令和3年(2021)本試験
問125
税・その他地価公示法過去問
この問題の全体像
地価公示法に関する問題で、不動産鑑定士が公示区域内の土地の鑑定評価を行う際の規準について問う。正解は選択肢2で、「公示価格と実際の取引価格を規準とする」という部分が誤り。正しくは「公示価格を規準とする」のみである。
地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1地価公示法の目的は、都市及びその周辺の地域等において、標準地を選定し、その正常な価格を公示することにより、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与することである。
- 2不動産鑑定士は、公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、公示価格と実際の取引価格を規準としなければならない。
- 3不動産鑑定士は、土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案しなければならない。
- 4関係市町村の長は、土地鑑定委員会が公示した事項のうち、当該市町村が属する都道府県に存する標準地に係る部分を記載した書面等を、当該市町村の事務所において一般の閲覧に供しなければならない。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
地価公示法に関する問題で、不動産鑑定士が公示区域内の土地の鑑定評価を行う際の規準について問う。
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02
深度分析
地価公示法に関する問題で、不動産鑑定士が公示区域内の土地の鑑定評価を行う際の規準について問う。正解は選択肢2で、「公示価格と実際の取…
03
知識背景
地価公示法は、国土交通省土地鑑定委員会が標準地の正常な価格を公示することで、土地取引の指標を提供し、適正な地価形成に寄与することを目…
04
覚え方
「公示価格だけが規準、実際取引は規準外」。「実」際取引は「実」は規準外と覚える。または「公(公示)だけ正しい基準」と語呂合わせ。
05
試験のコツ
目的規定の内容を問う問題
・公示価格を規準とする場合を問う問題
・標準地の鑑定評価で勘案すべき事項を問う問題
06
実務での見え方
不動産鑑定士が担保評価のための鑑定評価書を作成する際、公示価格を基準として評価を行う。実際の取引事例は参考にはするが、個別事情を排除…
07
よくある間違い
{"mistake":"「実際の取引価格」も規準に含まれると誤解し、選択肢2を正しいと判断してしまう。","why_wrong":"…
02深度分析
要約
地価公示法に関する問題で、不動産鑑定士が公示区域内の土地の鑑定評価を行う際の規準について問う。正解は選択肢2で、「公示価格と実際の取引価格を規準とする」という部分が誤り。正しくは「公示価格を規準とする」のみである。
法的根拠
地価公示法第1条(目的)地価公示法第4条第1項(標準地の鑑定評価)地価公示法第9条(公示価格による評価の規準)地価公示法第10条(公示事項の閲覧)
論理の流れ
まず地価公示法の目的を確認し、各選択肢の条文上の根拠を検討する。選択肢2に着目すると、地価公示法第9条は「公示価格を規準としなければならない」と規定しており、「実際の取引価格」は規準に含まれない。実際の取引価格は個別の事情を含むため、正常な価格の算定において規準とはならない。この条文知識があれば選択肢2が誤りと判断できる。
重要な区別
「公示価格を規準とする」と「公示価格と実際の取引価格を規準とする」の違い。実際の取引価格は個別的事情を反映しており、正常価格の算定基準にはなり得ない点が決定的な区別。
各選択肢のポイント
- 地価公示法第1条の目的規定そのままであり、正しい記述である。
- 地価公示法第9条は「公示価格を規準」とのみ規定。「実際の取引価格」は規準に含まれず、これが誤り。
- 地価公示法第4条第1項の規定通り。三つの推定価格を勘案することは正しい。
- 地価公示法第10条の規定通り。市町村長に閲覧義務があることは正しい。
03知識背景
テーマ概要
地価公示法は、国土交通省土地鑑定委員会が標準地の正常な価格を公示することで、土地取引の指標を提供し、適正な地価形成に寄与することを目的とする。公示価格は公共事業の補償金算定や相続税評価など多方面で基準として活用される重要な制度である。
歴史的背景
