宅建コーチ税・その他平成3年32
平成3年(1991)本試験

32単に事実を記載するだけでなく、消費者が誤認しないよう「物件の不利な点」や「権利関係の詳細」をどこまで明示すべきかという点。

税・その他景品表示法過去問

この問題の全体像

景品表示法に基づく不動産広告のルールにおいて、価格表示の例外措置と、物件のマイナス要因(高圧線、再建築不可、私道負担)の表示義務の有無を問う問題です。

平成3年32税・その他
不当景品類及び不当表示防止法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 1宅地建物取引業者が、30区画の一団の分譲宅地を販売する際、広告のスペースの関係からそのすべての宅地の価格を表示することが困難なときは、新聞折込ビラに最高価格、最低価格を表示し、最多価格帯及びこれに属する区画数をその価格区分を明らかにして表示すれば、すべての価格を表示しなくても、不当表示となるおそれはない。
  • 2宅地建物取引業者が、高圧線下にある土地を販売する際、新聞折込ビラに高圧線下にある旨を表示しなくても不当表示となるおそれはない。
  • 3宅地建物取引業者が、建築基準法第42条に規定する道路に適法に接していない土地に建てられている中古住宅を販売する際、新聞折込ビラに「道路位置指定無」と表示すれば、「再建築不可」と表示しなくても、不当表示となるおそれはない。
  • 4宅地建物取引業者が、私道負担部分が含まれている分譲宅地を販売する際、新聞折込ビラに私道負担部分がある旨を表示すれば、私道負担部分の面積を表示しなくても、不当表示となるおそれはない。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
単に事実を記載するだけでなく、消費者が誤認しないよう「物件の不利な点」や「権利関係の詳細」をどこまで明示すべきかという点。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
景品表示法に基づく不動産広告のルールにおいて、価格表示の例外措置と、物件のマイナス要因(高圧線、再建築不可、私道負担)の表示義務の有…
03
知識背景
景品表示法は、事業者が行う景品類の提供及び表示に関する事項を規制し、一般消費者の利益を保護する法律です。不動産業界では「不動産の表示…
04
覚え方
「高圧(こうあつ)は高くつく、再建築は不可、私道(しどう)は面積まで」、価格は「サ・イ・コ(最高・最低・最多)」でOK。
05
試験のコツ
価格表示の範囲表示(最高・最低価格)の要件 ・物件のマイナス要因(高圧線、墓地近隣等)の表示義務 ・再建築不可やセットバック等の法的…
06
実務での見え方
分譲マンションのチラシ作成において、最も安い住戸と最も高い住戸の価格差が大きい場合、全価格を掲載するとスペースを取るため、規約に従い…
07
よくある間違い
{"mistake":"「道路位置指定無」と表示すれば、再建築不可までは言わなくても良いと誤解する。","why_wrong":"専…
02深度分析
要約
景品表示法に基づく不動産広告のルールにおいて、価格表示の例外措置と、物件のマイナス要因(高圧線、再建築不可、私道負担)の表示義務の有無を問う問題です。
法的根拠
景品表示法第4条(不当な表示の禁止)景品表示法第5条(不当な表示の指定)不動産の表示に関する公正競争規約建築基準法第42条(道路の定義)
論理の流れ
選択肢1は、広告スペースの制限がある場合、最高・最低価格に加え、最多価格帯と区画数を表示すれば全価格表示に代えられるという公正競争規約の規定に合致し正解。選択肢2は高圧線下というマイナス要因を非表示としているため誤り。選択肢3は「道路位置指定無」だけでは再建築不可のリスクが伝わらないため誤り。選択肢4は私道負担面積が価格計算の根拠となるため非表示は誤り。
重要な区別
単に事実を記載するだけでなく、消費者が誤認しないよう「物件の不利な点」や「権利関係の詳細」をどこまで明示すべきかという点。
各選択肢のポイント
  • 公正競争規約により、スペース制限時は最高・最低・最多価格帯等の表示が認められているため。
  • 高圧線下の物件は品質や利用価値に重大な影響を及ぼすため、その旨を表示しないと不当表示となる。
