令和2年(2020)本試験
問145
住宅瑕疵担保履行法過去問
この問題の全体像
宅建業者が自ら売主として新築住宅を販売する際の住宅瑕疵担保責任履行法に基づく資力確保措置に関する問題。保険契約の締結主体、供託戸数の算定方法、保険金受取人、転売時の対応について正確な理解を問う。
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律によれば、正しいものはどれか。
- 1Aが、住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、当該住宅の床面積が100㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、2戸をもって1戸と数えることになる。
- 2Aは、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、Bが住宅の引渡しを受けた時から10年以内に当該住宅を転売したときは、当該住宅瑕疵担保責任保険法人にその旨を申し出て、当該保険契約の解除をしなければならない。
- 3Aは、住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、当該住宅を引き渡した時から10年間、当該住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分、給水設備又はガス設備の隠れた瑕疵によって生じた損害について保険金の支払を受けることができる。
- 4住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅を引き渡したAが住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する必要があり、Bが保険料を支払うものではない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
宅建業者が自ら売主として新築住宅を販売する際の住宅瑕疵担保責任履行法に基づく資力確保措置に関する問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業者が自ら売主として新築住宅を販売する際の住宅瑕疵担保責任履行法に基づく資力確保措置に関する問題。保険契約の締結主体、供託戸数の…
03
知識背景
住宅瑕疵担保責任履行法は、新築住宅の瑕疵担保責任の履行を確保するため、売主となる宅建業者に対して資力確保措置を義務付ける法律。具体的…
04
覚え方
「売主が払う保険料、買主が受け取る保険金」で契約者と受取人の区別を記憶。10年間の責任期間は「構造・雨漏り・給排水・ガス」の4本柱で…
05
試験のコツ
保険契約の締結主体と保険料負担者
・保険金受取人の確認
・供託戸数の算定方法
・瑕疵担保責任の対象範囲と期間
06
実務での見え方
宅建業者が新築分譲住宅を販売する際、必ず保険加入または供託を行う。買主から瑕疵の申出があった場合、保険金で修補費用を賄う。実務では保…
07
よくある間違い
{"mistake":"保険金の受取人を売主と誤解し、選択肢3を正解と判断してしまう。","why_wrong":"保険契約を締結す…
02深度分析
要約
宅建業者が自ら売主として新築住宅を販売する際の住宅瑕疵担保責任履行法に基づく資力確保措置に関する問題。保険契約の締結主体、供託戸数の算定方法、保険金受取人、転売時の対応について正確な理解を問う。
法的根拠
住宅瑕疵担保責任履行法第3条住宅瑕疵担保責任履行法第5条住宅瑕疵担保責任履行法第6条住宅瑕疵担保責任履行法第7条宅建業法第41条
論理の流れ
まず、住宅瑕疵担保責任履行法の目的は買主保護のため売主の資力確保にある。選択肢1は戸数算定の特例条件を確認。選択肢2は転売時の保険契約の扱いを検証。選択肢3は保険金受取人の主体性を判断。選択肢4は保険契約の締結主体と保険料負担者を確認。各選択肢を法的根拠に照らして検討し、正解を導く。
重要な区別
最も重要な区別は、保険契約の当事者と保険金受取人の違い。売主が保険料を負担し契約を締結するが、保険金を受領するのは買主である点。また、戸数算定の特例は供託の場合に限らず、保険加入状況等も関係する。
各選択肢のポイント
- 床面積100㎡以下の住宅を2戸で1戸と数えるのは、供託義務の免除を受けるための戸数計算ではなく、供託額の軽減計算に関する規定である。
- 買主が住宅を転売した場合でも、保険契約を解除しなければならないという規定は存在しない。保険契約は継続し、瑕疵担保責任の期間中は有効である。
