保証
保証とは、主債務者が債務を履行しない場合に、保証人がその債務を履行する責任を負う制度です。保証債務は主債務に従たる債務であり、主債務の存在を前提とします。保証人は原則として催告の抗弁権と検索の抗弁権を有しますが、連帯保証人はこれらを有しません。令和2年改正で個人保証人の保護が強化されました。
民法第446条(保証債務の性質)民法第447条(保証債務の範囲)民法第452条(催告の抗弁権)
重要度: 重要
要点
保証とは、主債務者が債務を履行しない場合に、保証人がその債務を履行する責任を負う制度です。保証債務は主債務に従たる債務であり、主債務の存在を前提とします。保証人は原則として催告の抗弁権と検索の抗弁権を有しますが、連帯保証人はこれらを有しません。令和2年改正で個人保証人の保護が強化されました。
体系における位置づけ
民法(権利関係)は宅建試験の4科目の1つで、権利の変動、契約、不法行為、物権、債権などが含まれます。保証は債権分野の重要項目で、債権者保護と保証人保護のバランスを理解することが求められます。令和2年の民法改正で大幅に規定が変わりました。
ルールの詳細
・保証契約は書面でしなければその効力を生じません(民法446条2項)。口頭の保証契約は無効です。
・保証債務は主債務の目的・態様より重いものとすることはできません(民法447条1項)。保証人が軽い責任を負うことは可能です。
・保証人は主債務者の履行を催告すべき旨を請求できます(催告の抗弁権・民法452条)。ただし連帯保証人は除かれます。
・保証人は主債務者に執行可能な財産があることを証明し、その執行を申し立てることを要求できます(検索の抗弁権・民法453条)。
・連帯保証人は催告の抗弁権・検索の抗弁権を有しません(民法454条)。債権者は主債務者に請求せず連帯保証人に直接請求できます。
・個人の根保証契約には極度額の定めが必要です。極度額を定めない場合、その契約は無効となります(民法465条の2)。
例外
・事業のために負担する保証債務については、催告の抗弁権・検索の抗弁権に関する規定は適用されません(民法455条)。
・主債務者が破産手続開始の決定を受けた場合、保証人は検索の抗弁権を主張できません(民法454条ただし書)。
・保証人が主債務者を欺罔して保証をさせた場合など、特段の事情がある場合は抗弁権が制限されます。
比較・対照
保証人と連帯保証人の最大の違いは抗弁権の有無です。保証人は債権者から請求されても、まず主債務者に請求するよう主張できますが、連帯保証人は直ちに履行責任を負います。実務では連帯保証が一般的です。
記憶テクニック
・「保証人はサザエさん(催告)とカツオ(検索)の抗弁権あり」:保証人は催告と検索の抗弁権を有する
・「連帯保証人はレン(連)がつくからレン(連)絡なしで請求可能」:連帯保証人は抗弁権なし
・「根保証は根(極度)を定めないと枯れる(無効)」:極度額の定めがない根保証は無効
事例で確認
「保証」はこう問われる
Aは友人Bの借金1000万円の連帯保証人となった。Bは資産として自宅(時価2000万円)を保有している。債権者CはBに請求せず、Aに直接全額支払を請求してきた。 AはBの資産があることを理由に、Cの請求を拒絶できるか?
結論:AはCの請求を拒絶できず、履行責任を負います。
連帯保証人は催告の抗弁権も検索の抗弁権も有しません(民法454条)。したがって、AはBに資産があることを理由にCの請求を拒絶することはできません。AはCから請求されれば、Bに資産があっても直ちに履行責任を負います。
押さえる:連帯保証人は強い責任を負うため、保証契約の際は連帯保証人になるかどうかを慎重に判断する必要があります。
Aは個人として、BのCに対する将来の一切の債務について根保証契約を締結した。極度額の定めはなかった。その後、BはCから継続的に商品を購入し、債務が累積した。 この根保証契約は有効か?
