平成6年(1994)本試験
問293000万円控除の「親族除外」と、軽減税率特例の「所有期間10年超」という2つの異なる要件を正確に区別すること。
税・その他所得税過去問
この問題の全体像
居住用財産の譲渡所得に関する3000万円控除と軽減税率の特例の適用要件、特に親族への譲渡や所有期間の要件を問う問題です。
居住用財産を譲渡した場合における譲渡所得の所得税の課税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1居住の用に供している家屋をその者の長男に譲渡した場合には、その長男がその者と生計を一にしているか否かに関係なく、その譲渡について、居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用を受けることができない。
- 2居住の用に供していた家屋をその者が居住の用に供さなくなった日から2年を経過する日の翌日に譲渡した場合には、その譲渡について、居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用を受けることができない。
- 3譲渡した年の1月1日における所有期間が7年である居住用財産を国に譲渡した場合には、その譲渡について、居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることができる。
- 4譲渡した年の1月1日における居住期間が11年である居住用財産を譲渡した場合には、所有期間に関係なく、その譲渡について、居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることができる。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
3000万円控除の「親族除外」と、軽減税率特例の「所有期間10年超」という2つの異なる要件を正確に区別すること。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
居住用財産の譲渡所得に関する3000万円控除と軽減税率の特例の適用要件、特に親族への譲渡や所有期間の要件を問う問題です。
03
知識背景
居住用財産を売却した際の税金を軽減する制度。主に「3000万円の特別控除」と「所有期間10年超の軽減税率」の2つが柱であり、住み替え…
04
覚え方
3000万控除は親族へ売るな、軽減税率は10年持て
05
試験のコツ
親族への譲渡と特例適用の可否
・居住用財産の3年ルール
・軽減税率の所有期間要件
06
実務での見え方
客が子供に自宅を売却したいと相談。税制上の優遇がないことを説明し、税金負担をシミュレーションする。
07
よくある間違い
{"mistake":"軽減税率の要件を居住期間10年と覚えている。","why_wrong":"文字通り居住用という言葉に引きずら…
02深度分析
要約
居住用財産の譲渡所得に関する3000万円控除と軽減税率の特例の適用要件、特に親族への譲渡や所有期間の要件を問う問題です。
法的根拠
租税特別措置法第35条(居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)租税特別措置法第31条の3(居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例)所得税法第33条(譲渡所得)
論理の流れ
選択肢1は、3000万円控除の対象が配偶者や直系血族への譲渡は除かれるという規定通りで正しい。選択肢2は、居住をやめて3年以内であれば適用可能であり、2年経過後の譲渡は適用対象となるため誤り。選択肢3と4は、軽減税率の特例には所有期間10年超が必要であり、7年や居住期間11年だけでは不十分なため誤り。
重要な区別
3000万円控除の「親族除外」と、軽減税率特例の「所有期間10年超」という2つの異なる要件を正確に区別すること。
各選択肢のポイント
- 配偶者や直系血族への譲渡は、生計同一の有無にかかわらず3000万円控除の対象外となるため正しい。
- 居住をやめた日から3年を経過する日までに譲渡すれば適用可能であり、2年経過後であれば適用される。
- 軽減税率の特例を受けるには、譲渡した年の1月1日において所有期間が10年を超えている必要がある。
- 軽減税率の特例は所有期間10年超が要件であり、居住期間が11年であっても所有期間が短ければ適用不可。
03知識背景
テーマ概要
居住用財産を売却した際の税金を軽減する制度。主に「3000万円の特別控除」と「所有期間10年超の軽減税率」の2つが柱であり、住み替え需要を促進する。
歴史的背景
住宅の取得促進と住み替えの円滑化を図るために創設された優遇税制であり、経済状況に応じて適用期限や要件が度々改正されてきた。
関連法令
租税特別措置法所得税法相続税法
体系的位置づけ
宅建士試験の「宅建業に関する法律」ではなく「法令制限」や一般知識の税制分野で出題される重要論点。
前提知識
譲渡所得の計算方法(収入金額-取得費-譲渡費用)、長期譲渡所得と短期譲渡所得の違い(所有期間5年で区別)。
04記憶テクニック
語呂合わせ
3000万控除は親族へ売るな、軽減税率は10年持て
ビジュアル描写
家を売るイメージ。親族に渡す矢印にはバツ印。カレンダーで10年間を丸で囲むイメージ。
重要公式
3000万円控除、所有期間10年超
関連連想
親族間売買は租税回避に使われやすいからNGと連想する。
比較表
3000万控除:期間3年以内、親族除外。軽減税率:所有10年超、税率6%〜。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題
重要度
A:最重要。頻出かつ実務でも必須の知識。
出題パターン
- 親族への譲渡と特例適用の可否
- 居住用財産の3年ルール
- 軽減税率の所有期間要件
解法・消去法
「所有期間に関係なく」という文言は軽減税率の問題ではほぼ誤りと判断できる。
時間戦略
数字(3年、10年、3000万)と対象外者(親族)を即座に判断して解答する。
06実務応用
実務シナリオ
客が子供に自宅を売却したいと相談。税制上の優遇がないことを説明し、税金負担をシミュレーションする。
実務への影響
売却益に対する税額が大きく変わるため、売却価格や売却先の決定に直結する。
ケーススタディ
父が所有期間5年の家を息子に売却。3000万控除も軽減税率も使えず、高額な譲渡所得税が発生する。
業界関連性
不動産取引における重要なアドバイス事項であり、信頼性に関わる。
ニュース連動
住宅市場の活性化政策や相続税とのバランスを論じるニュースに関連。
07よくある間違い
軽減税率の要件を居住期間10年と覚えている。
なぜ間違えるか:文字通り居住用という言葉に引きずられるため。
正しい理解:「軽減=所有(所有権)」とセットで覚える。
生計別の親族への譲渡なら控除が受けられると考える。
なぜ間違えるか:生計一則のルールを他の税制と混同しているため。
正しい理解:「親族売買は租税回避の温床」というイメージでNGを記憶。
3年ルールを3年以内に住む必要があると勘違いする。
なぜ間違えるか:「居住の用に供さなくなった日から」という長い文言を正確に読んでいない。
正しい理解:「引越してから3年以内に売れ」と簡潔に理解する。
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