令和7年(2025)本試験
問27
重要事項説明書(35条書面)過去問
この問題の全体像
宅建業法35条の重要事項説明に関する問題。区分所有建物の管理委託先情報の説明義務、売主時の説明範囲、説明場所、書面の記名要件について正誤を判断する。特に売主としての立場と媒介としての立場で説明義務が異なる点が重要。
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明及び重要事項説明書の交付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
- 1宅地建物取引業者は、区分所有建物の売買の媒介を行う場合に、当該一棟の建物及びその敷地の管理が法人に委託されているときは、その委託を受けている法人の商号又は名称及び主たる事務所の所在地を説明しなければならない。
- 2宅地建物取引業者は、自身が売主となる場合に、重要事項説明書の交付に当たり、専任の宅地建物取引士をして当該書面に記名させなければならず、また、買主にも当該書面に記名させなければならない。
- 3宅地建物取引業者は、重要事項を説明する際には、宅地建物取引業者の事務所において行わなければならない。
- 4宅地建物取引業者は、自身が売主となる場合であっても、買主に対して、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容を説明しなければならない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
宅建業法35条の重要事項説明に関する問題。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
宅建業法35条の重要事項説明に関する問題。区分所有建物の管理委託先情報の説明義務、売主時の説明範囲、説明場所、書面の記名要件について…
03
知識背景
宅建業法35条は重要事項説明制度を規定し、宅建業者が取引の相手方に物件の重要な事項を説明し、書面を交付することを義務付ける。説明事項…
04
覚え方
「媒介は全部、売主は免除」媒介契約では全ての重要事項を説明、売主は自己物件に関する事項は説明免除と覚える。
05
試験のコツ
媒介と売主の説明義務の違いを問う問題
・説明事項の具体的内容の正誤判定
・書面交付・記名押印の要件を問う問題
06
実務での見え方
実務では、重要事項説明書の作成と説明は宅建士の重要な業務。物件調査から説明事項を把握し、買主に分かりやすく説明する責任がある。説明不…
07
よくある間違い
{"mistake":"売主の場合も全ての重要事項を説明しなければならないと誤解する。","why_wrong":"35条2項の売主…
02深度分析
要約
宅建業法35条の重要事項説明に関する問題。区分所有建物の管理委託先情報の説明義務、売主時の説明範囲、説明場所、書面の記名要件について正誤を判断する。特に売主としての立場と媒介としての立場で説明義務が異なる点が重要。
法的根拠
宅建業法第35条第1項宅建業法第35条第2項宅建業法第35条第4項宅建業法第35条第1項第14号宅建業法施行規則第16条
論理の流れ
まず各選択肢が35条のどの規定に関連するかを特定する。選択肢1は35条1項14号の管理委託の説明義務に該当し、媒介の場合は説明が必要。選択肢2は35条4項の記名要件だが、買主の記名義務は法に規定がない。選択肢3は説明場所の制限についてだが、法に場所規定なし。選択肢4の天災損害負担は35条の重要事項説明事項ではなく37条書面の任意的記載事項であるため誤り。以上から選択肢1が正解。
重要な区別
最も重要な区別は、35条(重要事項説明)の記載事項と37条(契約書面)の記載事項の違い。天災損害負担は37条書面の任意的記載事項であり、35条の対象ではない。
各選択肢のポイント
- 宅建業法35条1項14号により、区分所有建物の媒介で管理が法人に委託されている場合、その法人の商号・名称及び主たる事務所の所在地の説明が必要。
- 宅建士の記名押印は必要だが、買主に記名させる義務は法に規定がない。買主は重要事項説明書に記名する法的義務を負わない。
- 宅建業法35条に説明場所の制限規定はなく、事務所以外の場所でも重要事項説明を行うことができる。
- 天災その他不可抗力による損害の負担は35条の重要事項説明の記載事項ではなく、37条書面(契約書面)の任意的記載事項。定めがある場合に37条書面に記載すべきであり、重要事項説明の対象ではない。