  • 「道路位置指定無」だけでは再建築不可かどうか一般消費者には不明確であり、誤認を招くおそれがある。
  • 私道負担部分の面積は土地価格や有効面積の判断に不可欠であり、表示しないと不当表示となる。
03知識背景
テーマ概要
景品表示法は、事業者が行う景品類の提供及び表示に関する事項を規制し、一般消費者の利益を保護する法律です。不動産業界では「不動産の表示に関する公正競争規約」が設けられ、価格、所在地、面積、資格等の具体的な表示基準が定められています。
歴史的背景
1962年に制定され、過度な景品提供や消費者を誤認させる表示を規制しています。不動産バブル期の過熱した広告表現を是正するため、公正競争規約を通じて詳細なルールが整備されました。
関連法令
不当景品類及び不当表示防止法不動産の表示に関する公正競争規約宅地建物取引業法建築基準法
体系的位置づけ
宅建業法と並び、不動産取引における消費者保護と公正な取引環境を維持するための重要な法的規制として位置づけられます。
前提知識
「有利誤認」と「品質誤認」の2つの不当表示の類型、および不動産広告における「おとり広告」や「取引価格についての表示」の具体的なルールを理解している必要があります。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「高圧(こうあつ)は高くつく、再建築は不可、私道(しどう)は面積まで」、価格は「サ・イ・コ(最高・最低・最多)」でOK。
ビジュアル描写
広告チラシの隅に小さく「高圧線あり」と書かれている図を想像し、これがなかったら客が怒る様子を思い浮かべる。
重要公式
価格表示の例外 = 最高価格 + 最低価格 + 最多価格帯 + 区画数
関連連想
自分が家を買うときに知りたくて、隠されたら怒ることを「表示すべき事項」と連想する。
比較表
価格表示:全額表示が原則だが、条件付きで範囲表示可。マイナス要因:高圧線、再建築不可、日照阻害等は必須表示。権利関係:私道負担面積、地役権等は必須表示。
05試験テクニック
出題頻度
頻出(2-3年に1回は出題される重要論点)
重要度
A:最重要。実務でも広告チェックの基本であり、頻出のため確実に正解したい。
出題パターン
  • 価格表示の範囲表示(最高・最低価格)の要件
  • 物件のマイナス要因(高圧線、墓地近隣等)の表示義務
  • 再建築不可やセットバック等の法的制限の表示方法
解法・消去法
マイナス情報(高圧線、再建築不可、私道)を隠している選択肢から消去していく。価格表示以外で「省略してよい」としている選択肢は怪しいと疑う。
時間戦略
「不当表示となるおそれはない」が正解かどうかを見極めるため、各選択肢の「省略されている情報」が消費者に誤認を与えるか即座に判断する。
06実務応用
実務シナリオ
分譲マンションのチラシ作成において、最も安い住戸と最も高い住戸の価格差が大きい場合、全価格を掲載するとスペースを取るため、規約に従い価格帯表示を採用する。
実務への影響
不当表示を行うと、消費者庁や公正取引委員会から排除命令や課徴金納付命令を受けるほか、事業者の信用失墜につながる。
ケーススタディ
実際に、高圧線下であることを明示せずに販売した業者に対し、景品表示法に基づき措置命令が行われた事例がある。
業界関連性
不動産広告を作成する際の必須知識であり、宅建士として広告の法的チェックを行う際に直接役立つ。
ニュース連動
近年、SNSやインフルエンサーによる不動産広告も規制対象となっており、デジタルマーケティングとの関連が深まっている。
07よくある間違い
「道路位置指定無」と表示すれば、再建築不可までは言わなくても良いと誤解する。
なぜ間違えるか:専門用語だけでは消費者がリスクを正確に理解できないため、実質的な影響(再建築不可)を明示する必要があるから。
私道負担がある旨を書けば、面積までは書かなくても良いと考える。
なぜ間違えるか:私道負担の面積によって、実際に使える土地の広さや単価が変わるため、面積は不可欠な情報だから。
高圧線下であることは写真で見ればわかるので、文字で書かなくても良いと判断する。
なぜ間違えるか:写真だけではその影響の程度や、高圧線下であることが明確でない場合があり、文字による明示が義務付けられているから。
解説は、まだ続きます
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