宅建コーチ
権利関係数年に 1 回過去 37 年で 7 回出題

連帯保証

連帯保証とは、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負う保証形態です。通常の保証と異なり、保証人は催告の抗弁権(まず主債務者に請求せよという主張)も検索の抗弁権(主債務者に執行可能な財産があるならそこから取り立てよという主張)も有しません。これにより、債権者は主たる債務者と同等の立場で連帯保証人に直接請求でき、保証人の責任は極めて重くなります。

民法第432条(連帯保証の要件と効力)民法第445条(連帯保証人の抗弁権の不存在)民法第446条(連帯保証と主たる債務者の抗弁)

重要度: 重要

要点
連帯保証とは、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負う保証形態です。通常の保証と異なり、保証人は催告の抗弁権(まず主債務者に請求せよという主張)も検索の抗弁権(主債務者に執行可能な財産があるならそこから取り立てよという主張)も有しません。これにより、債権者は主たる債務者と同等の立場で連帯保証人に直接請求でき、保証人の責任は極めて重くなります。
体系における位置づけ
民法(権利関係)は宅建試験の核心科目の一つで、契約法、物権法、不法行為法など私人間の法律関係を規律する分野です。債権法の中でも保証制度は実務上極めて重要で、特に連帯保証は金融取引や不動産取引において頻繁に登場します。保証債務、連帯債務と並んで債権担保の三本柱を構成し、相互の違いを正確に理解することが求められます。
ルールの詳細
連帯保証人は主たる債務者と連帯して債務を負うため、債権者は主債務者または連帯保証人のどちらにも自由に請求できる ・連帯保証人は催告の抗弁権を有しないため、債権者から請求されたら即座に履行に応じる必要がある ・連帯保証人は検索の抗弁権を有しないため、主債務者に財産があっても先に保証人から取り立てることが可能 ・連帯保証人が債務を履行した場合、主たる債務者に対して求償権を行使できる ・主たる債務の消滅時効が完成した場合、連帯保証人も時効を援用して免責を主張できる ・連帯保証契約は書面で行う必要があり、口頭のみでは無効となる
例外
主たる債務が無効または取り消された場合、連帯保証債務も無効となるが、保証人の過失がある場合は責任を負う ・事業債務の保証でない個人保証については、公正証書による必要がある ・主たる債務者に対する更改や免除の意思表示があった場合、連帯保証人はその限度で免責される
比較・対照
連帯保証は「保証」の性質(付従性)を持ちつつ、「連帯」の重い責任を負う制度です。通常の保証より責任が重く、連帯債務よりは主債務との従属関係がある点が特徴です。
記憶テクニック
「連帯保証は『連帯』だから『タイ』(対等)な責任、抗弁権ナシで即支払い」 ・「レンタイ(連帯)→レン(連)もタイ(対)も同じ責任」 ・「保証には『普通』と『連帯』、連帯は『催告も検索もナシ』で即対応」
事例で確認

連帯保証」はこう問われる

AがBから1000万円を借り入れ、Cが連帯保証人となった。その後、Aの経営する会社が倒産し、Aには実質的に無価値な資産しか残っていない。BはCに対して1000万円の支払を請求してきた。 Cは「まずAの財産から取り立てるべきだ」と主張できるか?
結論:Cの主張は認められず、1000万円を支払う必要がある。
Cは連帯保証人であり、通常の保証人が有する催告の抗弁権および検索の抗弁権を有しない(民法445条)。したがって、Aに財産があるかどうかにかかわらず、BはCに対して直接請求することができ、Cはこれに応じる必要がある。これが連帯保証の最大の特徴であり、保証人の責任が重い理由である。
押さえる:連帯保証人には抗弁権がないため、主債務者の経済状況に関わらず請求に応じる義務がある。
DがEから500万円を借り入れ、Fが連帯保証人となった。その後、DがFに対して「借りた金は返済した」と嘘を告げ、FがDに500万円を支払った。実はDはEにまだ返済していなかった。 FはEに対してどのような主張ができるか?
結論:FはEに対して500万円を支払う義務を負い、その後Dに求償できる。
Fは連帯保証人としてEに500万円を支払う義務がある。FがDに支払ったことは、Eに対する履行にはならない。ただし、FはDに対して詐欺による損害賠償請求や不当利得返還請求をすることができる。また、FがEに500万円を支払った後は、Dに対して求償権を行使できる(民法442条)。
押さえる:連帯保証人は主債務者との関係で生じた事由でも、債権者に対抗できない場合がある。
試験での狙われ方

