令和3年(2021)本試験
問127
8つの規制過去問
この問題の全体像
宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限に関する問題。手付金等の保全措置、手付金の額の制限、損害賠償額の予定の制限について理解を問う。特に未完成建物の手付金保全と買主の支払拒否権が正解のポイント。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間で建物の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 1AB間で建物の売買契約を締結する場合において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額についての特約を、代金の額の10分の2を超えて定めた場合、当該特約は全体として無効となる。
- 2AB間で建築工事完了前の建物の売買契約を締結する場合において、AがBから保全措置が必要となる額の手付金を受領する場合、Aは、事前に、国土交通大臣が指定する指定保管機関と手付金等寄託契約を締結し、かつ、当該契約を証する書面を買主に交付した後でなければ、Bからその手付金を受領することができない。
- 3AB間で建物の売買契約を締結する場合において、Aは、あらかじめBの承諾を書面で得た場合に限り、売買代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができる。
- 4AB間で建築工事完了前の建物の売買契約を締結する場合において、売買代金の10分の2の額を手付金として定めた場合、Aが手付金の保全措置を講じていないときは、Bは手付金の支払を拒否することができる。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限に関する問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限に関する問題。手付金等の保全措置、手付金の額の制限、損害賠償額の予定の制限について理解を問う。…
03
知識背景
宅建業者が自ら売主として宅建業者以外と取引する場合の8種制限は、買主保護のための核心的制度。手付金等の保全措置、手付金の額の制限、損…
04
覚え方
「損害賠償は20分の1、手付金も20分の1、保全は5%超」で覚える。「二割(20分の1)は損も手付も同じ、五分(5%)は保全の境界線…
05
試験のコツ
保全措置の要否判定(完成・未完成、金額基準)
・保全措置の方法と選択肢
・違反時の効果(無効範囲、支払拒否権)
06
実務での見え方
新築分譲マンションの販売現場で、購入者から手付金を受領する際、建物が未完成であれば5%を超える手付金について保全措置を講じる必要があ…
07
よくある間違い
{"mistake":"損害賠償額の制限違反の特約は「全体無効」と誤解する。","why_wrong":"民法の公序良俗違反等と混同…
02深度分析
要約
宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限に関する問題。手付金等の保全措置、手付金の額の制限、損害賠償額の予定の制限について理解を問う。特に未完成建物の手付金保全と買主の支払拒否権が正解のポイント。
法的根拠
宅建業法第38条(損害賠償額の予定の制限)宅建業法第39条(手付金等の額の制限)宅建業法第41条(手付金等の保全措置)宅建業法第41条の2(手付金等の保全措置の特例)
論理の流れ
まず問題が8種制限の問題であることを確認。選択肢1は損害賠償の制限は20分の1で、超過部分のみ無効。選択肢2は保全措置には銀行保証等も認められる。選択肢3は書面承諾の要件はない。選択肢4は未完成建物で代金の5%超の手付金は保全が必要で、未保全なら買主は支払拒否可能と判断。
重要な区別
最も重要な区別は、損害賠償の制限が「20分の1」であること、手付金の制限も「20分の1」だが承諾あれば超過可能、保全措置が必要となるのは未完成建物で「5%超」である点。
各選択肢のポイント
- 損害賠償額の制限は代金の20分の1。超過しても「超える部分のみ無効」で全体無効ではない。
- 保全措置は指定保管機関への寄託だけでなく、銀行保証や保険も認められる。方法を限定している点が誤り。
- 買主の承諾があれば20分の1を超える手付を受領可能だが、「書面で」の要件はない。口頭の承諾でも有効。
