平成9年(1997)本試験
問27「居住用財産の譲渡」に関する特例(3000万控除・軽減税率)は併用不可だが、「収用交換等」の5000万控除は併用可能という例外を識別すること。
税・その他所得税過去問
この問題の全体像
住宅ローン控除と譲渡所得の特別控除等の併用可否を問う問題。居住用財産の3000万円控除や軽減税率との併用は不可であるが、収用交換等の5000万円控除とは併用可能である点が核心。
住宅ローン控除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問において「住宅ローン控除」とは住宅の取得等をした場合の所得税額の特別控除を、「居住年」とは住宅取得促進税制の対象となる家屋をその居住の用に供した日の属する年をいうものとする。
- 1居住年又は当該居住年の前年若しくは前々年に収用交換等の場合の5,000万円特別控除の適用を受けている場合であっても、当該居住年以後の各年分については、住宅ローン控除の適用を受けることができる。
- 2居住年又は当該居住年の前年若しくは前々年に居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除の適用を受けている場合であっても、当該居住年以後の各年分については、住宅ローン控除の適用を受けることができる。
- 3居住年又は当該居住年の前年若しくは前々年に居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けている場合であっても、当該居住年以後の各年分については、住宅ローン控除の適用を受けることができる。
- 4居住年又は当該居住年の前年若しくは前々年に既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換えの場合の譲渡所得の課税の特例の適用を受けている場合であっても、当該居住年以後の各年分については、住宅ローン控除の適用を受けることができる。
この問題の詳しい解説
POINT
この問題のポイント
「居住用財産の譲渡」に関する特例(3000万控除・軽減税率)は併用不可だが、「収用交換等」の5000万控除は併用可能という例外を識別すること。
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02
深度分析
住宅ローン控除と譲渡所得の特別控除等の併用可否を問う問題。居住用財産の3000万円控除や軽減税率との併用は不可であるが、収用交換等の…
03
知識背景
住宅ローン控除は、住宅取得者の金利負担を軽減するための所得税額控除。一方、譲渡所得の特例は居住用財産の売却益に対する課税を軽減するも…
04
覚え方
「収用(しゅうよう)は仲良し(5000万)、居住(きょじゅう)はケンカ(3000万・軽減)」
05
試験のコツ
併用可否の組合せ問題
・居住年の前年・前々年の範囲
・特定の控除との関係
06
実務での見え方
顧客がマイホームを売却して利益が出たため3000万円控除を受けたいが、新居のローン控除も受けたいと相談。併用不可を説明し、どちらが有…
07
よくある間違い
{"mistake":"5000万円特別控除ならすべて併用できると勘違いする。","why_wrong":"居住用財産の譲渡と同時に…
02深度分析
要約
住宅ローン控除と譲渡所得の特別控除等の併用可否を問う問題。居住用財産の3000万円控除や軽減税率との併用は不可であるが、収用交換等の5000万円控除とは併用可能である点が核心。
法的根拠
租税特別措置法第41条(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)租税特別措置法第33条(居住用財産の譲渡所得の特別控除)租税特別措置法第31条の3(居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例)租税特別措置法第33条の4(収用交換等の場合の5,000万円特別控除)
論理の流れ
住宅ローン控除は、居住年とその前2年において、居住用財産の譲渡に関する3000万円控除や軽減税率の適用を受けると適用不可となる。しかし、公共事業等による収用交換等の5000万円控除は、強制収用等の性質上、例外として併用が認められる。したがって、選択肢1が正解となる。
重要な区別
「居住用財産の譲渡」に関する特例(3000万控除・軽減税率)は併用不可だが、「収用交換等」の5000万控除は併用可能という例外を識別すること。
各選択肢のポイント
- 収用交換等の5000万円特別控除は、住宅ローン控除と併用可能であるため正しい。
- 居住用財産の3000万円特別控除を受けた年は、住宅ローン控除を受けられないため誤り。
- 居住用財産の軽減税率の特例を受けた年は、住宅ローン控除を受けられないため誤り。
- 特定の買換え特例の適用を受けた年は、原則として住宅ローン控除を受けられないため誤り。
03知識背景
テーマ概要
住宅ローン控除は、住宅取得者の金利負担を軽減するための所得税額控除。一方、譲渡所得の特例は居住用財産の売却益に対する課税を軽減するもの。両者は住宅政策の観点から重複適用が制限されている。
歴史的背景
住宅取得促進税制として創設され、バブル崩壊後の住宅市場活性化や、その後の税制改正により控除率や期間が変遷しているが、他の譲渡特例との調整ルールは一貫して出題されている。
関連法令
租税特別措置法所得税法国土利用計画法建築基準法
体系的位置づけ
宅建士試験の「宅建業法」以外の法令制限科目、特に「税法」分野における最重要論点の一つ。
前提知識
所得税と譲渡所得税の違い、各種特別控除の概要、居住年の定義、特例の重複適用の可否に関する基本的なルール。
04記憶テクニック
語呂合わせ
「収用(しゅうよう)は仲良し(5000万)、居住(きょじゅう)はケンカ(3000万・軽減)」
ビジュアル描写
家を売って利益が出た時(3000万控除)と、家を買ってローンを組んだ時(ローン控除)は、どちらか一方しか選べないとイメージする。ただし、公共事業で土地を取られた時(収用)は別扱い。
重要公式
3000万控除+ローン控除=×、収用5000万控除+ローン控除=○
関連連想
「収用」は「従う(公共のために)」ので優遇して併用OK、「居住用譲渡」は自分の都合なので選択制と連想する。
比較表
3000万控除:×併用、軽減税率:×併用、収用5000万:○併用、特定買換え:×併用
05試験テクニック
出題頻度
2-3年に1回程度。税制改正の影響を受けやすいが、併用不可の原則は頻出。
重要度
A:最重要。税法分野の中で最も頻出かつ実務的にも重要な論点。
出題パターン
- 併用可否の組合せ問題
- 居住年の前年・前々年の範囲
- 特定の控除との関係
解法・消去法
「3000万円特別控除」「軽減税率」の文字があれば、住宅ローン控除と併用できないと判断して即座に消去する。
時間戦略
例外である「収用等の5000万円控除」が選択肢にある場合、それが正解である可能性が高いため、まずそこを確認する。
06実務応用
実務シナリオ
顧客がマイホームを売却して利益が出たため3000万円控除を受けたいが、新居のローン控除も受けたいと相談。併用不可を説明し、どちらが有利かシミュレーションして提案する場面。
実務への影響
顧客の納税額に直接影響するため、誤ったアドバイスは損害賠償リスクにつながる。不動産取引における重要なアドバイス事項。
ケーススタディ
道路拡張工事で土地を買い取られ(収用)、その資金で新居を購入したケースでは、5000万控除とローン控除の両方が適用でき、税負担が大幅に軽減される。
業界関連性
宅地建物取引士が顧客に税制メリットを説明する際に必須の知識。
ニュース連動
住宅ローン控除の見直しや、省エネ住宅への優遇措置拡大などのニュースに関連して、併用要件が話題になることがある。
07よくある間違い
5000万円特別控除ならすべて併用できると勘違いする。
なぜ間違えるか:居住用財産の譲渡と同時に行う買換え等の5000万円控除(特定の買換え等の場合の5000万円控除)は併用不可であるため。
正しい理解:「収用交換等」という言葉に注目し、単なる5000万円控除ではないことを確認する。
前年や前々年の譲渡まで影響があることを忘れる。
なぜ間違えるか:当該居住年だけではなく、過去2年間の適用状況も確認が必要であることを認識していないため。
正しい理解:「居住年とその前2年」というセットで覚える。
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