03知識背景
テーマ概要
宅建業法35条は重要事項説明制度を規定し、宅建業者が取引の相手方に物件の重要な事項を説明し、書面を交付することを義務付ける。説明事項は物件の状況、権利関係、取引条件など多岐にわたり、取引の公正と消費者保護を目的とする。
歴史的背景
重要事項説明制度は1971年の法改正で導入され、その後、説明事項の拡大が複数回行われた。耐震基準、瑕疵担保履行確保、管理規約などが追加され、消費者保護の強化が図られてきた。
関連法令
宅建業法第35条宅建業法第44条(秘密保持義務)宅建業法施行規則第16条区分所有法民法第570条
体系的位置づけ
宅建業法の核心的制度の一つで、宅建試験では毎年必出の最重要論点。権利関係、法令制限、取引条件と並ぶ重要分野。
前提知識
媒介と代理・売主の違い、区分所有建物の仕組み、管理委託の概念、瑕疵担保責任の基本、専任宅建士制度についての理解が必要。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「媒介は全部、売主は免除」媒介契約では全ての重要事項を説明、売主は自己物件に関する事項は説明免除と覚える。
ビジュアル描写
重要事項説明書を中心に、宅建士が記名押印し、相手方に交付する流れをイメージ。売主の場合は「自己物件=説明不要」の除外枠を設ける図解。
重要公式
媒介=説明義務あり、売主=自己物件免除、説明場所=制限なし、記名=宅建士のみ
関連連想
「売主は自分の物件のことは自分が一番知っている」から説明免除、と連想する。
比較表
35条書面(重要事項説明):物件状況・権利関係・法令制限・取引条件等を説明。天災損害負担は35条対象外/37条書面(契約書面):天災損害負担・瑕疵担保責任等は37条の任意的記載事項/共通:相手方への書面交付は必須
05試験テクニック
出題頻度
毎年出題される最重要論点。35条関連は必ず1問以上出題される。
重要度
A:最重要。宅建業法の中核的制度であり、実務でも日常的に活用される知識。
出題パターン
- 媒介と売主の説明義務の違いを問う問題
- 説明事項の具体的内容の正誤判定
- 書面交付・記名押印の要件を問う問題
解法・消去法
「売主の場合」の選択肢は説明免除の可能性が高い。「説明しなければならない」という表現で売主の場合は疑って検討する。
時間戦略
35条問題は知識があれば1分以内で解答可能。売主か媒介かをまず確認し、説明義務の有無を判断する。
06実務応用
実務シナリオ
実務では、重要事項説明書の作成と説明は宅建士の重要な業務。物件調査から説明事項を把握し、買主に分かりやすく説明する責任がある。説明不備はトラブルの原因となる。
実務への影響
重要事項説明制度は不動産取引の透明性を確保し、消費者保護の中核を担う。説明義務違反は業務停止処分の対象となる重大な違反。
ケーススタディ
マンション購入事例で、管理委託先の財務状況悪化が後に判明し、修繕積立金が急増したケース。重要事項説明で管理状況を十分に説明していれば、買主は事前にリスクを判断できた。
業界関連性
不動産業界では重要事項説明の質が業者の信頼性を左右する。適切な説明は事故防止と顧客満足度向上に直結する。
ニュース連動
近年、瑕疵担保責任の履行確保や耐震基準の説明義務強化が話題に。中古住宅の取引でも品質確保が重視されている。
07よくある間違い
売主の場合も全ての重要事項を説明しなければならないと誤解する。
なぜ間違えるか:35条2項の売主除外規定を見落とし、媒介と売主の説明義務を同一視するため。
正しい理解:問題文で「売主」「媒介」の区別を最初に確認し、売主の場合は除外規定の適用を検討する習慣をつける。
重要事項説明は事務所で行わなければならないと誤解する。
なぜ間違えるか:法に場所制限がないことを知らず、事務所でのみ説明可能と思い込むため。
正しい理解:「説明場所の制限」に関する規定は法にないことを確認し、場所制限の選択肢は誤りと判断する。
買主にも重要事項説明書への記名が必要と誤解する。
なぜ間違えるか:宅建士の記名押印義務と混同し、双方の記名が必要と勘違いするため。
正しい理解:「記名押印=宅建士のみ」と覚え、買主の記名に関する選択肢は疑って検討する。
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