令和2年(2020)本試験
問245
住宅瑕疵担保履行法過去問
この問題の全体像
宅建業者が自ら売主として宅建業者でない買主に新築住宅を販売する場合の住宅瑕疵担保責任履行法上の義務に関する問題。保証金供託の取戻し条件、届出期限、適用対象者を正確に理解する必要がある。
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
- 1Aが媒介を依頼した宅地建物取引業者又はBが住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をしていれば、Aは住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う必要はない。
- 2Aが住宅販売瑕疵担保保証金の供託をし、その額が、基準日において、販売新築住宅の合計戸数を基礎として算定する基準額を超えることとなった場合、甲県知事の承認を受けた上で、その超過額を取り戻すことができる。
- 3新築住宅をBに引き渡したAは、基準日ごとに基準日から50日以内に、当該基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について、甲県知事に届け出なければならない。
- 4Bが宅地建物取引業者である場合であっても、Aは、Bに引き渡した新築住宅について、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
宅建業者が自ら売主として宅建業者でない買主に新築住宅を販売する場合の住宅瑕疵担保責任履行法上の義務に関する問題。
この問題は、5 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業者が自ら売主として宅建業者でない買主に新築住宅を販売する場合の住宅瑕疵担保責任履行法上の義務に関する問題。保証金供託の取戻し条…
03
知識背景
住宅瑕疵担保責任履行法は、新築住宅の瑕疵担保責任の履行を確保するため、宅建業者である売主に保証金の供託または保険契約の締結を義務付け…
04
覚え方
「供託超過は知事承認で取戻し」「届出は30日(さんじゅうにち)で間に合わす」。数字の30を「さん(3)つのお(0)知らせ」と覚える。
05
試験のコツ
適用対象の判定(買主が宅建業者かどうか)
・届出期限の数字(30日か50日か等)
・取戻しの手続き(知事承認の要否)
06
実務での見え方
宅建業者が新築分譲住宅を販売する際、法務担当者は保証金供託または保険契約のどちらを採用するか検討。供託の場合は資金繰り、保険の場合は…
02深度分析
要約
宅建業者が自ら売主として宅建業者でない買主に新築住宅を販売する場合の住宅瑕疵担保責任履行法上の義務に関する問題。保証金供託の取戻し条件、届出期限、適用対象者を正確に理解する必要がある。
法的根拠
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第3条特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第20条特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第22条特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第2条
論理の流れ
まず、本法の適用要件として売主が宅建業者で買主が宅建業者でないことを確認する。次に、売主の義務として保証金供託または保険契約締結のいずれかが必要。供託額が基準額を超えた場合の取戻しには知事の承認が必要。届出期限は基準日から30日以内と覚える。各選択肢を条文に照らして検証する。
重要な区別
本法の適用対象は「宅建業者が自ら売主として宅建業者でない買主に新築住宅を販売する場合」に限定される。買主が宅建業者の場合は適用除外となる点が重要。
各選択肢のポイント
- 売主であるA自らが供託または保険契約を行う義務があり、媒介業者や買主の行為では免除されない。
- 供託額が基準額を超えた場合、知事の承認を受けて超過額を取り戻すことができるとする条文どおりの記述。
- 届出期限は基準日から50日以内ではなく、30日以内とされている。数字の誤りを問う典型的なひっかけ。
- 買主が宅建業者である場合は本法の適用対象外であり、供託・保険契約の義務は生じない。
03知識背景
テーマ概要
住宅瑕疵担保責任履行法は、新築住宅の瑕疵担保責任の履行を確保するため、宅建業者である売主に保証金の供託または保険契約の締結を義務付ける法律。買主を保護し、瑕疵が生じた際の救済を図ることを目的とする。
歴史的背景
2006年に制定され、2007年4月から施行。それまで瑕疵担保責任の履行確保が不十分だったことから、売主の資力確保を義務化。2009年には一部改正が行われ、制度の運用が整備された。
関連法令
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律宅地建物取引業法第41条の2民法第566条住宅の品質確保の促進等に関する法律
体系的位置づけ
宅建試験の業法分野において、宅建業者の義務・責任の重要論点。宅建業法と並ぶ買主保護制度として位置づけられ、毎年1問程度出題される。
前提知識
瑕疵担保責任の基本概念、宅建業法における8種類の書面、保証金制度の仕組み、新築住宅の定義(新築住宅に係る瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第2条)を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「供託超過は知事承認で取戻し」「届出は30日(さんじゅうにち)で間に合わす」。数字の30を「さん(3)つのお(0)知らせ」と覚える。
ビジュアル描写
売主(宅建業者)→保証金供託または保険契約→買主(宅建業者以外)を保護。基準日ごとに供託額をチェックし、超過分は知事承認で取戻しのイメージ。
重要公式
適用対象:売主=宅建業者、買主=宅建業者以外。届出期限:基準日から30日以内。取戻し条件:知事の承認+基準額超過。
関連連想
「瑕疵担保=欠陥の保証」→「保証金=金で保証」「保険=保険で保証」の2本柱と連想。
比較表
保証金供託:金銭を供託所へ預ける、取戻し可能。保険契約:保険会社と契約、保険料支払い必要。両者は選択的関係にあり、いずれか一つで義務履行。
05試験テクニック
出題頻度
住宅瑕疵担保責任履行法は毎年1問程度出題される。本問のような適用要件や手続きの細かい数字を問う問題が多い。
重要度
A:最重要。宅建業者の義務に関する基本的事項であり、実務でも直接関わる内容のため確実に習得が必要。
出題パターン
- 適用対象の判定(買主が宅建業者かどうか)
- 届出期限の数字(30日か50日か等)
- 取戻しの手続き(知事承認の要否)
解法・消去法
買主が宅建業者の場合は適用外として選択肢を消去。数字の「50日」は「30日」の誤りとして処理。媒介業者の行為で義務免除はない点も消去根拠。
時間戦略
適用対象の判定を先に行い、条文の数字(期限等)を確認して選択肢を消去。2分以内で解答を目指す。
06実務応用
実務シナリオ
宅建業者が新築分譲住宅を販売する際、法務担当者は保証金供託または保険契約のどちらを採用するか検討。供託の場合は資金繰り、保険の場合は保険料との比較検討が必要。
実務への影響
本制度により、買主は売主の倒産時でも供託金から弁済を受けられる。宅建業者にとっては資金負担となるが、買主保護の観点から義務化されている。
ケーススタディ
A社が新築戸建住宅10戸を分譲。保証金供託を選択し、基準日時点で基準額を上回っていた。知事の承認を得て超過額500万円を取戻し、運転資金に充当した事例。
業界関連性
新築住宅販売を行う宅建業者にとって必須の制度。建設業者やハウスメーカー系列の宅建業者では保険契約を選択するケースが多い。
ニュース連動
近年の住宅瑕疵トラブルの報道増加により、本制度の重要性が高まっている。構造計算書偽造問題等でも買主保護の観点から注目された。
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