出題傾向と対策

出題頻度数年に 1 回
出題実績過去 37 年で 7 回・7 年分・最新 2008 年
重要度A:最重要。連帯保証は保証制度の核心であり、実務でも多用されるため必須知識。
解き方のコツ連帯保証の最大の特徴は「抗弁権がない」こと。これを確実に覚え、連帯債務との違い(請求の効果が及ぶ範囲)も整理しておくことが得点の鍵。
よく問われるパターン
  • 連帯保証と連帯債務の効果の違いを問う問題
  • 連帯保証と通常の保証の抗弁権の違いを問う問題
  • 連帯保証人の求償権の範囲を問う問題
  • 主債務者に生じた事由の連帯保証人への影響を問う問題
理解度チェック

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Q1【2008年 問6】AからBとCとが負担部分2分の1として連帯して1,000万円を借り入れる場合と、DからEが1,000万円を借り入れ、Fがその借入金返済債務についてEと連帯して保証する場合とに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
解答: 正解:2 Aが、Bに対して履行を請求した効果はCに及ばず、Cに対して履行を請求した効果はBに及ばない。Dが、Eに対して履行を請求した効果はFに及ぶが、Fに対して履行を請求した効果はEに及ばない。 【解説】解説 AとBとCの関係は連帯債務、EとFの関係はEを主債務者とした連帯保証です。連帯債務者の1人に対して生じた事由は、別段の定めがない限り、更改・相殺・混同を除...
Q2【2006年 問7】A銀行のB社に対する貸付債権につき、Cは、B社の委託を受けその全額につき連帯保証するとともに、物上保証人として自己の所有する土地に担保設定している。DもB社の委託を受け全額につき連帯保証している。保証人各自の負担部分は平等である。A銀行とB、C及びDとの間にその他特段の約定はない。この場合に関する次...
解答: 正解:4 Dが、Aに対して債権全額につき保証債務を履行した場合、Cの物上保証の担保物件の価額相当額につきCに対する求償権を取得する。 【解説】解説 したがって誤っている記述は[4]です。
よくある質問

連帯保証について

宅建の「連帯保証」とは何ですか?
連帯保証とは、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負う保証形態です。通常の保証と異なり、保証人は催告の抗弁権(まず主債務者に請求せよという主張)も検索の抗弁権(主債務者に執行可能な財産があるならそこから取り立てよという主張)も有しません。これにより、債権者は主たる債務者と同等の立場で連帯保証人に直接請求でき、保証人の責任は極めて重くなります。
「連帯保証」は宅建でよく出ますか?
本試験では過去 37 年間で 7 回、7 年分で出題されています。出題傾向は「数年に 1 回」です。
連帯保証人は、債権者から請求された場合、まず主たる債務者に請求するよう主張できる。
×。連帯保証人は催告の抗弁権を有しないため、このような主張はできない。債権者は連帯保証人に直接請求できる。
連帯保証人は、主たる債務者に執行可能な財産がある場合、その財産からの取り立てを主張できる。
×。連帯保証人は検索の抗弁権も有しない。主債務者に財産があっても、債権者は連帯保証人から直接取り立てることができる。
連帯保証人が債務を履行した場合、主たる債務者に対して求償権を行使できる。
○。連帯保証人が債権者に履行した場合、主たる債務者に対して求償権を取得する(民法442条)。これが保証人の権利として認められている。
「連帯保証」の覚え方は?
「連帯保証は『連帯』だから『タイ』(対等)な責任、抗弁権ナシで即支払い」 ・「レンタイ(連帯)→レン(連)もタイ(対)も同じ責任」 ・「保証には『普通』と『連帯』、連帯は『催告も検索もナシ』で即対応」
さあ、はじめよう
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