宅建コーチ権利関係平成4年10
平成4年(1992)本試験

10建物滅失時に再築するか否かで借地権の存続が決まる点。また、再築時の地主の異議期間は「2ヶ月以内」という具体的な期間である点。

権利関係借地借家法(借地)過去問

この問題の全体像

旧借地法における建物滅失と再築、および更新請求の要件を問う問題。特に、建物が滅失し再築されない場合の借地権消滅と、再築時の地主の異議期間の正確な知識が試される。

平成4年10権利関係
Aは、木造の建物の所有を目的として、Bが所有する土地を期間30年の約定で賃借している。この場合、民法及び借地借家法の規定によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
  • 1期間満了前にAが鉄筋コンクリート造りの建物を無断で増築した場合、Bが遅滞なく異議を述べなければ、借地権の存続期間は、増築のときから20年となる。
  • 2期間満了前に建物が滅失し、Aが再築をしない場合、期間満了の際にAが契約の更新の請求をしても、Bが異議を述べたときは、当該契約は更新されない。
  • 3期間満了後Aが当該建物に居住して土地の使用を継続している場合、Bが遅滞なく異議を述べなければ、期間の定めのない借地権が設定されたものとみなされる。
  • 4期間満了前に建物が火災により滅失し、Aが木造の建物を再築した場合、Bが遅滞なく異議を述べなければ、借地権の存続期間は、建物滅失の日から20年となる。