- 保険金の支払を受けることができるのは売主Aではなく、買主Bである。この保険は買主を保護するために売主が締結するものである。
- 住宅販売瑕疵担保責任保険契約は売主である宅建業者Aが締結し、保険料もAが負担する。買主Bは保険料を支払う必要がない。
03知識背景
テーマ概要
住宅瑕疵担保責任履行法は、新築住宅の瑕疵担保責任の履行を確保するため、売主となる宅建業者に対して資力確保措置を義務付ける法律。具体的には、住宅販売瑕疵担保責任保険への加入または保証金の供託を義務付け、買主の保護を図る。
歴史的背景
2007年に制定され、2008年から施行。それ以前は瑕疵担保責任を履行する資力がない売主により買主が被害を受ける事例が多発したことが背景。構造耐力上主要な部分等について10年間の瑕疵担保責任を履行する資力の確保を義務化。
関連法令
住宅瑕疵担保責任履行法宅建業法第41条民法第570条品確法第94条建築基準法
体系的位置づけ
宅建試験の業法分野において、宅建業者の義務・責任に関する重要論点。宅建業法と連動して出題され、資力確保の具体的手段として位置づけられる。
前提知識
瑕疵担保責任の基本概念(民法第570条)、品確法による10年間の瑕疵担保責任、宅建業者の供託制度、保険契約の基本構造、新築住宅の定義等を理解している必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「売主が払う保険料、買主が受け取る保険金」で契約者と受取人の区別を記憶。10年間の責任期間は「構造・雨漏り・給排水・ガス」の4本柱で覚える。
ビジュアル描写
売主→保険料→保険法人→保険金→買主という流れを図式化。売主と買主の間に保険法人が入り、責任履行を保証する構造をイメージ。
重要公式
資力確保=保険加入OR供託、保険料負担=売主、保険金受取=買主、責任期間=10年、対象=構造・雨漏り・給排水・ガス設備
関連連想
「売主の責任を保険でカバー」→売主が費用負担して買主を守る仕組みと連想。
比較表
保険加入:売主が契約・保険料負担、買主が保険金受取/供託:売主が供託、買主が還付請求/共通:10年間の瑕疵担保責任を担保
05試験テクニック
出題頻度
2-3年に1回出題される重要論点。宅建業法との融合問題としても出題される。
重要度
B:重要。買主保護の核心的制度であり、実務でも頻繁に活用されるため確実に理解が必要。
出題パターン
- 保険契約の締結主体と保険料負担者
- 保険金受取人の確認
- 供託戸数の算定方法
- 瑕疵担保責任の対象範囲と期間
解法・消去法
保険金受取人が売主となっている選択肢は即座に誤りと判断。買主保護が目的であることを念頭に消去法を適用。
時間戦略
保険契約の基本構造を理解していれば1分以内で解答可能。選択肢3のような受取人勘違いに注意。
06実務応用
実務シナリオ
宅建業者が新築分譲住宅を販売する際、必ず保険加入または供託を行う。買主から瑕疵の申出があった場合、保険金で修補費用を賄う。実務では保険加入が一般的。
実務への影響
宅建業者の倒産時でも買主が保険金を受け取れるため、消費者保護が強化される。業者は保険料を販売価格に織り込む必要がある。
ケーススタディ
新築戸建てを購入した買主が3年後に雨漏りを発見。売主業者が倒産していたが、保険金により修繕費用を確保できた事例。保険加入の重要性を実証。
業界関連性
不動産業界において、新築住宅販売時の必須コストとして定着。保険料の負担は販売価格に影響し、業界の信頼性向上に寄与。
ニュース連動
近年の住宅トラブル増加に伴い、瑕疵担保責任の重要性が社会的に認識。中古住宅への瑕疵担保保険の拡充等も議論されている。
07よくある間違い
保険金の受取人を売主と誤解し、選択肢3を正解と判断してしまう。
なぜ間違えるか:保険契約を締結するのが売主であるため、受取人も売主と勘違いしやすい。契約当事者と保険金受取人の区別が曖昧。
正しい理解:「売主負担・買主受益」の原則を暗記し、保険契約の当事者と受取人を明確に区別する習慣をつける。
床面積100㎡以下の戸数算定特例の適用場面を誤解する。
なぜ間違えるか:戸数算定の特例がどの場面で適用されるかを正確に理解していない。供託額計算と供託義務判定を混同。
正しい理解:戸数算定の特例が「供託額の軽減」に関するものであることを確認し、適用場面を整理して記憶する。
転売時の保険契約の扱いについて存在しない義務を想定してしまう。
なぜ間違えるか:転売時に何らかの手続きが必要だと推測し、解除義務があると誤認。法的根拠のない推測に基づく判断。
正しい理解:「規定がないことは義務ではない」ことを意識し、根拠条文を確認する習慣を持つ。
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