令和2年(2020)本試験
問140
業務に関する規制過去問
この問題の全体像
宅建業法第47条の2及び第47条の3に規定される業務上の禁止行為に関する問題。再勧誘の禁止、手付の貸付け禁止、判断時間確保の義務、価格交渉の適否について、各規定の要件と効果を正確に理解することが求められる。
宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)に規定する業務に関する禁止事項についての次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1宅地建物取引業者が、マンション販売の勧誘をするに際し、相手方から購入を希望しない旨の返事があった後に、当該勧誘を継続することは法に違反しない。
- 2宅地建物取引業者は、契約の相手方に対して資金不足を理由に手付の貸付けを行ったが、契約締結後償還された場合は法に違反しない。
- 3宅地建物取引業者は、契約の締結の勧誘をするに際し、理由の如何を問わず、相手方に対して当該契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒んではならない。
- 4宅地建物取引業者は、勧誘の相手方が金銭的に不安であることを述べたため、売買代金の額を引き下げて、契約の締結を勧誘したとしても、法に違反しない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
宅建業法第47条の2及び第47条の3に規定される業務上の禁止行為に関する問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業法第47条の2及び第47条の3に規定される業務上の禁止行為に関する問題。再勧誘の禁止、手付の貸付け禁止、判断時間確保の義務、価…
03
知識背景
宅建業法における業務上の禁止規定は、消費者保護と取引の公正を確保するための核心的制度。主に威迫・困惑行為の禁止、再勧誘の禁止、手付貸…
04
覚え方
「再勧誘は断られたら即中止」「手付貸しはダメ絶対」「判断時間は正当理由あればOK」「値引き交渉は健全商売」。4つの禁止行為を「再・手…
05
試験のコツ
禁止行為の具体例の正誤判定
・「正当な理由なく」の有無を問う問題
・事後的な事情による違反性の有無
06
実務での見え方
現場では顧客からの「検討したい」「予算が足りない」等の発言への対応が日常的に発生。これらへの適切な対応として、判断時間を与える、価格…
07
よくある間違い
{"mistake":"選択肢2を正しいと判断してしまう。事後的に償還されれば問題ないと考える。","why_wrong":"手付貸…
02深度分析
要約
宅建業法第47条の2及び第47条の3に規定される業務上の禁止行為に関する問題。再勧誘の禁止、手付の貸付け禁止、判断時間確保の義務、価格交渉の適否について、各規定の要件と効果を正確に理解することが求められる。
法的根拠
宅建業法第47条の2第1号(再勧誘の禁止)宅建業法第47条の3(手付の貸付け等の禁止)宅建業法第47条の2第4号(判断時間の確保)宅建業法第47条の2第3号(威迫・困惑させる行為の禁止)
論理の流れ
選択肢1は再勧誘禁止規定に抵触し違反。選択肢2は手付貸付け禁止規定に該当し、事後償還でも違反性は消滅しない。選択肢3は「正当な理由なく」という要件が欠けており誤り。選択肢4は価格交渉は禁止行為に該当せず適法。以上より正解は4。
重要な区別
禁止行為の要件として「正当な理由なく」がある規定とない規定の区別。また、手付貸付け禁止は行為時で判断され、事後的な事情は考慮されない点が重要。
各選択肢のポイント
- 宅建業法第47条の2第1号により、拒絶の意思表示後の勧誘継続は禁止行為に該当し違反となる。
- 手付の貸付けは第47条の3で禁止されており、事後的な償還によって違反性が消滅することはない。
- 第47条の2第4号は「正当な理由なく」判断時間を与えることを拒むことを禁止しており、「理由の如何を問わず」は誤り。
- 価格の引き下げによる勧誘は、手付貸付け等の禁止行為には該当せず、適法な契約締結の勧誘方法である。
03知識背景
テーマ概要
宅建業法における業務上の禁止規定は、消費者保護と取引の公正を確保するための核心的制度。主に威迫・困惑行為の禁止、再勧誘の禁止、手付貸付け等の禁止、判断時間確保の義務などが規定されている。これらは宅建業者の誠実義務の具体的表れである。
歴史的背景
昭和45年の宅建業法制定時から基本構造は存在。その後、消費者保護の観点から昭和57年改正で禁止行為が拡充され、平成16年改正で第47条の2として整理された。再勧誘禁止は平成16年改正で新設された重要規定。