地価公示法は1969年(昭和44年)に制定され、高度経済成長期の地価高騰問題への対応として導入された。その後、地価変動や社会情勢の変化に応じて改正が行われ、現在に至るまで土地取引の透明性確保に寄与している。
関連法令
地価公示法第1条(目的)地価公示法第4条(標準地の鑑定評価)地価公示法第9条(公示価格による評価の規準)地価公示法第10条(公示事項の閲覧)
体系的位置づけ
宅建試験の「その他の法令」分野に位置づけられ、地価公示法は毎年1問程度出題される。条文の正確な理解と、公示価格の意義を問う問題が中心である。
前提知識
正常な価格の概念(個別的事情を排除した客観的価格)、標準地の選定基準、不動産鑑定士の鑑定評価手法(取引事例比較法、収益還元法、原価法)の基礎的理解が必要である。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「公示価格だけが規準、実際取引は規準外」。「実」際取引は「実」は規準外と覚える。または「公(公示)だけ正しい基準」と語呂合わせ。
ビジュアル描写
公示価格を中心とした同心円をイメージ。内側に公示価格、その外側に鑑定評価、さらに外側に実際の取引価格。規準となるのは中心の公示価格のみ。
重要公式
公示価格=正常な価格、規準=公示価格のみ、勘案事項=取引価格推定額+地代等推定額+造成費用推定額
関連連想
「公示」は「公(おおやけ)」に示すもの。公共性・客観性が重要。実際の取引は私的な事情を含むため規準外。
比較表
公示価格:正常な価格として客観的・規準となる/実際の取引価格:個別事情を含む・規準とならない/鑑定評価額:専門家による評価・公示価格を規準とする
05試験テクニック
出題頻度
地価公示法は毎年1問出題される。条文の正確な知識を問う問題が多く、第9条(規準)は頻出論点である。
重要度
A:最重要。地価公示法の中核条文であり、公示価格の意義と機能を理解する基礎となる。他法令分野での得点源。
出題パターン
- 目的規定の内容を問う問題
- 公示価格を規準とする場合を問う問題
- 標準地の鑑定評価で勘案すべき事項を問う問題
解法・消去法
選択肢1は目的規定で明らかに正しい。選択肢3と4も条文通り。選択肢2の「実際の取引価格」が余計な文言として目立ち、消去法でも正解にたどり着ける。
時間戦略
条文知識があれば30秒程度で解答可能。選択肢2の「実際の取引価格」という文言に気づけば即座に正解を導ける。
06実務応用
実務シナリオ
不動産鑑定士が担保評価のための鑑定評価書を作成する際、公示価格を基準として評価を行う。実際の取引事例は参考にはするが、個別事情を排除した正常価格の算定では公示価格が規準となる。
実務への影響
公示価格は相続税路線価、固定資産税評価額の基礎となる。公共事業の用地取得における補償金算定でも公示価格が重要な指標として機能する。
ケーススタディ
相続が発生した際、相続税申告における土地評価は路線価方式または評価倍率方式で行うが、路線価は公示価格の80%を目安に設定される。公示価格を知ることで、概算の相続税評価額を推定できる。
業界関連性
不動産取引において、公示価格は売買価格の目安となる。仲介業者は公示価格を参考に適正な価格帯を顧客に提案する際に活用する。
ニュース連動
近年の地価上昇地域や、相続税増税の議論において、公示価格への関心が高まっている。都市部と地方の地価格差も公示価格の分析から読み取れる。
07よくある間違い
「実際の取引価格」も規準に含まれると誤解し、選択肢2を正しいと判断してしまう。
なぜ間違えるか:実際の取引価格には個別の事情(売急ぎ、買急ぎ、特殊な事情)が反映されており、正常な価格の規準にはなり得ないことを理解していない。
正しい理解:「正常な価格」と「実際の取引価格」の違いを明確に理解する。正常価格は個別事情を排除した客観的価格である。
選択肢3の三つの勘案事項を混同し、誤った選択肢と判断してしまう。
なぜ間違えるか:地価公示法第4条の三つの推定価格(取引価格から算定、地代等から算定、造成費用)を正確に覚えていない。
正しい理解:三つの手法=三つの推定価格とセットで覚える。「取引・地代・造成」の3語で記憶する。
選択肢1の目的規定を暗記しておらず、内容の正誤が判断できない。
なぜ間違えるか:地価公示法第1条の目的規定を学習していない、または他の法律の目的と混同している。
正しい理解:目的規定は各法律の冒頭にあり重要。キーワード「指標」「補償」「適正形成」を押さえる。
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