令和2年(2020)本試験
問132
重要事項説明書(35条書面)(個数問題)過去問
この問題の全体像
宅建業法35条の重要事項説明義務に関する問題。急傾斜地崩壊危険区域、土砂災害警戒区域、重要文化財の譲渡制限、津波防護施設区域の各ケースについて、説明義務の有無を問う。各法令に基づく制限の説明要否を正確に判断する必要がある。
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
ア 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項により指定された急傾斜地崩壊危険区域にあるときは、同法第7条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。
イ 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。
ウ 宅地の貸借の媒介を行う場合、文化財保護法第46条第1項及び第5項の規定による重要文化財の譲渡に関する制限について、その概要を説明する必要はない。
エ 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が津波防災地域づくりに関する法律第21条第1項により指定された津波防護施設区域内にあるときは、同法第23条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。
- 1一つ
- 2二つ
- 3三つ
- 4四つ
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
宅建業法35条の重要事項説明義務に関する問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業法35条の重要事項説明義務に関する問題。急傾斜地崩壊危険区域、土砂災害警戒区域、重要文化財の譲渡制限、津波防護施設区域の各ケー…
03
知識背景
宅建業法35条は、宅建業者が契約の相手方に対して重要事項を説明する義務を定める。説明内容は、法令制限、権利関係、支払金額等、契約の重…
04
覚え方
「急傾斜・土砂災害・津波防護」は区域指定の事実説明。「制限概要」は建築等の行為制限がある場合。文化財は「譲渡制限」で対象物件が重要文…
05
試験のコツ
特定の区域指定と説明義務の組み合わせ問題
・売買と貸借での説明事項の違いを問う問題
・説明すべき事項と不要な事項の組み合わせ問題
06
実務での見え方
宅建業者が不動産売買・賃貸の媒介を行う際、重要事項説明書を作成し、相手方に説明する。災害リスクのある物件では、区域指定の事実を開示し…
07
よくある間違い
{"mistake":"貸借の場合は区域指定の説明が不要と誤解する","why_wrong":"売買と貸借で説明事項に違いがあるが、…
02深度分析
要約
宅建業法35条の重要事項説明義務に関する問題。急傾斜地崩壊危険区域、土砂災害警戒区域、重要文化財の譲渡制限、津波防護施設区域の各ケースについて、説明義務の有無を問う。各法令に基づく制限の説明要否を正確に判断する必要がある。
法的根拠
宅建業法第35条第1項各号急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項・第7条第1項土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条第1項文化財保護法第46条第1項・第5項津波防災地域づくりに関する法律第21条第1項・第23条第1項
論理の流れ
宅建業法35条1項3号は土砂災害警戒区域・急傾斜地崩壊危険区域内の物件について説明義務を規定。同条1項4号は津波防護施設区域内の物件について説明義務を規定。同条1項5号は重要文化財の譲渡制限の概要説明を規定するが、宅地の貸借で当該宅地が重要文化財でない場合は説明不要。各法令の指定区域・制限内容と35条の対応関係を確認し、全て正しいと判断。
重要な区別
35条各号の説明義務が発生する具体的条件の理解。特に「区域内にあること」の説明と「制限の概要」の説明の違い、および取引態様(売買・貸借)による説明要否の区別が重要。
各選択肢のポイント
- ア・イ・ウ・エすべて正しいため。
- ア・イ・ウ・エすべて正しいため。
- ア・イ・ウ・エすべて正しいため。
- ア・イ・ウ・エすべて正しいため。
03知識背景
テーマ概要
宅建業法35条は、宅建業者が契約の相手方に対して重要事項を説明する義務を定める。説明内容は、法令制限、権利関係、支払金額等、契約の重要な要素を網羅する。特に災害関連区域の指定、都市計画法等の制限、文化財保護法の制限等、買主・借主が知るべき重要情報の開示を目的とする。
