令和2年(2020)本試験
問119
法令上の制限盛土規制法過去問
この問題の全体像
宅地造成及び特定盛土等規制法における宅地造成等工事規制区域の指定権者を問う問題。選択肢1が誤りであり、指定権者は都道府県知事(指定都市・中核市にあってはその長)であって、国土交通大臣ではない点が核心である。
宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1宅地造成等工事規制区域は、宅地造成等に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地若しくは市街地となろうとする土地の区域又は集落の区域(これらの区域に隣接し、又は近接する土地の区域を含む。)であって、宅地造成等に関する工事につき規制を行う必要があるものについて、国土交通大臣が指定することができる。
- 2宅地造成等工事規制区域内において宅地造成等に関する工事を行う場合、宅地造成等に伴う災害を防止するために行う高さが5mを超える擁壁の設置に係る工事については、政令で定める資格を有する者の設計によらなければならない。
- 3都道府県(地方自治法に基づく指定都市又は中核市の区域にあっては、それぞれ指定都市又は中核市)は、基礎調査のために行う測量又は調査のため他人の占有する土地に立ち入ったことにより他人に損失を与えた場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
- 4宅地造成及び特定盛土等規制法第12条第1項本文の許可を受けた宅地造成又は特定盛土等に関する工事が完了した場合、工事主は、都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市及び中核市にあってはその長)の検査を申請しなければならない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
宅地造成及び特定盛土等規制法における宅地造成等工事規制区域の指定権者を問う問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅地造成及び特定盛土等規制法における宅地造成等工事規制区域の指定権者を問う問題。選択肢1が誤りであり、指定権者は都道府県知事(指定都…
03
知識背景
宅地造成及び特定盛土等規制法は、宅地造成に伴う災害を防止し、公共の安全を確保することを目的とする法律である。宅地造成等工事規制区域の…
04
覚え方
宅地造成の指定権者は「地元の知事」=都道府県知事。国(国土交通大臣)ではなく地方の権限と覚える。「宅地は地元が守る」とイメージ。
05
試験のコツ
指定権者を国と地方で入れ替える引っかけ
・許可が必要な工事規模の数値を変更
・検査申請の期限や申請先を変更
06
実務での見え方
宅建業者が造成工事を計画する際、対象地が宅地造成等工事規制区域内か確認が必要。区域内なら都道府県知事の許可が必要となり、設計は資格者…
07
よくある間違い
{"mistake":"宅地造成等工事規制区域の指定権者を国土交通大臣と誤認する。","why_wrong":"国の法律だから国の大…
02深度分析
要約
宅地造成及び特定盛土等規制法における宅地造成等工事規制区域の指定権者を問う問題。選択肢1が誤りであり、指定権者は都道府県知事(指定都市・中核市にあってはその長)であって、国土交通大臣ではない点が核心である。
法的根拠
宅地造成及び特定盛土等規制法第3条第1項宅地造成及び特定盛土等規制法第10条宅地造成及び特定盛土等規制法第6条宅地造成及び特定盛土等規制法第13条地方自治法第252条の19
論理の流れ
まず宅地造成等工事規制区域の指定権者を確認する。同法第3条第1項により、指定権者は都道府県知事であり、国土交通大臣ではない。次に他の選択肢の正誤を確認する。選択肢2は高さ5mを超える擁壁の設計資格について正しい記述。選択肢3は基礎調査による損失補償について正しい記述。選択肢4は工事完了後の検査申請について正しい記述。よって誤っているのは選択肢1と確定する。
重要な区別
宅地造成等工事規制区域の指定権者は都道府県知事(指定都市・中核市はその長)であり、国土交通大臣ではない。この「地方自治体の権限」という点が最大の判断ポイントである。
各選択肢のポイント
- 宅地造成等工事規制区域の指定権者は都道府県知事であり、国土交通大臣ではない。これが誤りである。
- 高さ5mを超える擁壁の設置工事は、政令で定める資格を有する者の設計によらなければならないという正しい記述である。
- 基礎調査のため立ち入りにより損失を与えた場合、通常生ずべき損失を補償しなければならないという正しい記述である。
- 許可を受けた工事完了後、工事主は知事(指定都市・中核市はその長)の検査を申請しなければならないという正しい記述である。
