令和3年(2021)本試験

206

債権譲渡過去問

この問題の全体像

債権譲渡に関する民法の規定を問う問題。譲渡制限の意思表示がされた債権の譲渡効力、将来債権の譲渡、対抗要件、悪意の譲受人に対する債務者の権利等の理解が求められる。正解は選択肢2。

令和3年206
売買代金債権(以下この問において「債権」という。)の譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
  • 1譲渡制限の意思表示がされた債権が譲渡された場合、当該債権譲渡の効力は妨げられないが、債務者は、その債権の全額に相当する金銭を供託することができる。
  • 2債権が譲渡された場合、その意思表示の時に債権が現に発生していないときは、譲受人は、その後に発生した債権を取得できない。
  • 3譲渡制限の意思表示がされた債権の譲受人が、その意思表示がされていたことを知っていたときは、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもって譲受人に対抗することができる。
  • 4債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知し、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができず、その譲渡の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
債権譲渡に関する民法の規定を問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
債権譲渡に関する民法の規定を問う問題。譲渡制限の意思表示がされた債権の譲渡効力、将来債権の譲渡、対抗要件、悪意の譲受人に対する債務者…
03
知識背景
債権譲渡とは、債権者がその債権を第三者に譲り渡すこと。譲渡制限の意思表示があっても譲渡自体は有効(民法466条)。対抗要件として債務…
04
覚え方
「将来債権も譲渡可、意思表示時発生不要」→「みらいはOK」で覚える。譲渡制限は「制限あるけど譲渡は有効、悪意なら債務者強し」
05
試験のコツ
譲渡制限の意思表示の効力(譲渡は有効か無効か) ・悪意の譲受人に対する債務者の権利 ・対抗要件の有無と確定日付の要否
06
実務での見え方
不動産売買における代金債権の譲渡、ファクタリング事業、債権回収業者への債権譲渡等で実務的意義が大きい。譲渡制限特約がある場合の対応も…
07
よくある間違い
{"mistake":"譲渡制限の意思表示があれば債権譲渡は無効と誤解する","why_wrong":"譲渡制限は当事者間の合意に過…
02深度分析
要約
債権譲渡に関する民法の規定を問う問題。譲渡制限の意思表示がされた債権の譲渡効力、将来債権の譲渡、対抗要件、悪意の譲受人に対する債務者の権利等の理解が求められる。正解は選択肢2。
法的根拠
民法466条(債権の譲渡性)民法466条の2(譲渡制限の意思表示)民法466条の4(譲渡制限の意思表示がされた債権の譲渡等の効力)民法466条の6(将来債権の譲渡)民法467条(債権譲渡の対抗要件)
論理の流れ
選択肢2は将来債権の譲渡に関する記述。民法466条の6により、債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していない場合であっても、その後に発生した債権を譲受人が取得する効果を生ずる。したがって、「取得できない」とする記述は誤り。他の選択肢は民法の規定通り正しい記述である。
重要な区別
将来債権の譲渡可能性が本問の核心。民法改正により将来債権の譲渡が明文化的に認められ、意思表示時に債権が発生していなくても譲受人は権利を取得する。
各選択肢のポイント
  • 民法466条2項により譲渡制限があっても譲渡は有効。同466条の4第1項で供託権が認められる。
  • 民法466条の6により、将来債権も譲渡可能で、譲受人は発生後の債権を取得できる。
  • 民法466条の4第2項の通り。悪意の譲受人に対し債務者は履行拒否・対抗権を有する。
