宅建コーチ
権利関係2〜3 年に 1 回過去 37 年で 10 回出題

売買契約

売買契約における契約不適合責任とは、引渡された目的物が種類、品質、数量に関して契約の内容に適合しない場合に、売主が買主に対して負う法的責任です。改正民法(令和2年4月施行)により、従来の瑕疵担保責任から大幅に改編され、追完請求権、代金減額請求権、損害賠償請求権、解除権が明文化されました。買主の帰責性がないことが要件とされる場合と、帰責性を問わない場合があります。

民法562条(契約不適合責任の内容)民法563条(履行の追完)民法564条(代金の減額又は損害賠償の請求)

重要度: 重要

要点
1.Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約による甲土地の引渡し後に、目的物の品質に関して契約の内容に適合しない土壌汚染が見つかった場合の売主の担保の責任に基づく損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定、宅地建物取引業法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。令和7年試験 問102.Aを売主、Bを買主として甲土地の売買契約が締結された直後にAが死亡し、CがAを単独相続した場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。令和6年試験 問43.売買契約の目的物が品質に関して契約の内容に適合しない場合において、当該契約不適合が売主及び買主のいずれの責めにも帰することができない事由によるものであるとき、履行の追完請求権、代金の減額請求権、損害賠償請求権及び契約の解除権のうち、民法の規定によれば、買主が行使することができない権利のみを掲げたものとして正しいものは次の記述のうちどれか。なお、上記帰責性以外の点について、権利の行使を妨げる事情はないものとする。令和6年試験 問104.次の1から4までの記述のうち、民法の規定、判例及び下記判決文によれば、正しいものはどれか
体系における位置づけ
民法「権利関係」分野は宅建試験の核心科目の一つで、総則、物権、債権、親族相続から構成されます。中でも売買契約は債権法の最重要テーマであり、契約の成立、履行、担保責任、解除など多岐にわたる知識が求められます。契約不適合責任は改正民法で大幅に変更された重要箇所です。
ルールの詳細
契約不適合とは、目的物が種類、品質、数量について契約の内容に適合しない状態をいい、物理的瑕疵だけでなく権利の瑕疵も含みます。 ・履行の追完請求権は、買主が相当の期間を定めて履行の追完を催告し、その期間内に履行がない場合に行使できます。 ・代金減額請求権は、追完が不能または売主が追完を拒絶した場合に、適合しない程度に応じて代金を減額できます。 ・損害賠償請求権は、売主に帰責事由がある場合に認められ、履行遅滞または不完全履行に基づく損害を賠償請求できます。 ・契約解除権は、契約の目的を達成できない場合に認められ、追完が不能な場合や売主が追完を拒絶した場合に行使可能です。 ・買主の帰責性がある場合、契約不適合責任に基づく権利行使は制限されます。 ・担保責任の特約による免除は可能ですが、売主が知りながら告げなかった事実については免除特約は無効です。
例外
売主が契約不適合を知りながら買主に告げなかった場合、担保責任を免除する特約は無効となります(民法572条)。 ・買主が契約不適合を知りながらその事実を承諾した場合、売主は担保責任を負いません。 ・特定物の売買において、契約成立時に既に契約不適合が存在した場合の取扱いには特則があります。
比較・対照
契約不適合責任は改正民法で大幅に変更され、追完請求権が第一次的救済として明文化されました。各権利の行使要件と帰責性の関係を正確に理解することが合格の鍵です。
記憶テクニック
「追完減額損害解除」→「ついかんげんぞうかい」で覚える。追完が第一次的救済。 ・「損害だけ帰責要」→損害賠償だけ帰責事由が必要。他は不要。 ・「知ってて黙れば特約無効」→売主が知りながら告げなければ免除特約は無効。
事例で確認