結論:本件根保証契約は無効です。
個人の根保証契約については、極度額の定めがなければ無効となります(民法465条の2)。本件ではAは個人であり、極度額の定めがないため、この根保証契約は無効です。Aは保証責任を負いません。
押さえる:個人の根保証契約には極度額の定めが必須です。これは個人保証人の過大な責任を防ぐための改正民法の重要規定です。
試験での狙われ方
出題傾向と対策
| 出題頻度 | 数年に 1 回 |
|---|---|
| 出題実績 | 過去 37 年で 6 回・5 年分・最新 2025 年 |
| 重要度 | A:最重要。改正民法の知識が必須で、難問が出題されやすい分野です。 |
| 解き方のコツ | 保証人と連帯保証人の抗弁権の違いを確実に押さえてください。また、改正民法の根保証規制(極度額の定め)は必須知識です。条文番号まで覚える必要はありませんが、内容は正確に理解してください。 |
よく問われるパターン
- 保証人と連帯保証人の抗弁権の違いを問う問題
- 根保証契約の極度額に関する規定の適用
- 保証債務の範囲(利息、損害金を含むか)を問う問題
- 主債務の消滅時効と保証人の援用権
- 保証契約の方式(書面要件)を問う問題
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この論点が問われた本試験
本試験 37 年分から、「保証」に関連する過去問をピックアップしました。
理解度チェック
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Q1【2025年 問35】宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、Aは宅地建物取引業保証協会の社員ではないものとする。
解答: 正解:1
免許の有効期間満了の際、Aが営業保証金を取り戻そうとする場合には、供託した営業保証金につき還付を受ける権利を有する者に対し、6か月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を官報に公告しなければならない。
【解説】解説 したがって正しい記述は[1]です。
Q2【2025年 問2】個人であるAが、①賃貸人Bと賃借人Cとの間の期間を2年とする居住用甲建物の賃貸借契約に基づくCの一切の債務の連帯保証契約をBと締結した場合、②売主Dと買主Eとの間の居住用乙建物の売買契約に基づく代金支払債務の保証契約をDと締結した場合、に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答: 正解:3
①の連帯保証契約は保証の限度額である極度額を定めなければ無効であるのに対し、②の保証契約は極度額を定める必要はない。
【解説】解説 ①は根保証契約、②は一般の保証契約となります。一般の保証契約は、特定の債務とその利息や損害賠償金を保証するものです(例:住宅ローンの保証人)。一方、根保証...
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よくある質問
保証について
宅建の「保証」とは何ですか?
保証とは、主債務者が債務を履行しない場合に、保証人がその債務を履行する責任を負う制度です。保証債務は主債務に従たる債務であり、主債務の存在を前提とします。保証人は原則として催告の抗弁権と検索の抗弁権を有しますが、連帯保証人はこれらを有しません。令和2年改正で個人保証人の保護が強化されました。
「保証」は宅建でよく出ますか?
本試験では過去 37 年間で 6 回、5 年分で出題されています。出題傾向は「数年に 1 回」です。
保証人は催告の抗弁権と検索の抗弁権の両方を有する。
○正解。保証人は主債務者への催告を求める催告の抗弁権(民法452条)と、主債務者の財産への執行を求める検索の抗弁権(民法453条)を有します。
連帯保証人は催告の抗弁権を有するが、検索の抗弁権は有しない。
×不正解。連帯保証人は催告の抗弁権も検索の抗弁権も有しません(民法454条)。債権者は連帯保証人に直接請求できます。
保証契約は口頭でも有効に成立する。
×不正解。保証契約は書面でしなければその効力を生じません(民法446条2項)。口頭の保証契約は無効です。
「保証」の覚え方は?
「保証人はサザエさん(催告)とカツオ(検索)の抗弁権あり」:保証人は催告と検索の抗弁権を有する
・「連帯保証人はレン(連)がつくからレン(連)絡なしで請求可能」:連帯保証人は抗弁権なし
・「根保証は根(極度)を定めないと枯れる(無効)」:極度額の定めがない根保証は無効
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