令和3年(2021)本試験

145

住宅瑕疵担保履行法過去問

この問題の全体像

宅建業者が自ら売主として新築住宅を販売する際の住宅瑕疵担保責任履行法上の義務に関する問題。供託又は保険契約締結の強制性、届出義務違反の効果、保険金額の要件、保険金請求の要件を問う。

令和3年145
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
  • 1Aは、Bの承諾を得た場合には、Bに引き渡した新築住宅について、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行わなくてもよい。
  • 2Aは、基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して1月を経過した日以後においては、新たに自ら発主となる新築住宅の売買契約を締結することができない。
  • 3Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結する場合、保険金額は2,000万円以上でなければならないが、Bの承諾を得た場合には、保険金額を500万円以上の任意の額とすることができる。
  • 4Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結した場合、住宅の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分の瑕疵があり、Aが相当の期間を経過してもなお特定住宅販売瑕疵担保責任を履行しないときは、Bは住宅販売瑕疵担保責任保険契約の有効期間内であれば、その瑕疵によって生じた損害について保険金を請求することができる。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
宅建業者が自ら売主として新築住宅を販売する際の住宅瑕疵担保責任履行法上の義務に関する問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業者が自ら売主として新築住宅を販売する際の住宅瑕疵担保責任履行法上の義務に関する問題。供託又は保険契約締結の強制性、届出義務違反…
03
知識背景
住宅瑕疵担保責任履行法は、新築住宅の売主に瑕疵担保責任を履行する資力を確保させることで、買主を保護する法律。売主は供託又は保険契約締…
04
覚え方
「供託か保険、どっちか選んで届出ろ!」「2週間で契約禁止、2,000万円が最低額」「承諾なんて関係ない、義務は絶対!」
05
試験のコツ
買主の承諾による免除の可否を問う問題 ・届出義務違反の効果・期間を問う問題 ・保険金額・供託金額を問う問題 ・保険金請求の要件を問う…
06
実務での見え方
宅建業者が新築住宅を分譲する際、必ず供託又は保険契約を締結し、所轄行政庁に届出を行う必要がある。実務では保険契約を選択するケースが多…
07
よくある間違い
{"mistake":"買主の承諾があれば供託・保険契約の義務が免除されると誤解する。","why_wrong":"消費者保護立法の…
02深度分析
要約
宅建業者が自ら売主として新築住宅を販売する際の住宅瑕疵担保責任履行法上の義務に関する問題。供託又は保険契約締結の強制性、届出義務違反の効果、保険金額の要件、保険金請求の要件を問う。
法的根拠
住宅瑕疵担保責任履行法第3条住宅瑕疵担保責任履行法第4条住宅瑕疵担保責任履行法第5条住宅瑕疵担保責任履行法第6条住宅瑕疵担保責任履行法第7条住宅瑕疵担保責任履行法第8条
論理の流れ
まず、宅建業者が自ら売主として新築住宅を販売する場合、供託又は保険契約締結が強制的に義務付けられることを確認する。次に、各選択肢について、買主の承諾による免除可否、届出義務違反の効果(期間)、保険金額の減額可否、保険金請求の要件を検証する。選択肢4は保険金請求権の要件を正しく記述している。
重要な区別
買主の承諾による義務免除の可否が最大のポイント。本法は消費者保護立法であり、買主の承諾があっても義務は免除されない。また、届出義務違反による契約締結制限は「2週間」経過後である点も重要。
各選択肢のポイント
  • 供託又は保険契約締結は強制的な義務であり、買主の承諾があっても免除されない。消費者保護の観点から任意免除は認められない。
  • 届出をしない場合の契約締結制限は、基準日の翌日から2週間経過後であり、1月経過後ではない。期間の数字が誤り。