  • 民法467条1項・2項の規定通り。対抗要件として通知・承諾、第三者対抗には確定日付が必要。
03知識背景
テーマ概要
債権譲渡とは、債権者がその債権を第三者に譲り渡すこと。譲渡制限の意思表示があっても譲渡自体は有効(民法466条)。対抗要件として債務者への通知又は承諾が必要。将来債権の譲渡も可能。悪意の譲受人に対する債務者の保護規定がある。
歴史的背景
民法改正(2020年4月施行)により、譲渡制限の意思表示の効力や将来債権の譲渡について規定が整備された。従来は判例法理であった部分が明文化され、取引安全と債務者保護の調整が図られた。
関連法令
民法466条(債権の譲渡性)民法466条の2から466条の6(譲渡制限・将来債権)民法467条(対抗要件)民法468条(債務者の抗弁)
体系的位置づけ
民法債権総則の重要論点。宅建試験では頻出分野の一つで、債権譲渡の効力・対抗要件・債務者保護の3点セットで理解が必要。
前提知識
債権譲渡の基本構造(譲渡人・譲受人・債務者の3者関係)、対抗要件の意義、確定日付の制度、善意・悪意の区別、供託制度の基礎的理解が必要。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「将来債権も譲渡可、意思表示時発生不要」→「みらいはOK」で覚える。譲渡制限は「制限あるけど譲渡は有効、悪意なら債務者強し」
ビジュアル描写
譲渡人→譲受人への矢印(債権移動)。債務者からの矢印:善意譲受人には支払い必須、悪意譲受人には履行拒否可能。供託箱のイメージ。
重要公式
将来債権=意思表示時に発生不要=譲受人取得可能(民法466条の6)
関連連想
ファクタリング(債権譲渡による資金調達)をイメージ。将来の売掛金も譲渡できる実務との結びつきで記憶。
比較表
譲渡制限なし:通常通り譲渡有効/譲渡制限あり善意:譲渡有効、債務者は履行拒否不可/譲渡制限あり悪意:譲渡有効、債務者は履行拒否可・対抗可能
05試験テクニック
出題頻度
債権譲渡は毎年近い頻度で出題。譲渡制限・将来債権・対抗要件のいずれかが必ず問われる重要論点。
重要度
A:最重要。民法改正で新規条文が追加され、出題可能性が高い。実務でも頻繁に活用される。
出題パターン
  • 譲渡制限の意思表示の効力(譲渡は有効か無効か)
  • 悪意の譲受人に対する債務者の権利
  • 対抗要件の有無と確定日付の要否
解法・消去法
「できない」「無効」等の否定表現に注目。民法は取引安全を重視するため、譲渡を無効とする記述は疑って検討する。
時間戦略
債権譲渡の3要素(効力・対抗要件・債務者保護)を確認しながら選択肢を検討。1分30秒程度で解答を目指す。
06実務応用
実務シナリオ
不動産売買における代金債権の譲渡、ファクタリング事業、債権回収業者への債権譲渡等で実務的意義が大きい。譲渡制限特約がある場合の対応も実務上重要。
実務への影響
債権譲渡は資金調達手段として広く活用。譲渡制限の特約があっても譲渡自体は有効とされるため、実務では損害賠償リスクの観点から対応が必要。
ケーススタディ
建設業者が売掛金債権を金融機関に譲渡(ファクタリング)。発注者との契約で譲渡禁止特約があった場合でも、譲渡自体は有効。ただし悪意の金融機関には発注者が履行を拒否可能。
業界関連性
不動産業界では分割払いの代金債権譲渡、保証金債権の譲渡等が発生。宅建士は譲渡の効力と対抗要件を理解し取引の安全を図る必要がある。
ニュース連動
中小企業の資金繰り支援でファクタリングの利用が増加。債権譲渡の法的理解が実務家に求められる状況。
07よくある間違い
譲渡制限の意思表示があれば債権譲渡は無効と誤解する
なぜ間違えるか:譲渡制限は当事者間の合意に過ぎず、譲渡自体の効力は妨げない(民法466条2項)。
将来債権は譲渡できないと誤解する
なぜ間違えるか:民法466条の6で将来債権の譲渡が明文化的に認められている。
確定日付のある証書による通知を債務者対抗要件と誤解する
なぜ間違えるか:確定日付は第三者対抗要件であり、債務者に対抗するには通知・承諾だけで足りる。
解説は、まだ続きます
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