この問題の詳しい解説

POINT
この問題のポイント
建物滅失時に再築するか否かで借地権の存続が決まる点。また、再築時の地主の異議期間は「2ヶ月以内」という具体的な期間である点。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
旧借地法における建物滅失と再築、および更新請求の要件を問う問題。特に、建物が滅失し再築されない場合の借地権消滅と、再築時の地主の異議…
03
知識背景
旧借地法における借地権の存続期間、更新、および建物の滅失・再築に関するルールを扱う。特に建物が滅失した場合の借地権の消滅と、再築を行…
04
覚え方
「滅失は2年、再築は2ヶ月、期間は20年」。旧法の再築ルールを、重要な数字のセットとしてリズムよく覚えるのが効果的である。
05
試験のコツ
「遅滞なく」と「2ヶ月以内」の書き換えによる引っかけ ・更新請求権の発生要件(建物の存在)の確認
06
実務での見え方
古い借地契約(旧法適用)の物件で、建物が老朽化し建替えが必要な場合。地主への通知と2ヶ月の異議期間の管理が実務上必須であり、これを誤…
07
よくある間違い
{"mistake":"「遅滞なく」と「2ヶ月以内」を混同してしまう。","why_wrong":"民法の一般原則(遅滞なく)を適用…
02深度分析
要約
旧借地法における建物滅失と再築、および更新請求の要件を問う問題。特に、建物が滅失し再築されない場合の借地権消滅と、再築時の地主の異議期間の正確な知識が試される。
法的根拠
旧借地法第4条(借地権の更新)旧借地法第8条(建物の滅失と再築)民法第619条(賃貸借の更新)
論理の流れ
建物が滅失し再築しない場合、旧借地法8条1項により借地権は消滅する。借地権が消滅していれば、期間満了時に更新請求をしても権利自体がないため更新されない。よって選択肢2が正しい。選択肢1と4は、地主の異議期間が「2ヶ月以内」であるのに対し「遅滞なく」としている点が誤り。また選択肢3は、旧法下では法定更新されても期間の定めのない借地権とはならないため誤り。
重要な区別
建物滅失時に再築するか否かで借地権の存続が決まる点。また、再築時の地主の異議期間は「2ヶ月以内」という具体的な期間である点。
各選択肢のポイント
  • 地主の異議を述べる期間は「遅滞なく」ではなく「2ヶ月以内」であるため、この記述は誤り。
  • 建物滅失で再築しなければ借地権は消滅し、更新請求権も発生しないため、この記述は正しい。
  • 旧法下では法定更新された場合、期間の定めのないものとはならず、原則として従前と同一期間となるため誤り。
  • 地主の異議期間は「2ヶ月以内」であり、「遅滞なく」ではないため、この記述は誤り。
03知識背景
テーマ概要
旧借地法における借地権の存続期間、更新、および建物の滅失・再築に関するルールを扱う。特に建物が滅失した場合の借地権の消滅と、再築を行った際の地主の異議権および借地権の存続期間延長(20年)に関する規定の正確な理解が問われる重要な分野である。
歴史的背景
1992年の借地借家法改正前に適用された旧法のルールである。現在の法よりも地主側の権利が強く、再築には地主の承諾や異議期間の制限が厳格に定められていた点に特徴がある。
関連法令
旧借地法民法借地借家法(現行法)借地借家法附則
体系的位置づけ
権利関係分野における「借地権」の核心部分。特に旧法の知識は、現在も存続する契約に関する重要な知識として扱われる。
前提知識
旧借地法が適用される契約(平成4年7月31日以前の締結)であることの理解。また、建物滅失による借地権消滅の原則と、再築による借地権延長の例外規定についての知識が必要。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「滅失は2年、再築は2ヶ月、期間は20年」。旧法の再築ルールを、重要な数字のセットとしてリズムよく覚えるのが効果的である。
ビジュアル描写
タイムラインをイメージする。建物が燃える→2年以内に再築しないと終了→再築したら地主が2ヶ月以内に異議を言わないと20年延長、という流れを図式化する。
重要公式
再築なし=借地権消滅。再築あり+無異議=20年延長。
関連連想
「2」がつく数字が多い(2年、2ヶ月、20年)。これらを関連付けてセットで連想して覚えると記憶に残りやすい。
比較表
旧法:再築に地主の承諾必要、異議2ヶ月、期間20年。現法:耐震性を向上させる等の変更は承諾不要、異議2ヶ月、期間20年。主な違いは再築時の地主の承諾要件の有無。現法は借地人に有利。
05試験テクニック
出題頻度
現在は稀に出題(旧法適用契約の減少)。過去問演習でのみ遭遇するレベル。
重要度
C. 現行法中心の出題が多いため、旧法は優先度は低いが、論理の理解には役立つ。
出題パターン
  • 「遅滞なく」と「2ヶ月以内」の書き換えによる引っかけ
  • 更新請求権の発生要件(建物の存在)の確認
解法・消去法
旧法の再築問題で「遅滞なく異議」とあれば即座に×候補とする。正解は「2ヶ月以内」。
時間戦略
旧法の知識が曖昧な場合、消去法で対応。「遅滞なく」という言葉があれば怪しいと疑う。
06実務応用
実務シナリオ
古い借地契約(旧法適用)の物件で、建物が老朽化し建替えが必要な場合。地主への通知と2ヶ月の異議期間の管理が実務上必須であり、これを誤ると借地権を失うリスクがあるため、正確な手続きが求められる。
実務への影響
通知を怠ったり、異議期間を誤解したりすると、借地権を主張できなくなり、土地の明渡しを求められるリスクがあるため、契約管理が重要。
ケーススタディ
借地人が無断で建替えを行い、地主が3ヶ月後に異議を述べたが、期間経過(2ヶ月)のため借地権が20年延長された事例。このように、地主の対応が遅れると権利が確定してしまうため、迅速な対応が求められる。
業界関連性
不動産取引における権利調査や、借地権付き物件の資産価値評価、および開発企画に大きな影響を与える。
ニュース連動
耐震改修促進法や都市再生における既存借地権の建替え問題、および空き家対策と関連が深い。
07よくある間違い
「遅滞なく」と「2ヶ月以内」を混同してしまう。
なぜ間違えるか:民法の一般原則(遅滞なく)を適用してしまうため。
建物滅失後も更新請求権があると誤解する。
なぜ間違えるか:期間満了という言葉に反応して、更新請求権があると即断するため。
法定更新後の期間を「期間の定めなし」と誤解する。
なぜ間違えるか:民法の賃貸借(期間の定めなし)と混同するため。
解説は、まだ続きます
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