03知識背景
テーマ概要
宅地造成及び特定盛土等規制法は、宅地造成に伴う災害を防止し、公共の安全を確保することを目的とする法律である。宅地造成等工事規制区域の指定、工事の許可、技術的基準、完了検査などの規制体系から成る。令元に「宅地造成等規制法」から現名称に改正された。
歴史的背景
1961年(昭和36年)に宅地造成等規制法として制定。斜面地での宅地開発に伴う土砂災害防止が目的。2019年(令元年)に特定盛土等規制を追加し、現在の名称に改正。2020年問題として盛土規制が強化された。
関連法令
宅地造成及び特定盛土等規制法建築基準法都市計画法土砂災害防止法地方自治法
体系的位置づけ
宅建試験の法令制限分野において、宅地造成規制は重要論点の一つ。特に規制区域の指定、許可制度、技術的基準は頻出であり、権限の所在(国か地方か)の区別が試験のポイントとなる。
前提知識
宅地造成等工事規制区域の意味、切土・盛土の定義、擁壁の設置基準、都道府県知事と指定都市・中核市の長の権限関係を理解しておく必要がある。また、地方自治法における指定都市・中核市の特例も前提知識となる。
04記憶テクニック
語呂合わせ
宅地造成の指定権者は「地元の知事」=都道府県知事。国(国土交通大臣)ではなく地方の権限と覚える。「宅地は地元が守る」とイメージ。
ビジュアル描写
ピラミッド図をイメージ。頂点に国土交通大臣、中段に都道府県知事、下段に市町村長。宅地造成規制区域の指定は中段の知事の権限。国の直接関与ではない。
重要公式
宅地造成等工事規制区域の指定=都道府県知事(指定都市・中核市はその長)。擁壁高さ5m超=資格者設計必須。
関連連想
「宅地」は「土地」に関連→「地方」の権限。国土交通大臣は「国土」レベルの広域的な事項を担当。この連想で権限の所在を記憶する。
比較表
指定権者比較:宅地造成等工事規制区域→都道府県知事/都市計画区域→都道府県知事又は市町村/準都市計画区域→市町村。国の大臣が直接指定する区域は限定的。
05試験テクニック
出題頻度
宅地造成規制法からの出題は毎年1問程度。権限の所在、許可制度、技術的基準が交互に出題される傾向にある。
重要度
A:最重要。宅地造成規制は法令制限の基本分野であり、権限の所在は他法令でも共通する重要論点のため確実に習得が必要。
出題パターン
- 指定権者を国と地方で入れ替える引っかけ
- 許可が必要な工事規模の数値を変更
- 検査申請の期限や申請先を変更
解法・消去法
「国土交通大臣」が出てきたら要注意。宅地造成規制では国の直接関与は限定的。地方自治の観点から都道府県知事の権限と考えると消去しやすい。
時間戦略
権限の所在は即断可能。国か地方かで迷ったら、宅地造成は地方の権限と覚えておくと時間短縮になる。他の選択肢は条文知識で確認。
06実務応用
実務シナリオ
宅建業者が造成工事を計画する際、対象地が宅地造成等工事規制区域内か確認が必要。区域内なら都道府県知事の許可が必要となり、設計は資格者によるものとしなければならない。実務で頻繁に遭遇する場面である。
実務への影響
宅地造成規制区域内の土地取引では、造成工事の許可状況、完了検査の結果が重要な調査事項となる。不動産登記簿に区域内外の記載があり、取引の可否や価値に直結する。
ケーススタディ
山地を切り開いて宅地分譲を行う開発業者の事例。宅地造成等工事規制区域内であることが判明し、都道府県知事の許可を取得。高さ6mの擁壁設置が必要となり、技術士の設計を依頼。完了検査合格後に分譲開始。
業界関連性
宅建業者にとって、宅地造成規制区域の知識は必須。区域内の土地の取引、造成工事の可否、許認手続きの理解が実務の質を左右する。
ニュース連動
近年、線状降水帯による土砂災害が増加。宅地造成規制の見直しや特定盛土規制の追加が社会的関心事。熱海市伊豆山の土砂災害以降、盛土規制の重要性が再認識されている。
07よくある間違い
宅地造成等工事規制区域の指定権者を国土交通大臣と誤認する。
なぜ間違えるか:国の法律だから国の大臣が指定すると直感的に考えがち。地方分権の観点が欠如している。
正しい理解:「宅地造成は地元が守る」と覚える。国の大臣が直接指定するのは例外的な事項のみと意識する。
指定都市・中核市の長の権限を都道府県知事と混同する。
なぜ間違えるか:地方自治法の特例規定を理解していない。指定都市・中核市では都道府県の権限が市に移譲される。
正しい理解:「指定都市・中核市=都道府県の権限を市長が行使」と整理。括弧書きの特例規定に注目する習慣をつける。
擁壁の高さの基準(5m)を他の数値と混同する。
なぜ間違えるか:切土・盛土の基準(3m)や他の数値と混同し、正確に記憶していない。
正しい理解:「3mで擁壁必要、5m超で資格者設計」と覚える。数値は昇順で重要度が上がるとイメージする。
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