平成8年(1996)本試験
問34指定流通機構における物件登録内訳(建物が大多数を占めること)と、バブル崩壊期における地価下落と取引件数の底入れ時期のズレを正確に区別すること。
税・その他統計過去問
この問題の全体像
この問題は、バブル崩壊後の1990年代半ばにおける地価動向、住宅着工統計、および各種白書に基づく土地取引状況に関する正誤判定問題です。当時の不動産市場の特徴と統計データの正確な内容を問います。
宅地建物の統計等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1平成8年3月に公表された地価公示(国土庁)によれば、平成7年1年間の地価の概況は、大都市圏において住宅地、商業地ともに下落しており、地方圏において住宅地は横ばい、商業地はわずかな上昇となっている。
- 2住宅着工統計(建設省)によれば、平成7年1年間の新設住宅着工戸数は、貸家、分譲住宅ともに対前年比でわずかに増加している。
- 3平成7年6月に公表された土地白書によれば、年間の売買による土地取引件数(売買による土地の所有権移転登記の件数)は、平成2年から一貫して減少傾向にあったものの、平成6年には増加に転じている。
- 4平成7年7月に公表された建設白書によれば、平成6年度における指定流通機構の売り物件の新規登録件数は、土地が最も多くなっている。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
指定流通機構における物件登録内訳(建物が大多数を占めること)と、バブル崩壊期における地価下落と取引件数の底入れ時期のズレを正確に区別すること。
この問題は、6 つの視点でさらに深掘りできます
02
深度分析
この問題は、バブル崩壊後の1990年代半ばにおける地価動向、住宅着工統計、および各種白書に基づく土地取引状況に関する正誤判定問題です…
03
知識背景
宅建試験における統計問題は、地価公示、住宅着工統計、土地白書、建設白書などの公的データに基づき、不動産市場の現状と動向を理解している…
04
覚え方
「流機(りゅうき)は建物(けんもつ)」=指定流通機構は建物が多い。「平成6、取引増」=平成6年に取引件数が増加に転じた。
05
試験のコツ
正誤判定問題
・統計データの組み合わせ問題
・数値の大小や増減の順序問い
06
実務での見え方
顧客に不動産売却の価格を提案する際、過去の地価推移データや近隣の取引件数を示して、市場の厳しさや底堅さを客観的に説明する場面。
07
よくある間違い
{"mistake":"指定流通機構の登録物件で「土地」が最も多いと勘違いする。","why_wrong":"一般的に土地取引より建…
02深度分析
要約
この問題は、バブル崩壊後の1990年代半ばにおける地価動向、住宅着工統計、および各種白書に基づく土地取引状況に関する正誤判定問題です。当時の不動産市場の特徴と統計データの正確な内容を問います。
法的根拠
地価公示法第2条建築基準法第6条宅地建物取引業法第35条国土利用計画法統計法
論理の流れ
まず選択肢1の地価について、バブル崩壊後の平成7年時点では地方圏の商業地も下落傾向にあったため誤りと判断。次に選択肢4の指定流通機構について、登録物件は建物が圧倒的に多いため誤りと判断。選択肢2の住宅着工は震災特需等で増加したが詳細な表現に問題がある場合が多い。残る選択肢3について、平成6年の土地取引件数が増加に転じた事実は当時の統計データと合致するため正解とする。
重要な区別
指定流通機構における物件登録内訳(建物が大多数を占めること)と、バブル崩壊期における地価下落と取引件数の底入れ時期のズレを正確に区別すること。
各選択肢のポイント
- 平成7年時点では、地方圏においても商業地は下落しており、上昇していない。
- 貸家は大幅に増加したが、分譲住宅の動向とは異なり、一概に「ともにわずか」と言えない。