関連法令
宅建業法第47条の2(威迫・困惑行為等の禁止)宅建業法第47条の3(手付の貸付け等の禁止)宅建業法第65条(罰則)消費者契約法第4条(消費者の意思に基づかない契約の禁止)
体系的位置づけ
宅建業法の業務規制の中核をなす分野。業法試験において毎年必出の重要論点であり、禁止行為の具体例と要件は暗記必須レベル。罰則規定とのセット理解も必要。
前提知識
宅建業者の誠実義務(法第31条)、手付の性質(民法第557条)、消費者保護法務の基礎概念。各禁止規定の要件と効果、違反時の罰則(6ヶ月以下の懲役又は100万円以下の罰金)を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「再勧誘は断られたら即中止」「手付貸しはダメ絶対」「判断時間は正当理由あればOK」「値引き交渉は健全商売」。4つの禁止行為を「再・手・威・時」で覚える。
ビジュアル描写
禁止行為を信号機でイメージ。再勧誘=赤信号(絶対禁止)、手付貸付=赤信号(絶対禁止)、判断時間拒否=黄信号(正当理由あれば可)、値引き=青信号(適法)。
重要公式
第47条の2:威迫・困惑行為、再勧誘、長時間勧誘、判断時間拒否。第47条の3:手付貸付等による契約誘引。違反=6月以下懲役or100万円以下罰金。
関連連想
「消費者が困る行為は禁止」という視点で整理。断っているのに続ける、金がないのに買わせる、考えたいのに急かす→これらは消費者の意思に反する行為。
比較表
再勧誘禁止:拒絶後は絶対禁止/判断時間:正当理由あれば拒否可/手付貸付:事後償還でも違反/値引き交渉:適法な商行為。各規定で「正当理由」の要否が異なる点に注意。
05試験テクニック
出題頻度
毎年必出。業務上の規制は業法の中でも最も出題頻度が高く、様々な角度から問われる。
重要度
A:最重要。宅建業法の核心的分野であり、実務でも直接関わる知識。確実に得点すべき。
出題パターン
- 禁止行為の具体例の正誤判定
- 「正当な理由なく」の有無を問う問題
- 事後的な事情による違反性の有無
解法・消去法
「絶対禁止」と「正当理由があれば可」の規定を分類。手付貸付・再勧誘は絶対禁止。事後的な事情は考慮されない点を活用して消去。
時間戦略
禁止行為の規定を暗記していれば1分以内で解答可能。各規定の要件を瞬時に判断できるよう反復練習が必要。
06実務応用
実務シナリオ
現場では顧客からの「検討したい」「予算が足りない」等の発言への対応が日常的に発生。これらへの適切な対応として、判断時間を与える、価格交渉を行う等の方法は適法だが、手付の分割払い提案等は違反となる。
実務への影響
違反時は免許取消や業務停止の行政処分、刑事罰の対象。実務では社内研修やマニュアル整備で違反防止を徹底。消費者トラブルの予防にも直結。
ケーススタディ
マンション販売現場で客が「買わない」と明言した後の再勧誘は違反。また、手付金不足の客に「後で払えばいい」と契約を急がせる行為も違反。一方、客の予算に合わせて価格を下げる提案は適法な商談。
業界関連性
不動産業界の信頼性確保に不可欠な規制。不適切な勧誘による消費者被害を防止し、公正な取引秩序を維持する基盤的制度。
ニュース連動
近年の消費者庁の調査では不動産取引の苦情が依然として多く、特に高齢者への勧誘問題が注目。禁止規定の理解と遵守の重要性が増している。
07よくある間違い
選択肢2を正しいと判断してしまう。事後的に償還されれば問題ないと考える。
なぜ間違えるか:手付貸付禁止は契約誘引行為自体を禁止しており、事後的な事情は違反性の判断に関係しないと誤解している。
正しい理解:禁止行為は「行為時」で判断され、事後的な事情は考慮されないと覚える。刑法と同様、行為時の違法性が問題。
選択肢3を正しいと判断。「理由の如何を問わず」を正確な規定と誤認。
なぜ間違えるか:第47条の2第4号の「正当な理由なく」という要件を見落としている。条文の正確な文言を覚えていない。
正しい理解:各規定に「正当な理由なく」があるかないかを整理して暗記。再勧誘には理由の有無を問わず禁止、判断時間拒否には正当理由あれば可。
選択肢4を違反と判断。価格引き下げも不当な勧誘と考える。
なぜ間違えるか:禁止行為の範囲を過度に広く解釈している。正当な商行為と禁止行為の区別ができていない。
正しい理解:禁止行為は「消費者の意思に反する行為」「消費者を困惑させる行為」に限定。通常の商談・交渉は適法と判断する。
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