平成19年(2007)本試験
問49
税・その他土地に関する知識過去問
この問題の全体像
本問は、宅地造成や建物建築に適した地盤の種類と特徴に関する知識を問う問題です。特に沖積平野に属する地形(谷底平野、後背湿地、三角州、旧河道)の地盤の軟弱さやリスクを正しく理解しているかがポイントです。
地盤の特徴に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1谷底平野は、周辺が山に囲まれ、小川や水路が多く、ローム、砂礫等が堆積した良質な地盤であり、宅地に適している。
- 2後背湿地は、自然堤防や砂丘の背後に形成される軟弱な地盤であり、水田に利用されることが多く、宅地としての利用は少ない。
- 3三角州は、河川の河口付近に見られる軟弱な地盤であり、地震時の液状化現象の発生に注意が必要である。
- 4旧河道は、沖積平野の蛇行帯に分布する軟弱な地盤であり、建物の不同沈下が発生しやすい。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
本問は、宅地造成や建物建築に適した地盤の種類と特徴に関する知識を問う問題です。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
本問は、宅地造成や建物建築に適した地盤の種類と特徴に関する知識を問う問題です。特に沖積平野に属する地形(谷底平野、後背湿地、三角州、…
03
知識背景
この問題は、不動産の物理的属性である「地盤」の性質を扱います。日本の国土は平野部が多く宅地化されていますが、その多くは沖積層と呼ばれ…
04
覚え方
「谷底(たにぞこ)は谷底、良質(りょうしつ)は嘘(うそ)」と覚える。谷底平野は軟弱でリスクがあるため、「良質」と言っている選択肢は誤…
05
試験のコツ
特定の地形(例:谷底平野、扇状地)の特徴を問う正誤問題
・地盤災害(液状化、不同沈下)が発生しやすい地形の組み合わせ選択
・宅地に適…
06
実務での見え方
顧客から「安い土地があるがどうか」と相談を受けた際、その土地が旧河道や後背湿地に位置していることを地図や情報から確認し、不同沈下リス…
07
よくある間違い
{"mistake":"谷底平野を、扇状地や自然堤防と混同し、宅地に適していると判断する。","why_wrong":"平地であるこ…
02深度分析
要約
本問は、宅地造成や建物建築に適した地盤の種類と特徴に関する知識を問う問題です。特に沖積平野に属する地形(谷底平野、後背湿地、三角州、旧河道)の地盤の軟弱さやリスクを正しく理解しているかがポイントです。
法的根拠
建築基準法第20条(構造耐力)宅地建物取引業法第35条(重要事項の説明)建築基準法施行令第93条(地盤の許容応力度)土地区画整理法第5条(土地区画整理事業)国土利用計画法第14条(土地取引の許可)
論理の流れ
選択肢2、3、4はいずれも軟弱な地盤である後背湿地、三角州、旧河道についての正しい記述です。一方、選択肢1の谷底平野は、周辺からの土砂が堆積した軟弱な地盤であり、水害や地すべりのリスクも高いため、一概に「良質な地盤」とは言えません。したがって、記述内容が事実と異なる選択肢1が誤りとなります。
重要な区別
洪積台地などの「良質な地盤」と、沖積低地(三角州や後背湿地など)の「軟弱な地盤」の特徴とリスクの違いを区別すること。
各選択肢のポイント
- 谷底平野は、周辺からの土砂が堆積した軟弱な地盤であり、水はけが悪く、地すべりや水害のリスクが高いため、一概に良質とは言えない。
- 後背湿地は自然堤防の背後にできた低湿地で、粘土質の軟弱な地盤であり、圧密沈下が生じやすく、宅地には不向きである。
- 三角州は河口付近に堆積した砂や泥からなり、非常に軟弱で、地震時には液状化現象が発生しやすい地盤である。
- 旧河道はかつて川が流れていた場所で、泥や腐植土が堆積しており、非常に軟弱で建物の不同沈下が起きやすい。
03知識背景
テーマ概要
この問題は、不動産の物理的属性である「地盤」の性質を扱います。日本の国土は平野部が多く宅地化されていますが、その多くは沖積層と呼ばれる比較的新く軟弱な地盤です。地盤の種類によって、建物の構造や基礎工事の方法、液状化や不同沈下のリスクが異なります。
歴史的背景