- 未完成建物で代金の5%超(10分の2は5%超に該当)の手付金は保全措置が必要。未保全なら買主は支払拒否可能。
03知識背景
テーマ概要
宅建業者が自ら売主として宅建業者以外と取引する場合の8種制限は、買主保護のための核心的制度。手付金等の保全措置、手付金の額の制限、損害賠償額の予定の制限、自己の所有に属しない物件の売買制限等が含まれる。
歴史的背景
8種制限は昭和27年の宅建業法制定時から存在。手付金保全制度は昭和57年に創設され、その後、平成16年改正で保全対象が拡大。買主保護の強化が図られてきた。
関連法令
宅建業法第37条(契約書面の交付)宅建業法第38条(損害賠償額の予定の制限)宅建業法第39条(手付金等の額の制限)宅建業法第41条(手付金等の保全措置)
体系的位置づけ
宅建業法の「業務規制」の中核をなす8種制限は、宅建試験で最重要論点の一つ。毎年必ず出題され、保全措置関連は頻出。
前提知識
8種制限全体の理解、手付金等の定義、完成物件と未完成物件の区別、保全措置の3つの方法(銀行保証、保険、寄託)、5%と1,000万円の2つの基準の理解が必要。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「損害賠償は20分の1、手付金も20分の1、保全は5%超」で覚える。「二割(20分の1)は損も手付も同じ、五分(5%)は保全の境界線」
ビジュアル描写
未完成建物→5%超で保全必要→保全なし→買主の支払拒否権発動、という流れを図式化。完成物件は10%超で保全必要と対比。
重要公式
損害賠償=代金×1/20、手付金上限=代金×1/20(承諾なし)、保全基準=代金×5%(未完成)or代金×10%(完成)
関連連想
「未完成は危険」→5%で保全、「完成は安心」→10%で保全、とリスクに応じた基準と連想。
比較表
損害賠償制限:20分の1、超過部分無効/手付金制限:20分の1、承諾あれば可/保全措置:未完成5%超、完成10%超で必要
05試験テクニック
出題頻度
8種制限は毎年出題。保全措置関連は特に頻出で、2年に1回程度の高頻度。
重要度
A:最重要。宅建業法の中核的制度であり、実務でも日常的に活用される知識。
出題パターン
- 保全措置の要否判定(完成・未完成、金額基準)
- 保全措置の方法と選択肢
- 違反時の効果(無効範囲、支払拒否権)
解法・消去法
「全体として無効」「書面で」「方法を限定」等の過度な要件は誤りと疑う。法律は買主保護が目的で、過度な形式要件は置かない。
時間戦略
8種制限の問題は知識があれば1分以内で解答可能。数字と基準を即座に想起できるよう反復練習を。
06実務応用
実務シナリオ
新築分譲マンションの販売現場で、購入者から手付金を受領する際、建物が未完成であれば5%を超える手付金について保全措置を講じる必要がある。銀行保証や保険契約を活用し、証明書を買主に交付する実務。
実務への影響
手付金保全制度により、売主業者の倒産時でも買主の金銭が保護される。不動産取引の信用性を支える重要な制度。
ケーススタディ
未完成物件で代金3,000万円、手付金200万円(約6.7%)の場合、5%超のため保全措置が必要。売主が保全措置を講じない場合、買主は手付金の支払を拒否できる。保全後は銀行等が保証。
業界関連性
不動産業者にとって保全措置は義務であり、違反は業務停止等の行政処分対象。実務上、銀行保証が最も一般的。
ニュース連動
不動産業者の倒産や契約不履行のニュースで、保全措置の有無が買主の被害額に直結。制度の重要性が浮き彫りになる。
07よくある間違い
損害賠償額の制限違反の特約は「全体無効」と誤解する。
なぜ間違えるか:民法の公序良俗違反等と混同し、制限違反の効果を誤解している。
正しい理解:「超過部分のみ無効」を原則と覚え、全体無効とする条文があれば特別に記憶。
手付金の承諾による超過受領に「書面」要件があると誤解する。
なぜ間違えるか:他の制度(37条書面等)の書面要件と混同している。
正しい理解:「承諾=書面」と即断せず、条文の要件を確認する習慣を持つ。
保全措置の方法を「指定保管機関への寄託」のみと誤解する。
なぜ間違えるか:寄託が最も制度的に強調されているため、他の方法を見落としている。
正しい理解:保全措置の3方法を「銀行・保険・寄託」のセットで暗記する。
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