と長期譲渡所得の区別(所有期間5年の境界)を問う問題
  • 3000万円特別控除や軽減税率の適用要件を問う問題
  • 住宅ローン控除の計算や適用要件を問う問題
  • 取得費の計算(みなし取得費5%)を問う問題
  • 相続資産の所有期間の通算を問う問題
関連過去問

この論点が問われた本試験

本試験 37 年分から、「所得税」に関連する過去問をピックアップしました。

理解度チェック

この論点を、確かめる

解説の理解を確認する自己テスト。詳しい解説はアプリで。

Q1【2024年 問23】住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(以下この問において「住宅ローン控除」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答: 正解:2 本年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、その前年において居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算の適用を受けているときであっても、本年分以後の所得税について住宅ローン控除の適用を受ける... 【解説】解説 したがって正しい記述は[2]です。
Q2【2021年 問223】所得税法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
解答: 正解:1 譲渡所得の特別控除額(50万円)は、譲渡益のうち、まず、資産の取得の日以後5年以内にされた譲渡による所得で政令で定めるものに該当しないものに係る部分の金額から控除し、なお控除しきれない特別控除額がある... 【解説】解説 したがって正しい記述は[1]です。
よくある質問

所得税について

宅建の「所得税」とは何ですか?
所得税は、個人の所得に対して課される国税です。宅建試験では主に不動産の譲渡所得が問われます。譲渡所得は、資産を売却したことによって生じる利益に対する課税です。所有期間が5年以下か5年超かで短期譲渡所得と長期譲渡所得に分かれ、税率が異なります。また、居住用財産の譲渡には3000万円特別控除や軽減税率などの特例があり、これらが頻出ポイントです。
「所得税」は宅建でよく出ますか?
本試験では過去 37 年間で 24 回、24 年分で出題されています。出題傾向は「ほぼ毎年」です。
譲渡所得において、所有期間が5年以下の場合は長期譲渡所得として扱われる。
×。所有期間5年以下は短期譲渡所得、5年超が長期譲渡所得である。5年は境界線であり、5年ちょうどは短期に含まれる。
居住用財産を譲渡した場合、必ず3000万円特別控除が適用される。
×。適用には要件がある。例えば、売手が親子夫婦などの特殊関係者である場合や、居住していない期間がある場合などは適用されないことがある。
長期譲渡所得の税率は約20%である。
○。正確には20.315%(所得税15.315%+住民税5%)である。短期譲渡所得の約40%と比較して優遇されている。
「所得税」の覚え方は?
「短期5年39%、長期5年超20%」-短期は5年以下で約40%、長期は5年超で約20%と覚える ・「3000万特別控除、居住用なら適用」-居住用財産の譲渡なら3000万円控除と覚える ・「10年軽減14%、6000万以下部分」-10年超所有なら14%の軽減税率、対象は6000万円以下と覚える
さあ、はじめよう
所得税を、アプリで演習する
無料で体験を始める →