高度経済成長期以降、都市部の良質な洪積台地が不足し、軟弱な沖積低地や埋立地まで宅地開発が進められました。これに伴い、地盤災害への対策が重要視されるようになり、宅建試験でも頻出項目となりました。
関連法令
建築基準法宅地建物取引業法宅地造成等規制法土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律地すべり等防止法
体系的位置づけ
宅建試験の「権利関係」や「法令上の制限」と並ぶ「宅地建物」分野における重要な基礎知識であり、不動産の客観的価値を評価するための必須項目です。
前提知識
沖積層と洪積層の違い、液状化現象のメカニズム、不同沈下の原因、扇状地、自然堤防、三角州などの地形の形成過程とそれぞれの地盤特性に関する基礎知識が必要です。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「谷底(たにぞこ)は谷底、良質(りょうしつ)は嘘(うそ)」と覚える。谷底平野は軟弱でリスクがあるため、「良質」と言っている選択肢は誤り。
ビジュアル描写
川の流れをイメージする。上流の扇状地は水はけ良いが中腹は悪い。河口の三角州は柔らかい泥の層。その背後の低地は水が溜まりやすい湿地。
重要公式
沖積低地=軟弱=危険(液状化・沈下)、洪積台地=硬い=安全
関連連想
「三角州」は「サンドイッチ」のサンド(砂)→液状化。「旧河道」は「旧(きゅう)」が「腐(くさ)」る→腐植土で軟弱。
比較表
【洪積台地】関東ローム等、地盤固く良質、宅地適。【沖積低地】三角州・後背湿地・旧河道、地盤軟弱、沈下・液状化リスクあり。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題
重要度
A:最重要。実務でも地盤調査は必須であり、頻出の基礎知識。
出題パターン
- 特定の地形(例:谷底平野、扇状地)の特徴を問う正誤問題
- 地盤災害(液状化、不同沈下)が発生しやすい地形の組み合わせ選択
- 宅地に適している地形の選択
解法・消去法
「軟弱」「液状化」「不同沈下」といったネガティブなキーワードが含まれる選択肢は、地盤が悪いことを示唆しており、正しい記述であることが多い。逆に「良質」「安定」といっても条件付きでない場合は疑う。
時間戦略
地形と地盤性状のキーワード(軟弱、液状化、良質など)を結びつけて即断し、迷った場合でも「沖積低地は軟弱」の原則から判断する。
06実務応用
実務シナリオ
顧客から「安い土地があるがどうか」と相談を受けた際、その土地が旧河道や後背湿地に位置していることを地図や情報から確認し、不同沈下リスクや基礎工事費用の増加を説明する。
実務への影響
地盤の良し悪しは、建設コスト(杭打ち基礎の必要性など)や建物の資産価値、地震時の安全性に直結するため、取引価格や契約判断に大きな影響を与える。
ケーススタディ
2000年以降の地震で、埋立地や旧河道に建てられた住宅が液状化や不同沈下により傾き、居住不能になった事例が多数報告されている。
業界関連性
不動産取引において、土地の物理的リスクを適切に説明し、顧客の安全と資産を守るための最も重要なチェック項目の一つ。
ニュース連動
近年の大雨による水害や、大規模地震時の液状化被害に関するニュースは、本問の地盤リスクと密接に関連している。
07よくある間違い
谷底平野を、扇状地や自然堤防と混同し、宅地に適していると判断する。
なぜ間違えるか:平地であることや水があることに引っ張られ、地盤の堆積過程や土質の違いを正しく認識していないため。
正しい理解:「平野」=「良い場所」という先入観を捨て、地盤の成因(堆積した土の種類)に注目して覚える。
自然堤防と後背湿地の特徴を逆に覚えている。
なぜ間違えるか:どちらが川に近くてどちらが奥にあるか、またどちらが比較的良質かを整理していないため。
正しい理解:「堤防」は「守る」場所だから少し高い=比較的良質、「背後」は水が溜まる=軟弱、とイメージで結びつける。
液状化が発生する地盤として、砂礫層よりもシルト質や砂質の層を選んでしまう。
なぜ間違えるか:液状化のメカニズム(水分を多く含んだ砂が振動で流動化する)を理解していない。
正しい理解:「液状化」=「水+砂」のイメージを持ち、砾(れき)のような大きな石が多い場所は起きにくいと覚える。
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