売買契約」はこう問われる

Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約による甲土地の引渡し後に、目的物の品質に関して契約の内容に適合しない土壌汚染が見つかった。土壌汚染の原因はAの責めに帰することができない事由によるものである。 BはAに対してどのような権利を行使できるか。
結論:追完請求、代金減額請求、契約解除は可能。損害賠償請求は不可。
土壌汚染は品質に関する契約不適合に該当します。売主Aに帰責性がない場合でも、履行の追完請求権、代金減額請求権、契約解除権は行使可能です。ただし、損害賠償請求権は売主の帰責事由が必要なため、Aに帰責性がない場合は行使できません。
押さえる:契約不適合責任における各権利と帰責性の要否を整理しておくことが重要です。
Aを売主、Bを買主として甲土地の売買契約が締結された直後にAが死亡し、CがAを単独相続した。甲土地には契約不適合が存在した。 CはBに対してどのような責任を負うか。
結論:Cは契約不適合責任を承継し、Bに対して責任を負う。
相続人は被相続人の権利義務を包括的に承継します(民法896条)。売買契約に基づく売主の義務と責任も相続の対象となります。したがって、CはAの有していた権利義務を承継し、契約不適合責任も負います。
押さえる:相続と契約関係の交差問題は近年頻出です。相続の包括承継の原則を理解しておきましょう。
試験での狙われ方

出題傾向と対策

出題頻度2〜3 年に 1 回
出題実績過去 37 年で 10 回・8 年分・最新 2024 年
重要度A:最重要。令和6年・7年試験で連続出題されており、改正民法の核心分野として最重要です。
解き方のコツ各権利の帰責性要否を表で整理し、追完→減額→損害賠償・解除の順序を理解することが得点の鍵です。
よく問われるパターン
  • 契約不適合責任の各権利と帰責性の要否を問う問題
  • 相続と売買契約の交差問題
  • 契約不適合の判断基準を問う問題
  • 特約の有効性を問う問題
  • 各権利の行使要件・順序を問う問題
関連過去問

この論点が問われた本試験

本試験 37 年分から、「売買契約」に関連する過去問をピックアップしました。

理解度チェック

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Q1No.1
解答: 正解: 3。AB間の売買契約が、BC間の売買契約締結よりも前にAにより解除されていた場合、又は、BC間の売買契約締結後にAにより解除された場合のいずれの場合であっても、Cは、甲土地の所有権移転登記を備えれば、Aに
よくある質問

売買契約について

宅建の「売買契約」とは何ですか?
売買契約における契約不適合責任とは、引渡された目的物が種類、品質、数量に関して契約の内容に適合しない場合に、売主が買主に対して負う法的責任です。改正民法(令和2年4月施行)により、従来の瑕疵担保責任から大幅に改編され、追完請求権、代金減額請求権、損害賠償請求権、解除権が明文化されました。買主の帰責性がないことが要件とされる場合と、帰責性を問わない場合があります。
「売買契約」は宅建でよく出ますか?
本試験では過去 37 年間で 10 回、8 年分で出題されています。出題傾向は「2〜3 年に 1 回」です。
契約不適合責任に基づく履行の追完請求権を行使するには、売主の帰責事由が必要である。
誤り。履行の追完請求権は売主の帰責事由を要しません。契約不適合の事実があれば行使可能です。
契約不適合責任に基づく損害賠償請求権を行使するには、売主の帰責事由が必要である。
正しい。損害賠償請求権のみ、売主の帰責事由が必要です。債務不履行責任の原則が適用されます。
契約不適合責任を免除する特約は、売主が契約不適合を知りながら買主に告げなかった場合でも有効である。
誤り。売主が契約不適合を知りながら買主に告げなかった場合、免除特約は無効となります(民法572条)。
「売買契約」の覚え方は?
「追完減額損害解除」→「ついかんげんぞうかい」で覚える。追完が第一次的救済。 ・「損害だけ帰責要」→損害賠償だけ帰責事由が必要。他は不要。 ・「知ってて黙れば特約無効」→売主が知りながら告げなければ免除特約は無効。
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