歴史的背景
35条は1980年改正で大幅に拡充され、その後も災害対策関連法の整備に伴い説明事項が追加されてきた。2011年東日本大震災後、津波防災法の改正に伴い津波防護施設区域の説明が追加されるなど、社会情勢を反映して改正されている。
関連法令
宅建業法第35条都市計画法第29条建築基準法第48条土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律津波防災地域づくりに関する法律
体系的位置づけ
宅建業法の中で最も重要な規定の一つ。業法科目の核心であり、毎年必ず出題される重要論点。37条書面と並ぶ契約手続きの二本柱。
前提知識
35条書面の説明事項38項目の分類、各種災害関連法律の指定区域制度、売買と貸借での説明事項の違い、重要文化財の指定制度、都市計画制限の基本構造を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「急傾斜・土砂災害・津波防護」は区域指定の事実説明。「制限概要」は建築等の行為制限がある場合。文化財は「譲渡制限」で対象物件が重要文化財の時のみ。
ビジュアル描写
35条説明事項を「権利関係」「法令制限」「金銭」「物理的状況」の4グループに分類。災害区域は法令制限グループ。区域指定→制限内容の2段階でイメージ。
重要公式
区域内=説明必須、制限概要=行為規制ある場合、貸借でも区域指定は説明、文化財は対象物件のみ
関連連想
「災害」→「区域指定」→「説明義務」の連想。東日本大震災→津波防護区域追加。土砂災害→土砂災害警戒区域。急傾斜地→崩壊危険区域。
比較表
【区域指定の説明】急傾斜地崩壊危険区域→区域内である旨/土砂災害警戒区域→区域内である旨/津波防護施設区域→区域内+制限概要/文化財→重要文化財の場合譲渡制限概要
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題。35条重要事項説明は宅建試験の最重要論点の一つ。
重要度
A:最重要。宅建業法の核心的规定であり、実務でも日常的に使用する知識。
出題パターン
- 特定の区域指定と説明義務の組み合わせ問題
- 売買と貸借での説明事項の違いを問う問題
- 説明すべき事項と不要な事項の組み合わせ問題
解法・消去法
「説明不要」という記述は要注意。区域指定は原則として説明必要。文化財関連は対象物件かどうかで判断。貸借でも区域指定の説明は必要。
時間戦略
35条関連問題は知識があれば1分以内で解答可能。各号の説明事項を瞬時に判断できるよう整理しておく。時間をかけすぎない。
06実務応用
実務シナリオ
宅建業者が不動産売買・賃貸の媒介を行う際、重要事項説明書を作成し、相手方に説明する。災害リスクのある物件では、区域指定の事実を開示し、買主・借主がリスクを理解した上で契約判断できるよう支援する。
実務への影響
重要事項説明義務違反は宅建業者の業務停止処分の対象となり得る。説明不足による契約トラブルを防ぎ、消費者保護と取引の安全を確保する。
ケーススタディ
山間部の宅地分譲案件で、急傾斜地崩壊危険区域内であることを説明せずに契約させた業者が、買主からの損害賠償請求を受けた事例。35条違反として監督処分も受けた。
業界関連性
不動産取引の透明性と信頼性を担保する制度。宅建業者の専門性と社会的責任を象徴する規定として業界で極めて重要。
ニュース連動
近年の災害多発により、土砂災害警戒区域や津波防護区域の指定が拡大。説明義務の重要性が増している。
07よくある間違い
貸借の場合は区域指定の説明が不要と誤解する
なぜ間違えるか:売買と貸借で説明事項に違いがあるが、区域指定の説明は貸借でも必要と誤解しやすい
正しい理解:「区域指定=常に説明必要」と覚える。貸借で説明不要になるのは金銭面や一部の法令制限のみ。
重要文化財の譲渡制限を全ケースで説明必要と誤解
なぜ間違えるか:文化財保護法の制限を全ての取引で説明が必要と考え、対象物件かどうかを確認しない
正しい理解:「重要文化財の譲渡制限」→「当該物件が重要文化財の時のみ」と条件を確認する習慣をつける。
「区域内である旨」と「制限の概要」の説明内容を混同
なぜ間違えるか:区域指定の事実と制限内容の説明を同一視し、どちらか一方で十分と誤解する
正しい理解:各法令について「区域内の旨のみ」「制限概要のみ」「両方」のパターンを整理して覚える。
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