令和3年(2021)本試験
問242
8つの規制過去問
この問題の全体像
宅建業者が自ら売主として非業者買主と売買契約(3,200万円)を締結する際の8種制限に関する問題。割賦販売の登記時期、手付金等保全措置の要否、損害賠償予定額の制限について正確な条文知識を問う。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではないBを買主とする土地付建物の売買契約(代金3,200万円)を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 1割賦販売の契約を締結し、当該土地付建物を引き渡した場合、Aは、Bから800万円の賦払金の支払を受けるまでに、当該土地付建物に係る所有権の移転登記をしなければならない。
- 2当該土地付建物の工事の完了前に契約を締結した場合、Aは、宅地建物取引業法第41条に定める手付金等の保全措置を講じなくても手付金100万円、中間金60万円を受領することができる。
- 3当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を400万円とし、かつ、違約金の額を240万円とする特約を定めた場合、当該特約は無効となる。
- 4当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を定めていない場合、債務の不履行による損害賠償の請求額は売買代金の額の10分の2を超えてはならない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
宅建業者が自ら売主として非業者買主と売買契約(3,200万円)を締結する際の8種制限に関する問題。
この問題は、5 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業者が自ら売主として非業者買主と売買契約(3,200万円)を締結する際の8種制限に関する問題。割賦販売の登記時期、手付金等保全措…
03
知識背景
宅建業法8種制限は、宅建業者が自ら売主として非業者買主と取引する際の特別規制。手付金等保全、損害賠償予定制限、割賦販売規制等、買主保…
04
覚え方
「ゴ(5)マン円以下は保全不要、ニ(2)割超は損害賠償無効」。5%と20%を数字の語呂で記憶。手付金保全は「5%以下」、損害賠償は「…
05
試験のコツ
手付金等保全措置の要否判定(5%基準)
・損害賠償予定と違約金の合算制限(20%基準)
・割賦販売の登記義務(20%基準)
・各制限…
06
実務での見え方
実務では、新築分譲マンション販売時に手付金を受領する際、代金の5%を超えるかどうかを確認し、超える場合は銀行保証等の保全措置を講じる…
02深度分析
要約
宅建業者が自ら売主として非業者買主と売買契約(3,200万円)を締結する際の8種制限に関する問題。割賦販売の登記時期、手付金等保全措置の要否、損害賠償予定額の制限について正確な条文知識を問う。
法的根拠
宅建業法第47条(割賦販売の制限)宅建業法第41条(手付金等の保全措置)宅建業法第38条(損害賠償額の予定等の制限)民法第549条(割賦販売)
論理の流れ
選択肢2が正解。代金3,200万円の5%は160万円。手付金100万円と中間金60万円の合計160万円は5%以下のため、宅建業法41条の保全措置は不要。他選択肢は条文の要件を誤解している。選択肢1は割賦販売で「代金の20%を超えるまで」登記が必要だが、800万円は20%(640万円)を超えており時期が異なる。選択肢3は損害賠償予定400万円と違約金240万円の合計640万円は代金の20%と等しく無効ではない。選択肢4は損害賠償予定なき場合、実損害額を請求でき20%制限はない。
重要な区別
最も重要な区別は「代金の5%以下」と「代金の5%を超える」の境界線。手付金等の合計額が代金の5%以下なら保全措置不要、5%超なら必要。また損害賠償予定と違約金は合算して20%超で無効。
各選択肢のポイント
- 割賦販売では賦払金が代金の20%(640万円)を超えるまで登記が必要。800万円受領時点では既に20%超過しており、登記時期の記述が不正確。
- 手付金100万円+中間金60万円=160万円は代金3,200万円の5%(160万円)以下。宅建業法41条但書により保全措置不要で受領可能。
- 損害賠償予定400万円+違約金240万円=640万円は代金3,200万円の20%と等しい。条文は「20%を超える」場合に無効であり、20%丁度なら有効。
