令和2年(2020)本試験
問244
重要事項説明書(35条書面)過去問
この問題の全体像
宅建業法第35条の重要事項説明に関する問題で、耐震診断、敷金精算、信託受益権、区分所有建物の修繕積立金の説明義務が問われている。特に区分所有建物の修繕積立金については、規約の内容だけでなく既積立額の説明も必要である点が正解のポイント。
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、特に断りのない限り、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
- 1昭和55年に新築の工事に着手し完成した建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは、その内容を説明しなければならない。
- 2貸借の媒介を行う場合、敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項を説明しなければならない。
- 3自らを委託者とする宅地又は建物に係る信託の受益権の売主となる場合、取引の相手方が宅地建物取引業者であっても、重要事項説明書を交付して説明をしなければならない。
- 4区分所有建物の売買の媒介を行う場合、一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容を説明しなければならないが、既に積み立てられている額について説明する必要はない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
宅建業法第35条の重要事項説明に関する問題で、耐震診断、敷金精算、信託受益権、区分所有建物の修繕積立金の説明義務が問われている。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業法第35条の重要事項説明に関する問題で、耐震診断、敷金精算、信託受益権、区分所有建物の修繕積立金の説明義務が問われている。特に…
03
知識背景
宅建業法第35条は、宅建業者が宅地建物の売買・交換・貸借の媒介・代理を行う際、契約前に重要事項を説明し書面を交付することを義務付ける…
04
覚え方
修繕積立金は「規約+既積立額」のセットで覚える。「積立金は規約と額、両方説明してトラブルなし」
05
試験のコツ
説明義務の有無を問う問題
・説明事項の具体的内容を問う問題
・相手方が宅建業者の場合の特則を問う問題
・説明不要なケースを正解とする…
06
実務での見え方
不動産仲介業務において、重要事項説明書を作成・説明する際に本問の知識が必須。特にマンション取引では修繕積立金の既積立額を確認し説明す…
07
よくある間違い
{"mistake":"区分所有建物の修繕積立金で、既積立額の説明義務を忘れる","why_wrong":"規約の内容だけ説明すれば…
02深度分析
要約
宅建業法第35条の重要事項説明に関する問題で、耐震診断、敷金精算、信託受益権、区分所有建物の修繕積立金の説明義務が問われている。特に区分所有建物の修繕積立金については、規約の内容だけでなく既積立額の説明も必要である点が正解のポイント。
法的根拠
宅建業法第35条第1項宅建業法第35条第1項第9号宅建業法第35条第1項第11号の2宅建業法第35条第1項第13号宅建業法第35条第1項第14号
論理の流れ
各選択肢について、35条各号の説明義務の有無を確認する。選択肢1は昭和55年着手の建物で耐震診断の説明義務あり(正)。選択肢2は貸借媒介で敷金等の精算事項の説明義務あり(正)。選択肢3は信託受益権の売買で相手方が宅建業者でも説明義務あり(正)。選択肢4は区分所有建物で修繕積立金の既積立額の説明も義務付けられているため、「説明する必要はない」が誤り。
重要な区別
区分所有建物の修繕積立金に関する説明義務では、規約の定めの内容だけでなく、既に積み立てられている額についても説明が必要である点が重要。この「既積立額」の説明義務を忘れがち。
各選択肢のポイント
- 昭和56年5月以前に着手した建物で地方公共団体の耐震診断を受けた場合、その内容の説明義務がある(35条1項11号の2)。
- 貸借の媒介では敷金等の名称を問わず、契約終了時の精算に関する事項の説明義務がある(35条1項9号)。
- 信託受益権の売買では、相手方が宅建業者であっても重要事項説明書の交付・説明が必要(35条1項14号)。