- 平成6年の土地取引件数は、前年比で増加に転じており、記述通りである。
- 指定流通機構の新規登録件数は、建物(特に住宅)が最も多く、土地ではない。
03知識背景
テーマ概要
宅建試験における統計問題は、地価公示、住宅着工統計、土地白書、建設白書などの公的データに基づき、不動産市場の現状と動向を理解しているかを問う分野です。特にバブル経済崩壊前後のデータは頻出でした。
歴史的背景
1990年代初頭のバブル崩壊後、地価は長期にわたり下落しました。平成7年(1995年)は阪神・淡路大震災の年であり、住宅需要の一時的な増加や、土地取引が底を打って微増に転じるなど、市場の転換点となった時期です。
関連法令
地価公示法建築基準法国土利用計画法不動産の表示に関する公正競争規約
体系的位置づけ
宅建業法の関連法規や一般知識の中で出題され、不動産市場の客観的な数値を扱う実務的な知識として位置づけられています。
前提知識
各統計の作成主体(国土交通省等)、公表時期、調査対象(地価公示は1月1日時点など)、およびバブル経済の崩壊とその後の長期低迷に関するマクロ経済の基礎知識が必要です。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「流機(りゅうき)は建物(けんもつ)」=指定流通機構は建物が多い。「平成6、取引増」=平成6年に取引件数が増加に転じた。
ビジュアル描写
グラフのイメージ。地価は右肩下がりだが、取引件数のグラフは平成6年の谷底から少し持ち上がるイメージ。
重要公式
公示価格 = 1月1日時点。流通機構 = 建物>土地。
関連連想
白書=政府の年次報告書。白い紙にトレンドを書くイメージで、増減の転換点を連想する。
比較表
地価公示(1月1日、標準地) vs 住宅着工(毎月、着工戸数) vs 土地白書(取引件数、登記ベース)。
05試験テクニック
出題頻度
統計問題は毎年出題されますが、過去の具体的な数値データ(1996年当時の内容)は現在の出題範囲外。ただし「統計の種類と特徴」は頻出です。
重要度
B(統計の知識自体は重要だが、過去問の古い数値を覚える必要はない)。
出題パターン
- 正誤判定問題
- 統計データの組み合わせ問題
- 数値の大小や増減の順序問い
解法・消去法
「指定流通機構で土地が最も多い」は常に誤りと判断してよい定石があるため、即座に消去候補にする。
時間戦略
統計の細かい数値が分からなくても、常識(例:流通機構は建物が多い)で消去法で解けることが多いため、時間をかけすぎない。
06実務応用
実務シナリオ
顧客に不動産売却の価格を提案する際、過去の地価推移データや近隣の取引件数を示して、市場の厳しさや底堅さを客観的に説明する場面。
実務への影響
公的統計に基づく説明は、客観性を担保し、顧客の信頼を得るために不可欠です。感情論による価格交渉を防ぐ効果があります。
ケーススタディ
バブル期に高値で購入した顧客が売却を渋る場合、現在の地価公示データと白書のトレンドを示し、現実的な価格での売却を説得する。
業界関連性
不動産鑑定評価や市場分析の基礎データとして、業界全体の意思決定に利用されます。
ニュース連動
近年のニュースで話題の「東京の地価高騰」や「地方の土地価格下落」は、毎年の地価公示結果が報道されます。
07よくある間違い
指定流通機構の登録物件で「土地」が最も多いと勘違いする。
なぜ間違えるか:一般的に土地取引より建物(中古住宅)の流通の方が頻繁に行われるため、建物の登録数が圧倒的に多い。
正しい理解:「流機=建物」とセットで暗記し、選択肢に「土地が多い」とあれば即座に誤りと判断する。
統計の調査時点(基準日)を混同する。
なぜ間違えるか:地価公示は1月1日、都道府県地価調査は7月1日など異なるため、時期によるズレを理解していないと誤読する。
正しい理解:「公示は1月(正月)」と語呂合わせで覚える。
次に読む
関連ページ
さあ、はじめよう
この問を、アプリで記録する