平成28年(2016)本試験

45

住宅瑕疵担保履行法過去問

この問題の全体像

この問題は、新築住宅の売主である宅建業者が講じなければならない資力確保措置(供託または保険契約)に関する内容と、買主への説明時期、行政への届出時期の正誤を判定するものです。

平成28年45
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
  • 1Aは、住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、当該住宅の床面積が100㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、2戸をもって1戸と数えることになる。
  • 2Aは、当該住宅をBに引き渡した日から3週間以内に、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について、宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
  • 3Aは、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をする場合、Bに対し、当該住宅の売買契約を締結するまでに、供託所の所在地等について記載した書面を交付して説明しなければならない。
  • 4Aは、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、Bが住宅の引渡しを受けた時から10年以内に当該住宅を転売したときは、住宅瑕疵担保責任保険法人にその旨を申し出て、当該保険契約の解除をしなければならない。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
この問題は、新築住宅の売主である宅建業者が講じなければならない資力確保措置(供託または保険契約)に関する内容と、買主への説明時期、行政への届出時期の正誤を判定するものです。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
この問題は、新築住宅の売主である宅建業者が講じなければならない資力確保措置(供託または保険契約)に関する内容と、買主への説明時期、行…
03
知識背景
この法律は、新築住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵による損害を担保するため、売主である宅建業者が資力確保措置(供託または保険契約の締…
04
覚え方
「供託はそのまま、保険は半額(100㎡以下)」「契約前の説明、引渡し前の届出」
05
試験のコツ
供託と保険の違い(戸数計算や手続き) ・説明と届出のタイミングの違い ・転売時の取り扱い(保険の継続)
06
実務での見え方
購入者が新築マンションを購入する際、売主の業者から「万が一会社が倒産しても補修費用は保証されます」という書面を受け取り、説明を受ける…
07
よくある間違い
{"mistake":"100㎡以下の戸数計算を供託にも適用してしまう。","why_wrong":"保険料算定の特例と供託金額算定…
02深度分析
要約
この問題は、新築住宅の売主である宅建業者が講じなければならない資力確保措置(供託または保険契約)に関する内容と、買主への説明時期、行政への届出時期の正誤を判定するものです。
法的根拠
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第11条特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第12条特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第15条民法第634条
論理の流れ
まず、資力確保措置には「供託」と「保険」の2種類があることを確認します。選択肢1は供託金額の算定における戸数計算のルール(2戸=1戸は保険のみ適用)が誤りです。選択肢2は届出時期が「引渡し後3週間以内」となっていますが、正しくは「引渡し前」です。選択肢3は契約前の説明義務について述べており、条文通り正しい記述です。選択肢4は転売時の保険解除について述べていますが、保険は住宅に付随するため解除の必要はありません。
重要な区別
「供託」と「保険」での取り扱いの違い(特に戸数計算)、および「契約前の説明」と「引渡し前の届出」という異なるタイミングの区別が重要です。
各選択肢のポイント
  • 2戸を1戸とみなす特例は、保険料算定の場合のみ適用され、供託金の額の算定では適用されない。
  • 届出は住宅の引き渡しまでに行わなければならず、引き渡し後3週間以内では遅すぎるため誤り。
  • 売買契約を締結するまでに、供託所の所在地等について記載した書面を交付して説明する必要がある。
  • 保険は住宅に付随するものであり、転売しても保険契約を解除する必要はなく、次の買主に権利が移転する。
03知識背景
テーマ概要
この法律は、新築住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵による損害を担保するため、売主である宅建業者が資力確保措置(供託または保険契約の締結)を講じることを義務付けています。これにより、業者が倒産等しても瑕疵の修補に必要な資金が確保され、住宅購入者が保護されます。
歴史的背景
2005年に発覚した構造計算書偽装問題(いわゆる「耐震偽装問題」)を背景に、住宅購入者の安心を確保するため、2007年に制定・施行されました。これにより、10年間の瑕疵担保責任の履行が強化されました。
関連法令
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律住宅の品質確保の促進等に関する法律宅地建物取引業法民法
体系的位置づけ
宅建試験の「宅建業法」または「法令上の制限」の分野における、関連法規としての重要な位置づけにあります。特に業者の義務履行に関する出題が多いです。
前提知識
民法における瑕疵担保責任(新築住宅の構造部分は10年間)の基本知識と、宅建業者が自ら売主となる場合の特別な義務について理解している必要があります。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「供託はそのまま、保険は半額(100㎡以下)」「契約前の説明、引渡し前の届出」
ビジュアル描写
契約締結時に「説明書」を手渡し、引き渡し時に「届出」を完了し、その後10年間保証が続くタイムラインをイメージする。
重要公式
保険料算定:床面積100㎡以下の住宅は2戸=1戸として計算する。
関連連想
保険はまとめて加入すると安くなる(小さい家は2つで1つ分)と覚えると、戸数計算の特例が思い出しやすい。
比較表
供託:金銭供託、戻ってくる可能性あり、戸数計算は1戸=1戸。保険:保険料支払、戻ってこない、100㎡以下は2戸=1戸として計算。
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題
重要度
A:最重要。数字や時期の暗記が必要な頻出論点であるため。
出題パターン
  • 供託と保険の違い(戸数計算や手続き)
  • 説明と届出のタイミングの違い
  • 転売時の取り扱い(保険の継続)
解法・消去法
「引渡し後」の届出や「転売時の解除」など、消費者に不利または手続きが煩雑になる記述は基本的に誤りと判断できる。
時間戦略
数字(100㎡、10年、3週間など)と動作(説明、届出、解除)の組み合わせを即座に判断できるよう、語呂合わせで暗記して短時間で解答する。
06実務応用
実務シナリオ
購入者が新築マンションを購入する際、売主の業者から「万が一会社が倒産しても補修費用は保証されます」という書面を受け取り、説明を受ける場面。
実務への影響
開発業者の倒産リスクに備え、住宅購入者の経済的損失を防止する安心感を提供し、住宅市場の信頼性を維持している。
ケーススタディ
建設会社が倒産したが、この法律に基づく保険が適用され、新規購入者の欠陥修繕費用が保険法人から支払われた事例がある。
業界関連性
新築住宅販売業者にとっては、コスト管理とリスク管理の両面で極めて重要な義務業務。
ニュース連動
耐震基準の見直しや長期優良住宅の普及に伴い、瑕疵担保責任の重要性が再認識されている。
07よくある間違い
100㎡以下の戸数計算を供託にも適用してしまう。
なぜ間違えるか:保険料算定の特例と供託金額算定のルールを混同するため。
説明と届出のタイミングを逆にする。
なぜ間違えるか:どちらも「前」に行う義務があるため、順序を混同しやすい。
転売時に保険契約を解除しなければならないと考える。
なぜ間違えるか:保険が「人」ではなく「住宅」に付いていると理解していないため。
解説は、まだ続きます
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