- 区分所有建物の売買媒介では、修繕積立金の規約内容だけでなく、既積立額についても説明義務がある(35条1項13号)。
03知識背景
テーマ概要
宅建業法第35条は、宅建業者が宅地建物の売買・交換・貸借の媒介・代理を行う際、契約前に重要事項を説明し書面を交付することを義務付ける規定。取引の相手方を保護し、トラブルを未然に防ぐことを目的とする。説明者は宅建士に限られ、宅建士証を提示して行う必要がある。
歴史的背景
35条は消費者保護の観点から逐次改正され、耐震診断(2013年改正)、修繕積立金(2000年代)、信託受益権(2015年改正)など説明事項が拡充。近年はトラブル防止のため説明義務の範囲が拡大傾向にある。
関連法令
宅建業法第35条宅建業法第46条(帳簿の備付け等)宅建業法施行規則第16条の2区分所有法第19条建物の耐震改修の促進に関する法律
体系的位置づけ
宅建業法の核心的部分であり、毎年必ず出題される最重要論点の一つ。35条書面(重要事項説明書)と37条書面(契約書面)の対比は試験の定番テーマ。
前提知識
35条書面と37条書面の違い、宅建士が行う説明の重要性、区分所有法の基礎知識、信託受益権の概念、耐震診断制度の概要を理解しておく必要がある。
04記憶テクニック
語呂合わせ
修繕積立金は「規約+既積立額」のセットで覚える。「積立金は規約と額、両方説明してトラブルなし」
ビジュアル描写
区分所有建物の修繕積立金を「過去(既積立額)」と「未来(規約の内容)」の両面でイメージ。両方説明が必要と視覚化。
重要公式
区分所有建物の修繕積立金=規約の定めの内容+既に積み立てられている額(両方説明義務)
関連連想
マンション購入時、修繕積立金がいくら溜まっているかは重要。買主が知りたい情報=説明義務事項と連想。
比較表
35条書面(重要事項説明):契約前交付、宅建士が説明、相手方保護が目的/37条書面(契約書面):契約時交付、記名押印、契約内容の明確化が目的
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題される最重要論点。35条の説明事項は必ず1問以上出題される。
重要度
A:最重要。宅建業法の中核であり、実務でも日常的に使用する知識。
出題パターン
- 説明義務の有無を問う問題
- 説明事項の具体的内容を問う問題
- 相手方が宅建業者の場合の特則を問う問題
- 説明不要なケースを正解とする問題
解法・消去法
「説明する必要はない」「説明を要しない」等の否定表現に注目。説明義務の例外は限定的で、原則として説明が必要と考える。
時間戦略
35条関連問題は知識があれば1分以内で解く。各号の説明事項を瞬時に判断できるよう整理しておく。
06実務応用
実務シナリオ
不動産仲介業務において、重要事項説明書を作成・説明する際に本問の知識が必須。特にマンション取引では修繕積立金の既積立額を確認し説明することが、後のトラブル防止につながる。
実務への影響
重要事項説明を怠った場合、宅建業者は監督処分や罰則の対象となる。また、取引トラブルの原因となり、損害賠償責任を負う可能性がある。
ケーススタディ
中古マンション購入で修繕積立金の既積立額が少ない場合、将来の大規模修繕時に多額の追加負担が発生する可能性がある。この情報を事前に説明することで買主が適切な判断ができる。
業界関連性
不動産業界では重要事項説明の適正化が常に求められ、宅建士の職責として極めて重要な業務。
ニュース連動
近年、中古マンションの修繕積立金不足が社会問題化しており、説明義務の重要性が高まっている。
07よくある間違い
区分所有建物の修繕積立金で、既積立額の説明義務を忘れる
なぜ間違えるか:規約の内容だけ説明すればよいと誤解し、既積立額の説明義務を見落とす
正しい理解:修繕積立金は「規約+既積立額」の2点セットで覚える
相手方が宅建業者の場合、常に説明不要と誤解する
なぜ間違えるか:35条1項ただし書きの例外規定を過度に拡大解釈してしまう
正しい理解:「原則として説明義務あり」を基本とし、例外を個別に確認する
耐震診断の説明義務の対象期間を間違える
なぜ間違えるか:昭和56年6月以降の建物も対象と誤解、または対象外と誤解する
正しい理解:「昭和56年5月以前」を境界として覚える
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