- 損害賠償予定を定めない場合、実損害額を立証して請求可能。20%制限は損害賠償の「予定」をした場合のみ適用され、実損害請求には制限なし。
03知識背景
テーマ概要
宅建業法8種制限は、宅建業者が自ら売主として非業者買主と取引する際の特別規制。手付金等保全、損害賠償予定制限、割賦販売規制等、買主保護のため業者に厳しい義務を課す。代金の5%・20%が重要な基準値。
歴史的背景
8種制限は昭和27年の宅建業法制定時から存在。買主保護の観点から逐次改正され、特に手付金等保全措置は昭和57年に追加。割賦販売規制は消費者信用取引の拡大に対応。
関連法令
宅建業法第36条(手付の放棄等)宅建業法第37条(契約の解除等)宅建業法第38条(損害賠償額の予定等の制限)宅建業法第41条(手付金等の保全措置)宅建業法第47条(割賦販売の制限)
体系的位置づけ
宅建業法の核心的分野の一つ。業法規制の中で最も出題頻度が高く、毎年何らかの形で出題される最重要論点。資格試験全体でも高得点源。
前提知識
8種制限の全体像、各制限の適用要件(売主が業者・買主が非業者)、代金の5%・20%の各基準値の意味、保全措置の種類と内容、損害賠償予定と違約金の関係を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「ゴ(5)マン円以下は保全不要、ニ(2)割超は損害賠償無効」。5%と20%を数字の語呂で記憶。手付金保全は「5%以下」、損害賠償は「20%超」で無効。
ビジュアル描写
代金を円グラフでイメージ。5%の扇形(保全の境界線)と20%の扇形(損害賠償の境界線)を描く。手付金等は5%ライン、損害賠償は20%ラインで色分け。
重要公式
保全措置:手付金等合計 ≦ 代金×5% → 不要/損害賠償:予定額+違約金 ≦ 代金×20% → 有効/割賦登記:賦払金 ≦ 代金×20% → 不要
関連連想
「5%保全」は「ゴホン(咳)」で連想、「20%損害」は「ニッ割」で「肉(ニク)」を連想して「損害で肉を切られる」イメージで記憶。
比較表
手付金等保全:代金5%以下→不要、5%超→必要/損害賠償予定:代金20%以下→有効、20%超→無効/割賦販売登記:賦払金20%以下→不要、20%超→必要。3つとも20%が基準だが意味が異なる。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題される最重要論点。8種制限から毎年1-2問は確実に出題され、他の問題でも関連知識が問われる。
重要度
A:最重要。宅建試験の核心的分野で、ここを確実に得点できなければ合格は困難。条文の正確な理解と数字の暗記が必須。
出題パターン
- 手付金等保全措置の要否判定(5%基準)
- 損害賠償予定と違約金の合算制限(20%基準)
- 割賦販売の登記義務(20%基準)
- 各制限の適用除外ケース
解法・消去法
「無効となる」「制限される」等の断定的表現に注意。条文は「超える場合」無効なので「以下」や「等しい」場合は有効。この境界線で消去法を活用。
時間戦略
8種制限問題は即答できるよう準備。数字(5%、20%)と適用要件を瞬時に判断。問題文の代金額から5%・20%を素早く計算し、選択肢の数字と照合。
06実務応用
実務シナリオ
実務では、新築分譲マンション販売時に手付金を受領する際、代金の5%を超えるかどうかを確認し、超える場合は銀行保証等の保全措置を講じる必要がある。また、損害賠償予定条項を作成する際は20%制限を遵守する。
実務への影響
この規制により、買主は手付金を保全され、過大な損害賠償請求から保護される。業者は契約書作成時にこれら制限を遵守しないと行政処分や契約無効のリスクを負う。
ケーススタディ
例:3,000万円の新築住宅を販売。手付金150万円(5%)を受領する場合、保全措置は不要。しかし中間金50万円も受領すると合計200万円となり5%(150万円)を超えるため、保全措置が必要となる。
業界関連性
不動産業界では日常的に適用される規制。契約書ひな形の作成、販売システムの構築、社員教育において必須知識。違反は重大な行政処分の対象。
ニュース連動
近年の不動産価格上昇に伴い、手付金額も増加傾向。保全措置の重要性が高まっている。また、消費者保護の観点から規制強化の議論も続いている。
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