  • 保険金額は2,000万円以上と法定されており、買主の承諾があっても500万円への減額は認められない。金額の減額は不可。
  • 保険契約締結の場合、瑕疵があり売主が相当期間経過しても履行しないとき、買主は保険期間内に保険金を請求できる。正しい記述。
03知識背景
テーマ概要
住宅瑕疵担保責任履行法は、新築住宅の売主に瑕疵担保責任を履行する資力を確保させることで、買主を保護する法律。売主は供託又は保険契約締結のいずれかを選択し、届出義務を負う。違反には業務停止等の制裁がある。
歴史的背景
2006年(平成18年)に制定、2007年4月施行。住宅品質確保法と併せて、新築住宅の品質と買主保護を図る法制度として整備された。構造耐力部分等の瑕疵担保責任期間は10年間とされている。
関連法令
住宅瑕疵担保責任履行法住宅品質確保法宅地建物取引業法民法(瑕疵担保責任)
体系的位置づけ
宅建試験の業法分野において、住宅品質確保法と並ぶ重要な住宅関連法。宅建業者の実務に直結する法規制として頻出する。
前提知識
瑕疵担保責任の基本概念(民法)、住宅品質確保法における10年間の瑕疵担保責任、宅建業者が自ら売主となる場合の規制の強化、供託制度と保険制度の基本的仕組みを理解している必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「供託か保険、どっちか選んで届出ろ!」「2週間で契約禁止、2,000万円が最低額」「承諾なんて関係ない、義務は絶対!」
ビジュアル描写
宅建業者→(供託OR保険)→届出→売買可能。届出なし→2週間後→契約禁止。保険契約→瑕疵発見→売主不履行→保険金請求可能
重要公式
保険金額=2,000万円以上(減額不可)、届出違反の効果=2週間経過後契約禁止、瑕疵担保期間=10年間
関連連想
消費者保護の法律=買主の承諾で免除される規定は基本的にない、と覚える。数字は「2」がキー(2,000万円、2週間)。
比較表
供託:保証金を法務局に預ける。保険:民間保険会社と契約。共通:買主の承諾で免除不可、届出義務あり、違反で業務停止等の制裁
05試験テクニック
出題頻度
住宅瑕疵担保責任履行法は毎年1問程度出題される。本問題のような売主義務の内容が頻出。
重要度
A:最重要。宅建業者の実務に直結し、数字や要件が明確で出題しやすいため頻繁に問われる。
出題パターン
  • 買主の承諾による免除の可否を問う問題
  • 届出義務違反の効果・期間を問う問題
  • 保険金額・供託金額を問う問題
  • 保険金請求の要件を問う問題
解法・消去法
「買主の承諾を得た場合」の記述は要注意。消費者保護立法では承諾による免除は原則認められない。数字の正誤(2週間か1月か)を確認し消去。
時間戦略
数字と「買主の承諾」の有無を即座に確認。消費者保護立法の性質から、買主承諾による免除は原則ないと判断。2分以内で解答可能。
06実務応用
実務シナリオ
宅建業者が新築住宅を分譲する際、必ず供託又は保険契約を締結し、所轄行政庁に届出を行う必要がある。実務では保険契約を選択するケースが多い。届出を怠ると業務停止命令を受ける可能性がある。
実務への影響
この制度により、売主が倒産しても買主は保険金で補償を受けられる。住宅トラブル時の最後の砦として機能し、住宅購入者の安心感を支えている。
ケーススタディ
新築戸建てを購入した買主が、引き渡し2年後に雨漏りを発見。売主に修補を請求したが、売主が倒産。しかし保険契約が締結されていたため、買主は保険会社に保険金を請求し、修繕費用を確保できた事例がある。
業界関連性
住宅メーカーやディベロッパーにとって必須のコンプライアンス事項。保険料は販売コストに影響し、供託は資金繰りに影響する重要な経営判断要素。
ニュース連動
近年の住宅トラブルや欠陥住宅問題との関連で、買主保護の重要性が増している。中古住宅の瑕疵担保責任保険との違いも話題に。
07よくある間違い
買主の承諾があれば供託・保険契約の義務が免除されると誤解する。
なぜ間違えるか:消費者保護立法の性質を理解していない。買主の承諾で保護を放棄させることは制度の趣旨に反する。
届出義務違反の効果を「1月経過後」と誤記憶する。
なぜ間違えるか:2週間と1月を混同。他の法制度で1月という期間が多いため、記憶が曖昧になる。
保険金額を買主の承諾で減額できると誤解する。
なぜ間違えるか:契約自由の原則を過度に適用し、強行法規の性質を見落とす。
解説は、まだ続きます
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