平成18年(2006)本試験
問26
税・その他所得税過去問
この問題の全体像
住宅ローン控除と居住用財産の譲渡所得に関する課税特例(3000万円特別控除等)との併用可否を問う問題。特に、譲渡益の特例を受けた場合にはローン控除を受けられないという排他性が論点。
住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(以下この問において「住宅ローン控除」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1本年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、その前年において居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算の適用を受けているときであっても、本年分以後の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることができる。
- 2本年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、その前年において居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の適用を受けているときであっても、本年分以後の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることができる。
- 3本年中に居住用家屋の敷地の用に供するための土地を取得し、居住用家屋を建築した場合において、同年中に居住の用に供しなかったときは、本年分の所得税から住宅ローン控除の適用を受けることができない。
- 4本年中に居住用家屋を居住の用に供した場合において、住宅ローン控除の適用を受けようとする者のその年分の合計所得金額が2,000万円を超えるときは、その超える年分の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることはできない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
住宅ローン控除と居住用財産の譲渡所得に関する課税特例(3000万円特別控除等)との併用可否を問う問題。
この問題は、5 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
住宅ローン控除と居住用財産の譲渡所得に関する課税特例(3000万円特別控除等)との併用可否を問う問題。特に、譲渡益の特例を受けた場合…
03
知識背景
住宅ローン控除は、住宅取得促進のための所得税額控除制度。居住用財産の売買に関連する各種特例(譲渡損失の繰越控除等)との関係が複雑であ…
04
覚え方
「3000万はローン控除の敵、損失通算は友達」
05
試験のコツ
併用の可否(3000万円控除 vs ローン控除)
・所得制限(2000万円)
・居住用財産の定義と居住時期
06
実務での見え方
顧客がマイホームを買い替える際、売却益が出た場合と損失が出た場合で、税務アドバイスが大きく変わる。売却益が出た場合、ローン控除を受け…
02深度分析
要約
住宅ローン控除と居住用財産の譲渡所得に関する課税特例(3000万円特別控除等)との併用可否を問う問題。特に、譲渡益の特例を受けた場合にはローン控除を受けられないという排他性が論点。
法的根拠
所得税法第41条所得税法第33条所得税法第31条租税特別措置法第41条
論理の流れ
住宅ローン控除は、居住用財産の譲渡所得の3000万円特別控除の適用を受けた年分及びその前年分以後においては適用できないという排他規定がある。選択肢2は、前年に3000万円特別控除を受けても本年分以降ローン控除が受けられるとしているため誤り。一方、選択肢1の譲渡損失の損益通算とは併用可能である。
重要な区別
「譲渡損失の損益通算」と「3000万円特別控除」の住宅ローン控除との関係性の違い。損失は併用可、特別控除は併用不可。
各選択肢のポイント
- 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算と住宅ローン控除は、重複して適用が認められているため正しい。
- 3000万円特別控除の適用を受けた年及びその前年分以後は、住宅ローン控除の適用を受けることができないため誤り。
- 住宅ローン控除は居住の用に供した年から適用されるため、同年中に居住しなければその年分の適用は不可であるため正しい。
- その年分の合計所得金額が2000万円を超える場合、住宅ローン控除を受けることはできないため正しい。
03知識背景
テーマ概要
住宅ローン控除は、住宅取得促進のための所得税額控除制度。居住用財産の売買に関連する各種特例(譲渡損失の繰越控除等)との関係が複雑であり、併用の可否が重要な論点となる。
歴史的背景
住宅取得促進を目的に創設され、その後の景気対策等により控除率や期間、適用要件が度々改正されている。特例間の調整は税制改正のたびに見直される。
関連法令
所得税法租税特別措置法相続税法
体系的位置づけ
宅建士試験の「宅建業法」以外の法令制限科目、特に税法分野における頻出論点。実務的な税務知識を問う重要な位置づけ。
前提知識
所得税の仕組み、譲渡所得の計算方法、居住用財産の譲渡に関する3000万円特別控除や譲渡損失の繰越控除などの基本的な内容を理解している必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「3000万はローン控除の敵、損失通算は友達」
ビジュアル描写
売却で「儲かった」人(3000万控除)は優遇済みだからローン控除なし。「損した」人(損失通算)は救済してあげるイメージ。
重要公式
合計所得金額 < 2000万円
関連連想
売却益が出た時の特例を使ったら、買った時の特例は使えない(ダブル優遇禁止)と連想する。
比較表
3000万円特別控除(併用不可) vs 譲渡損失の損益通算(併用可)。売却で利益が出た時の特例はローン控除と競合し、損失が出た時の特例は共存可能。
05試験テクニック
出題頻度
2-3年に1回程度、税法分野で出題される重要論点。
重要度
A:最重要。実務でも頻出の知識であり、引っかけ問題が作りやすい。
出題パターン
- 併用の可否(3000万円控除 vs ローン控除)
- 所得制限(2000万円)
- 居住用財産の定義と居住時期
解法・消去法
基本的な要件(居住時期、所得制限)を正しいものとして消去し、残った併用関係の知識で正誤を判断する。
時間戦略
細かい数字よりも「併用できるかできないか」の判断基準を素早く確認し、迷った場合は「ダブル優遇は禁止」という原則で判断する。
06実務応用
実務シナリオ
顧客がマイホームを買い替える際、売却益が出た場合と損失が出た場合で、税務アドバイスが大きく変わる。売却益が出た場合、ローン控除を受けられない旨を事前に説明する必要がある。
実務への影響
適切な特例の選択ミスは、顧客に数百万円の税負担増をもたらすリスクがあるため、不動産取引において極めて重要な影響を持つ。
ケーススタディ
前年に3000万円特別控除を適用して売却した顧客が、今年新居を購入した場合、ローン控除を申告できないことを説明し、税務シミュレーションを行う事例。
業界関連性
不動産仲介業務において、顧客の資金計画と税金対策を提案する上で不可欠な知識。
ニュース連動
住宅ローン減税の延長や拡充に関するニュースと合わせて、併用規制の緩和などが話題になることがある。
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